2020/08/15 のログ
ロベリア > シンディの言葉に頷きながら、恋人たちの事を改めて回想して表情がぐるぐると変わっていく。
幸せで気持ちのいい思い出も多いが、中には相手を怒らせてしまったりすれちがって何となく疎遠になってしまったような苦い思い出もよぎって。

「いくら慣れた間柄でも、心配になる事はあるわよねぇ……」

思いがけず色々な過去を回想してしまったが、今は自分の事よりシンディである。

「ともかく恋人の事でも何か相談があったら、何でも言ってくれていいからね?
頼りになるか分からないけど、結構経験豊富だし!」

男性相手、となると女性相手と比べて格段に経験は減るが全くない訳でもない。
少ないだけで、気に入れば男性だろうと抱いた事だって数回では済まないぐらいにはある。
ふたなりの場合男女のカウントとしては微妙なところだが、まあ夜のテクニック方面の相談なら大分応用出来るだろう。
実際にそういった相談をされれば今は伏せておいた女性愛の事も露見するだろうが、シンディに気を使って伏せているだけで別段秘密にしている事でもないし。
ふさわしいタイミングで知られるのなら問題はない。

「……まあ、とりあえず親睦が深まったという事で仕事に戻ろっか!
お昼時はこんなのんびりおしゃべりなんて出来ないわよー」

研修し、話し込む内に昼食時は近づいてきていて。
もうじきここには午前中とは比べ物にならない程常連客が押し寄せてくる事だろう。
シンディとはまだ話し足りない思いはあるが、お互いそろそろ頭を切り替えて仕事に備えなくては。

シンディ・オーネ > ――おっとっと、何だか話がここまでするつもりなかった妙な方向に。
ロベリアが恋人達の夜を口にしてくれたので、そこでの素直な悩みなどを気まずさ解消のために言ってみたが、
今日知り合ったばかりの人にいきなり相談はちょっと難しい。

…つい話してしまいたくなる雰囲気のある人だけれど、今は大丈夫ですと首を振ろう。
そうか、経験豊富なのか、と気に留めて。
そういえば、私には母親も女友達もいない。
女性と… 男性ともだが、こんな話をすることは無かったのだなとぼんやり思う。

「ええと… それは、まあ、はい、いずれ機会があれば…」

更に微妙な空気になってしまうかと心配するが、お仕事中である。
これから忙しくなると促されれば、動き方などを確認しておこう。
メニューも、ちょっとこ洒落た名前のものは何だか分からない。

「――ここは、他にも従業員が?」

いるのだろうけど、どれくらいいるのかなとか。
合間に尋ねながら備えよう。

ロベリア > 「そうねえ。
従業員っていっても大体は忙しい時間だけ手伝ってもらう感じだけど、信頼出来る子には時々店番も任せたり。
そういえば何人ぐらいかしら」

人を増やしすぎて赤字にしないように気をつけているものの、基本的には大雑把な気質をしているロベリアの経営である。
顔見知り等に副業的に手伝ってもらう事も多いため、どのぐらいかといえば厳密には把握しきっていなかったりするのであった。

「まあ、何人かもうじき来るでしょうし。
来たらその子達とも打ち合わせして仕事の分配も決めちゃいましょうか」

シンディは当日になっての急な増員ではあるが、増える分にはそう困りはしないはず。
お昼になれば研修指導などと言っている余裕もなくなるかもしれないので、打ち合わせは大事ではあるが。



やがて他のウェイトレス達もやってきて、忙しい時間が始まる。
シンディには配膳を主に頼んで、常連客にもなるべく馴染んで貰えるように取り計らい。
何かトラブルがあればロベリアが出張ると言い聞かせ気負わずに仕事に慣れてもらう事に。

こうして、シンディの勤務初日はつつがなく過ぎていくのであった。

シンディ・オーネ > それほど大規模にやっているとは思えないが、従業員数がおぼろげらしいところに一抹の不安を覚える。
この人大丈夫だろうかという心配は、自分をほいと雇ったところで覚えるべきもので、
そういうノリで人が増えているなら把握できなくて当然という気もするが。

私は助かるし、それでやっていけているのだから、やり方の上手い人、あるいはお人よしなのだろうなと思っておいた。
――他の従業員がやって来ると、面子によっては体形から店の方向性というか店主の趣向を察する事になりそうだが、
そうなったとしても集客的な目的であって、性愛の対象として見ているとはまだ思えない。

女性の知り合いが出来た事を、今は嬉しく思う。
誰も私を知らない土地ていいなあと。

やがて呑気に構えていられる時間は終わり、いきなりかきいれ時の勤務は厳しいけれど、
体力はそこそこあるし、そう簡単にトレイをひっくり返すようなベタなミスもしないだろう。
勤務初日を乗り切れば、次回のシフトを決めて帰っていった。

制服を借りていってアーネストに見せようか迷ったが、初日は遠慮する。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 酒場 輝く白狼亭」からシンディ・オーネさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 酒場 輝く白狼亭」からロベリアさんが去りました。