2020/10/07 のログ
■ブレイド > 興味は惹かれるものも好き勝手歩かないという点では
こちらとしても助かっている。
そもそも貧民地区を楽しむというのもおかし話なのではあるが…。
「あんまり遠けりゃ借りるけどな。あと乗合馬車とか。
でも、山や森の中には連れてけねぇしそうなると基本的には歩きだ。
ってか、そうだな…
妖精ってのもみたことはあるし、魔物なんてな討伐依頼が来てたりする。
見に行きたいとか言うなよ?」
王都の外はこことは比べ物にならないほどに危険だ。
自分だって、ここのチンピラ共程度ならあしらえはするものの
外で魔物に遭遇したらどうなるかはわからない。こういってしまえば好奇心旺盛なお嬢様の興味は惹かれてしまうだろうが
それでも、釘を刺す必要はあった。
「そりゃ良かった。オレがついてりゃアンタに手出しはさせねーよ」
少なくとも王都の中では。
まるで軽口のような返事を返すエリアには呆れたように笑い返して見せて。
「鳥…じゃなさそうだな。
ま、知らぬが華ってもんだ。普通の家畜肉みたいな上等なもんじゃねーことは確かだが…」
肉に食らいつく彼女の表情を伺う。
そして一言こぼすようにつぶやいたエリアにはうなずいて
「だろ?」
■エリア > 逆に、ここで彼が職務放棄すればそれまでになってしまう。
機嫌を取るなんてつもりはないが、命綱の様なもので。
「なるほど……。
やっぱり、やっぱり本当にいますのね、わたくしも見てみt………
……代わりにお話を聞かせて下さいまし」
見たい、と言い掛けたが先制されてしまった。ぐ、と言葉を切ってはあと溜息を吐くと。若干しょんぼりした声でそう頼んだ。
分かってはいるのだ、そんな事は決して許されない事など。
「さすが、頼りになりますこと。拷問が掛かっておりますしね。
もしもお咎めがないとしてもしっかりお守り下さいね。今はブレイドだけが頼りなのですから」
身に危険が生じたら高確率で半殺しにされてしまうだろうが、そうでなくともお願いしますと改めて。
「食べたことのないお肉ですわ……少し癖がありますけど、タレの味が濃いので気になりませんね。
――ええ、とっても気に入りましたわ」
肉の正体は貧民街の上級者でさえ分からないらしい。けれど美味しければいいのだ、と深く追求せず、もくもくと噛み締めて味わっては嬉しそうな顔をし。
その上、食い意地の張った事を。
「少しいただくと余計にお腹が空いて参りました」
■ブレイド > もちろん、立場もあるが友好的な女性を
一人でこのような場所においていくなどということはそもそもできない。
たとえ彼女の行動が問題を起こしたとしても。
世間知らずだが、気のおけない雇い主を見捨てることなどありえない。
「おう、話くらいならな。
っつか、そんな顔すんなよ…
外はこことは違う、オレが守りきれるとは限らねぇし
そもそも、オレだって安全とは言えねぇんだからよ。
拷問されるまもなくふたりともあの世行きってのは面白くもなんともねぇだろ?」
気落ちした様子を見せるエリアには少し困ったような顔を。
別に彼女に外の世界を見せたくないわけではないのだから…
しかし、そのかわりにと貧民地区の食べ物を彼女に振る舞うのだから
機嫌を直してほしいものだ。
「ま、悪いもんがまずいってもんでもねぇってこった。
そうだな…少し食べ歩くか、それともどっかによってくか?
酒場だったら裏の方に果実酒のおいてあるところが…」
■エリア > 然程の深い付き合いではないが……余程自信が傲慢不遜な振る舞いをしない限りは――もしかするとそれをしてしまったとしても――この、口は良くないが気のいい少年はきっと見棄てない。
それくらいは把握していた、だから初めての貧民地区でも至って平常運転で。
「解っています。重々理解しておりますわ……。ですが、言うだけは自由ではありませんか…?
