2020/08/13 のログ
ご案内:「酒場 輝く白狼亭」にロベリアさんが現れました。
ご案内:「酒場 輝く白狼亭」にシンディ・オーネさんが現れました。
■ロベリア > この仕事は昼と夜に比べ、午前中は比較的余裕がある事が多い。
必須といえる仕事は料理の仕込みぐらいで、冒険者ギルド受付代行は手順も簡素化されているので大した手間にならない。
なので、時々妙に暇になってしまう瞬間がある。
こんな時は美少女が傍らにいてくれれば目の保養になりいくらでも時間を潰せるのだが、生憎と今は従業員は誰もいない。
客足も、顔見知りの常連冒険者達が数人待ち合わせに使っている程度だ。
そして彼らは基本的にいい年の男性である。
ロベリアが望むような若い娘を連れてくる事はなく、むしろロベリアを目当てに男たちが集まってきているという有様。
そんなむさ苦しい店内を見ると小さくため息。
今のうちに掃除でもしようかと立ち上がると、可愛らしく仕立てた夏制服が虚しく翻った。
結局、水着もどきの試作品は当然の如く反対にあいロベリアの私物としてクローゼットで眠る事となった。
なので代わりに妥協案として用意しておいた、生地を薄くスカートや袖を短めに詰めた無難な制服を採用している。
ロベリアの欲望と性欲がだだ漏れの試作品と比べれば随分大人しいが、これでも中々大胆に足が出ているので貞淑な女性には刺激が強い格好となるのだろうが。
その辺りの感覚の緩いロベリアは全く気にする事なく着こなしていた。
可愛らしい制服に身を包みながら、気分が乗らなくて後回しにしていた細々とした掃除に没頭する。
■シンディ・オーネ > 今日も今日とて冒険者というか日雇い労働者は職探し。
朝一番にその日一日フルタイムの仕事を得られればスムーズなのだが、
駆け出しはまだまだ要領が悪く、ベテランの食い詰め者と取り合いをしても勝負にならない。
加えて数の多い力仕事などは、多少鍛えているアピールしたところでやはり女は男に叶わない。
魔術師は需要ありそうなのだけど、それは種々様々な魔術が氾濫する中で自分のそれを知ってもらう必要があり、無名では厳しかった。
幸い貴族だか商人だかの【ヴィルア】サマが護衛に雇ってくれたおかげで定収入は見込めており、
だからさほど悲壮感も無く、むしろそのおかげで仕事を選り好みしてしまっているというのもあるのだが、
冒険者向けの仕事斡旋所をハシゴして、情報共有漏れとか新着を狙っている。
――そうして辿り着く『輝く白狼亭』。
業界水準からするとなんとなく小ぎれいな印象を受けるのは名前のせいだろうか。
ここへ来るのは初めてだ。
酒場と宿もセットなのねときょろきょろしながら顔を出す。
貴族サマに雇われて多少は自分の在り方に疑問を持つようになっているが、今日のところはまだ野暮ったい格好。
頑丈そうな生地の大きめ長袖長ズボンはどこか大工さんの仕事着めいて、ついでに黒ずくめである。
安全靴のようなゴツイブーツと合わせて見ればいっそトータルコーディネートかもしれない。
長い髪をざらりと垂らして、やぶ睨みの目が新着の掲示物を探した。
■ロベリア > 大雑把な気質かつ快楽主義のせいか。
こういった細々とした作業は非常に苦手である。
部屋の隅にこびり付いた汚れを一箇所剥がし終えたところで既に飽きてきていた。
いっそ専門の掃除夫でも雇えばいいのだが、余計な経費は抑えたいのでずるずると後回しにしてきてしまった。
だがそろそろこれも真面目に考えなければいけないのかもしれない。
とりあえず、今日のところはもうやる気も湧かないので掃除道具を早々に片付ける。
片付けから戻り、カウンターに着こうとしたところでロベリアは思わぬ来客にようやく気づき一瞬動きを止めた。
野暮ったく、格好に色気はないが若い女の子がいる――。
しかし格好はともかく、おっぱいは大きい。
むしろ野暮ったい格好だからこそ、その女性的シンボルは際立っているといえた。
見栄えよりも機能性重視すぎる格好と、依頼の掲示板を見ているという事からして冒険者だろうか。
であるならば、店主である自分が声をかけても何も問題はあるまい。
潤いが足りないところへ突如として現れた女の子に少々興奮してしまったが、努めて平静を装う。
「いらっしゃいませー。輝く白狼亭へようこそ!お客さん初めて見る顔ねえ?冒険者?依頼探してるの?あ、私ここの店主だから、何かお目当ての依頼とかあるなら探してあげるわよー」
平静を装ったつもりだが、少々早口にまくし立ててしまった。
とはいえこのぐらいならまだ常識的な対応の範疇だろう。
何やら視界の端で常連たちが笑いを堪えているのが見えるが、今は無視だ。
■シンディ・オーネ > 熟練の冒険団に所属できた相棒とは今日も朝から別行動で、
それなのに暇している自分をしまらなく思ってため息をつく。
この調子では、悪くすると今日一日ぶらぶらして終わる事になってしまう。
やはり何か仕事は受けよう。冒険者っぽくないとか言わないで何でもいいから。
相棒と夜に今日一日の話をした時、気まずくならないように――
