2020/09/10 のログ
ミミック > メグ・メール自然地帯と街道との境界線近くに存在する小さな森。
その森は夜になると濃密な魔力が木々から発することから妖精がよく姿を見せる森――…妖精の森と呼ばれている。

一攫千金。
冒険者なら夢見る一攫千金がここにはある。
比較的安全で生きた妖精を捕まえやすいといわれている森。
だがその森には女性が一人で入ることは止めた方がいい、女性が一人で夜の森を散策すると二度と森から帰れなくなるとも言われている。

広い森ではない。
歩き続ければ森と草原の境界線に、或いは街道との境界線に出ることは容易い為、うわさはあくまでも噂という話に落ち着いているらしい、がここ最近そのうわさがまた広がり始めている。
しかし、小さなこの森に足を踏み入れる人間は後を絶たない。
力を持たない一般人や学者に薬師に錬金術師などが森に妖精や薬草を求めて踏み込んでくる。

安全なのだ。
比較的安全。

――…だがうわさは事実である。
被害者が出始めた、また片手に足りるほどの人数である。
ただいなくなった程度ではクエストは発生しないし、誰もそこまで気にもとめないだろう。
行方不明者の家族、友人ならば探しに来るかもしれない。
もしかしたら私的に冒険者を雇って探索させるかもしれない。

今宵はその元凶の1匹が森に潜み、犠牲者が森に迷い込んでくるのをじっと待っている。

ミミック > 誰も森に踏み込まないのであれば、ミミックは擬態を解かずただ木の幹にしがみつき、木に擬態したまま一晩過ごすだろう。
蜘蛛と違い罠を敷くこともなく、蟻のように特定の巣を作りもしないミミックは獲物の到来を待つだけしかできない。

だが、もし獲物が捕まえられれば、その時こそミミックが雑魚モンスターでありながら、忌み嫌われている理由を犠牲者の体に刻み込むだろう。

しかし、今宵はそれもなく妖精の森には静けさが広がるのみであった。

ご案内:「妖精の森」からミミックさんが去りました。