都外へ出るなど、隊での移動ではないと許されませんもの。
ですから、沢山お話をお聞かせ下さい。質問もたくさんしてしまうかも知れませんが」
それこそお家が崩落してしまわない限りは貴族の娘が単身で外に出るなどあり得ない。こうして貧民地区に脚を向けている事すら非常識な行動には間違いないのだ。
残念な気持ちは中々簡単に払拭出来ないが……しかし、今は今で楽しまなければ損だ。
串焼きを美味しそうに頬張り、道端で物を食べるなんて悪い事をしているようだとわくわくしながら。
「本当ですわね、逆に豪華な食事でも味気ない事はありますもの。
こうしてブレイドの案内で一緒に道で食べるのが面白いですね。
わたくし、甘い物としょっぱい物を頂きたいです」
甘いしょっぱいのループする気で、目を輝かせながら言い出した。
■ブレイド > 「そりゃな。
みたいもんが自由に見れないってのは残念だろうしな。
そういう愚痴を聞くのも仕事…いや、仕事ってわけでもないな…
友人の勤めってもんだ。質問でもなんでもいくらでもだ。
それで多少不満がなくなるってならな」
どこか少女らしさを残したエリア。
わがまま気ままにふるまいつつも、その強い好奇心を押さえつけられる身。
縛られることへの不満はミレーの身としては理解しているつもりだ。
彼女に腕を任せつつ自分も串焼きを平らげて
「じゃあ、道端よりはどっかの店にでも行ったほうがいいな。
ショーステージなんかがあると、アンタの教育に悪いし
狭っ苦しいがオレのよく行ってるところでいいか?」
■エリア > 「何でも自由になる訳ではないと言うのは……誰しも同じ事ですものね。
それでも、子供の頃は随分我が侭を言って周りを困らせたものですわ。
ブレイドの事がやはり羨ましく思う事があります。
……でも、いい友人を持てましたので、余り我が侭は申しませんわ」
22年も箱に入って生きてきた女は精神の成長が遅いのか。
それでも我慢する事は覚えていて。護衛、ではなく友人との表現に綻ぶように笑みを刻み。
……食べ終わった串を持って……静かに困っていた。普段は何も言わずとも誰かが下げてくれるものだから。
「ショー? ぜひ観てみたいのですが。一般的な教育はもう終了しておりますので心配ご無用ですわ。
ですが、ブレイドの行きつけのお店も興味があります」
迷う。どう転んでも楽しそうだ。歩いて街並みを見て行き過ぎる人を眺めているだけでも楽しい、とても変わった風体や大道芸など見つけると、ぐいぐいぐい、と途中で興奮気味に腕を引っ張られる罠が。
■ブレイド > 「ミレーを羨ましいなんておかしなやつだな
疎まれて追われて奴隷扱いなんて…オレはゴメンだ。
ま、外につれてくってのは無理だが…
それ以外のわがままなら聞ける範囲で聞くからよ。遠慮はすんなよ」
とはいえ、彼女の立場が羨ましいわけでもない。
彼女とて、貴族という籠の中に囚われてきたのだから
今となっては奔放にしているものの
本来ならば嫁入りしている年齢だ。周囲は色々と噂を立てるものだろう。
彼女の手から串をとってそこらに……
投げようとしてやめた。自分の荷物の中に二本の串をポイと放り込んでおく。
「うおっ!?あんまひっぱんなって…
つか、こっちの裏っかわのショーってのはそういうんじゃなくてな…
いや、いいんだけどな?」
落ち着きのない雇い主に苦笑しつつも、こうやって引きずり回されるのも悪くはない。
どうころんだとしても彼女に付き合うことには変わりはないのだから
楽しめばいいのかもしれない。
■エリア > 「ミレーが羨ましいのではありませんの。ブレイドが羨ましいという事ですのよ。
では、奴隷にはされない様にわたくしが守って差し上げますわ。わたくしを守って下さる代わりに。
我が侭を聞いて下さるのでしたら、ブレイドもわたくしに我が侭を言うといいですわ。友人として」
相互関係、と言うもの。ミレー族の一人庇護する事は難しくもない。自分の力というよりは家の権力でしかないが。
雇用主という事で我が侭を言うばかりの立場ではあるが――友人ならば逆に我が侭を聞く事もできると笑みを投げかけて。
行かず後家の上にミレー族の少年を手元に置いていると知れれば社交界からの評判は落とすが――どうせ嫁になど行かなくて済むのだから大きく影響はない。貴族の友人が出来なくなるくらいだ。
串を持って非常に静かに途方に暮れていると、すい、と手からそれを取り上げられて荷物に一旦収める様子に、ぱた、と目を瞬いてから。「ありがとうございます」と安堵した様に囁いた。
放って置いたらどうしたらいいか分からずにずっと、ずっとずっと串を持っていたはずだ。
「あら、ごめんなさい、つい……。
あ、でも、ブレイド――あの方髪の毛が真ん中にしか…その上下半身が狼…?