腰に手を当てちょっと前のめりで睨むように掲示物を見比べはじめたところで、声がかかった。
早口に おおう? と戸惑うけれど、都会の人はテキパキしているしこういう場所なら当然なのかなという感想。
その制服?を見ると、際どさに逆にこちらが気まずくなるが、これまた都会ではこういう格好している人がいる印象で、
流行りなのかな、とか考えてみるととりあえず自分の格好は野暮ったく、相棒…
というか恋仲のあいつも、こういうのが好きなのかなあともやもや思う。
ウェイトレスではなく店主と聞けば、なんとなくこの酒場の雰囲気に合点がいった気がした。
田舎者の感想なので当てにならないが、こういう制服を着てがんばる空間というのは、
むくつけき大男達が集うのが一般的な冒険者向けの酒場より、なんと言うか接客業の方面に力が入るのだろうと――
「…あ、ああ、ありがとう。
王都に来たのも最近で、この辺りは初めてです。
私はシンディ・オーネ。冒険者ギルドの仕事はもう何回か受けた事あります。
とりあえず、今日受けられる仕事が欲しい。その、日当の出るところで…」
一応、冒険者ギルドがギルドであるのなら、身分証とかあるだろうか。
あるいは個人で用意する、技能やら冒険者としてのランク付けなんかが記されている札を出し、
明日の生活費がもらえる仕事が欲しいですと分かりやすく言って、実のところそこまで困ってはいないのだが、
これくらい言ってしまっても別に嘘ではない境遇を後ろめたく思い、少しまごついた。
…普段は、こんな気分にならないのだが。
目の前に、朗らかで印象の良い綺麗な女の人。これのせいか、と思う。
■ロベリア > 冒険者の身分証に目を通しながら、目の前の巨乳少女シンディの姿をしげしげと観察する。
やはり目を引くのはそのおっぱいであろう。
そのおっぱいを支える体躯は一見するとそれほど屈強そうには見えないが、戦闘用に鍛えられた佇まいを感じる。
技能に格闘術もあるらしいのでそこは見立て通りか。
触れたらハリがありそうだなあと妄想しつつ、口ぶりや態度からして相当な演技上手でない限り冒険者としては本当に駆け出しと見ていいだろう。
技能欄を見る限り、冒険者としての経験や実績はともかくとして実力はありそうではあるが。
「技能的に、討伐系の依頼をお探しかしらー?そういう依頼は結構流れてくるけど、あんまり実績のない人には危険な仕事は回せないしー……」
顔見知り相手ならばロベリアから適当に見合った仕事を割り振っても良いのだが、流石に初対面の相手にはそういう訳にもいかず。
個人的な願いとして美少女にはあまり危険な目に遭ってほしくないという思いもあり。
「うーん、例えば私からの個人的な依頼とかどうかしら?例えばお店の手伝いとかもあるけどー…」
言いながら、冒険者に対していきなりこれは失礼かなと思ったりもして。
「あとは、採取の護衛とかもあるにはあるわねぇ。護衛がいたら作業に集中出来るし、報酬も今日中に渡せるわ」
と比較的冒険者向けの提案もしてみる。
■シンディ・オーネ > 見られて落ち着かなさそうにするが、見られて当然なのでせめて見つめ返しておく。
髪と瞳の色を珍しく思うが、それこそ都会は色々だ。
自分の見てくれを考えれば、相手も多少違っている人くらいの方が落ち着ける。
もっとも、このまれびとの国では今のところ、敵国人めいた自分の容貌が具体的な問題に発展した事はまだ無いのだが。
「ええ、まあ… 冒険者らしいと言うか、そういう箔がつきそうな仕事があれば嬉しいけど。」
実績相応のものでないと誰も幸せにならない。
相手の思いは分からないが簡単でないのは知っていて、気にしないでと首を振る。
「ああだけど、必要なら斧の戦士も連れて来られます。
連絡つけないといけないので今日中の仕事だと難しいかもしれませんが。
【ノウブル】という人なんだけど… 彼も無名かな。」
ここで相棒でなく他人の名前が出て来るのが寂しいところだが、
先日知り合ったその冒険者と、機会があれば一緒に仕事をという話になっていたのを思い出し付け足しておいた。
あれこれと見繕ってくれる様は、なんとなくこちらの事をよく考えてくれている気がして。
緊張もあり少し険しかったかもしれない顔を、徐々に和らげる。
「――あ、護衛? 受けられますか?
毎日ではないですが、リルアール様のところに護衛で雇われています。
そちらの仕事に慣れる意味でも…」
護衛の仕事は経験としても良いものになるかもしれない。
【ヴィルア】・リルアール様、リルアール家を知っていますかと、
自分もその家に興味があって名を出しつつ…
…待てよと、考えた。
さっきこの人何と言った?
お店の手伝いを失礼だなんて思わない、それでも雇ってくれるのならありがたいがそうじゃなくて――
「…ところで、お店の手伝いというのは―― ココで?」
ですよね、と床を指さし確認する。
…それはもしかして、選り好みし放題なんじゃないのと。
もちろん、何を引き受けられるかは状況によるとしても。