まあっ、火を、火を噴いてます、魔法かしら、魔法……」
路上での火吹き男を見かけて、ぐっと彼の腕を握りしめたまま動きを停止させて目を真ん丸く見開いて頬を紅潮させて興奮気味。だから彼の言葉は半分程耳に入っていなかった。
■ブレイド > 「そいつは心強いな。
とはいえワガママなぁ…オレは今のところはねぇぜ?
強いて言うなら、あんま危ないことはしてくれるなよってことくらいだ」
貴族としては、エリアはだいぶ変わっている。
破天荒と言うべきか…弟がいるとは聞いたが、長女がこれでは父親もさぞ頭がいたいことだろう。
その破天荒さの一因が父親自身にあるとしても。
とはいえ、そのおかげで自分は友人を得ることができたのだから、そこには感謝すべきだろうか。
ささいなことでミレーに礼を言う彼女。
そんな彼女を守りたいと思うのは、少年としては自然なことだった。
大道芸に見とれ、はしゃぐ彼女の横顔を見れば思わず微笑んで
「いいって。もっと近くで見るか?」
■エリア > 「逆に当家が没落してわたくし売られてしまいましたら――脱獄のご協力、お願いいたします。
では、我が侭を言いたい時にはどうぞお気兼ねなく。
……………それは、護衛の業務ですから……」
我が侭とはまた違う事だ。と沈黙。その後で主張。危ない事のストッパーになるべく雇ったのだから、そこは上手くやって下さいと目を反らした。
長女が無軌道な分、弟の堅物振りの対比は凄い物だった。
護衛に誰か雇われたと聞いて弟は即座に「それは気の毒に」と気遣ったという裏話。
それはさておき。珍しい物で溢れた貧民地区。ここで生活する者にとってはどうって事のない物もいちいち珍しくて面白くて興味は尽きない。
大道芸が散々火を噴いた後は、もう、路上販売の怪しげで奇妙なデザインの装飾品が並んだ敷物の前に屈み込んでいて、
「――はい?」
遅れて近くで見るか問いかけていた声に反応して振り向いていた。
■ブレイド > 「そこはそもそも売られないように守ってくださいっていうとこだろうが
売られてから助けに行くってな結構ハードなもんだしよ」
売られてからであると、いろいろと『教育』をうけたあとになってしまう恐れもある。
彼女のそんな姿は、できることならみたくはない。
そもそも、そうならないようにするのが護衛の仕事でもあるだろう。
彼女の弟とはまだ面識はないが、この無軌道な彼女の少女時代から一緒にいるというのだから
相当に苦労したことだろう。
騎士だと聞くが、姉によって培われた忍耐力でも買われたのだろうか?
そして、彼女はといえば…
「・・・・・・なんでもねぇよ」
落ち着きなんてありゃしない。
気がつけば腕からも離れているし。
放り出したらすぐに迷子になってしまうだろう。
屈む彼女に手を差し伸べて
■エリア > 「出来ればそう望みたい所ではありますが……
一度売り飛ばされるのはどうしようもないと思いますのよ。またその場合の売買が非常に迅速ですから……」
貴族としては一応そのくらいは弁えているし、時々社交界の噂でも聞く事。
破綻したお家の娘が売られたと。
凡そ理解している割には、何故か危機感がない。意外に心構えができているのかも知れないが、脱走する気は満々。
実家にいるといつまでもいつまでも姉の世話を焼かされそうで、早めに仕官して、宿舎で過ごしているので実家には余り顔を出さない弟。顔がそっくりなのも心底嫌らしい。一目見ればすぐわかるほどに似ている。
「? そうですか。
このデザインとっても変わっています。
この石は……」
宝石を見慣れた物で偽物かどうかの見分けは着く。ダイヤやルビーエメラルドに模倣した石の嵌った装飾品を不思議そうに眺め。そして差し伸べられた手を取って。どれも上等だ、と値段を釣り上げて主張する売り子の声に小首を傾げ小さな声で彼に囁いた。
「あれが有名なぼったくり、ですの?」
■ブレイド > 「変なところで覚悟が決まってんなぁ…
そこはもう少し我儘言えってんだ。
売られる前に連れ去ってとかな。まぁ、親の手前そうはいかねぇかもしれねぇが」
護衛の気も知らず危機感もなく語るエリアに対してはため息まじり。
落ち着きの無さも、マイペースさも…自分のように僅かな時間しか一緒にいないのにここまで疲労感を感じるのだから
弟ともなれば、それに長年耐えることができたのがある意味奇跡と言えよう。
装飾品に気を取られるエリアの手を再び取れば肩を落とすように再度ため息
怖いもの知らずか。
「……そうだけど、大声で言うんじゃねえぞ…」
彼女の言葉にうなずきつつも、売り子を振り払うように彼女を連れて歩き始める。
流石にこれ以上彼女を連れ回すのは色々と危険だろう。
護衛と知らぬうちに外泊などとなれば、それこそ朝には拷問の手はずが整っているはずだ
■エリア > 「あら、それはロマンチックですわね。では、没落の気配を察しましたら眸を潤ませて貴金属類一式まとめて懇願させていただきますわ。
――ですが、当家は大恐慌でもない限り恐らく安泰ですので」
おっとりと告げられるのは、弟がとち狂って謀反を起こすかほとんどの貴族が飛んでしまう様な大不況でもない限り当面落ちないと理解しているからか。
恐らく、一緒にいる間はこの調子なのだから彼は知らない事だろうが――その他はこれでも至って扱いやすい部類の令嬢なのだった。
自由にできる相手と言うものを選んだ結果……ここに被害が集中。
「やっぱり、そうですのね。今日は色々見れましたわ……」
満・足。そんなキラキラとした表情を晒して。その手を握り楽しそうに口ずさんだ。しかし、ふぁ……と欠伸を一つ。ここでもマイペース極まりない。
彼が音を上げた始めた頃、眠気も音を上げて来たのはよいタイミングだったかも知れない。
「さすがに疲れましたわね……ブレイドもお疲れ様です。
お宅に帰るのが大変な様でしたら客室が空いておりますので、お申しつけ下さいね」
■ブレイド > 「安泰だってならオレも安心だ。
給料の心配しなくてもすむしよ……っと、眠そうだな
帰りに居眠りすんじゃねえぞ?」
正直帰ってからがまたひと仕事なのだ。
使用人や彼女の親にばれないように部屋に戻らねばならないのだから。
「ま、またなんかあったら呼びゃいい。
ワガママくらい聞くって言ったんだから多少はな」
眠気にさらわれそうな彼女が来ているのかどうかは定かではないが声をかけ
その手を引いて帰路につく。
帰り着くまでに彼女が眠気に耐えられたのか…
■エリア > 「ええ……あなたが奴隷にされない様にする為にも……財力は死守の方向で……。
ふぁ……大丈夫ですわ……少し瞼が重いだけ……」
瞼を重そうに下ろし掛けながら、口許を抑えて欠伸を零し。
屋敷に帰るまではとろとろと眠たげな顔で歩いて、そして途中で『遠すぎる…』と絶望的な顔で呟いたり。やはり世話の焼ける雇用主であった。
「ええ、それではブレイドもたまにはわたくしに我が侭を仰いませね……」
眠気であからさまに弱った声を出しながらそう微笑んで、そして屋敷に戻れば自室のベッドでばったりと倒れる様に眠り込んで……明日の朝は中々目を覚まさず……体調不良と嘘を吐いて昼まで起きませんでした。
ご案内:「設定自由部屋4」からブレイドさんが去りました。
ご案内:「設定自由部屋4」からエリアさんが去りました。