2020/05/31 のログ
■カーレル > 聞こえる舌打ち、睨む彼女に苦笑を浮かべて
「犬は掴まえておいてやったろ?俺が心配する事でもないんだろうがあの程度、1人でどうにかしてもらわんと
まあ、そりゃあティアの言う通りだろうな。これまでもロクな人生じゃなかったし、
最後もきっとロクな死に方はしないだろうな」
彼女の言う事も最もなことなのだろうと思わぬでもない
とは言え、今更生き方を変えるのも難しい…無駄と判りながらも言葉を紡いでいるような気配に、
良い娘だねえ、ティアは、と笑いながら口にする
「そりゃあ羨ましい…って思ったが、回復魔法使える冒険者なんて幾らもいるんじゃねえのか?
それでも、食うに困らんって言い切れるってことは実はティアは結構な実力者だったりすんのか?」
とてもそうには見えない、という言葉は飲み込んでおく
剣呑な視線を感じたので杖を持ってはいないとは言え、怒らせれば冒険で鍛えた肉体で
どうにかされてしまうかもしれない…最も、それだけの力がアレば屋根に乗り上がれたようにも思うが
「空腹は最高の調味料ってやつじゃねえの?
俺も風聞だけだからそこまでよく判らんのよな…まあ、食ってみたいとは思わんけどさ」
確かに肉付きも良くない野良犬を食っても旨くはないとは思う
だが、空腹であったら…と考えれば、掴まえられる物、手に入るものを食べるしか無いのではないだろうか?
自分もかつて師に地獄のようなしごき方をされていた時、極限まで追い詰められ、
樹皮や汚水で腹を満たしので気持ちは判らぬではない
「気にするな、日に何度も生理的に受け付けないものに追いかけ回されたんじゃ、
流石に哀れだろ…俺にだってまだ多少は人並みの心はあるよ」
行くぞ、と彼女を先導するように大きめの通りに向かう
■ティアフェル > 「そうか、捕まえていたのか……暢気に抱っこしているようにしか。
なんと云われようと犬絡みだけは無理。誰を盾にしてでも犬だけは立ち向かわない。わたしが死ぬ時は絶対犬関係だと思ってる。
そーよ、間違いないわね。今からでも遅くないから早めに修正しなさいよ」
何様なんだかエラそうに一応は突っ込んでおく。何が良いのよ、と不可解な表情を浮かべてアホ毛を揺らめかせて首を捻った。
「まあ、珍しいって程じゃないけど、人がいる限り確実に需要があるから仕事はなくならないのよ。冒険以外にも今はアスピダの方でかなり人が割かれているから今のところ食いっぱぐれる気配はないわね。――この国が全然平和じゃないお蔭で生きていけるわ」
前衛の冒険者もだろうが、後衛の自分も今のところ選り好みしなければ仕事にあぶれたりはしない。世の中が乱れるほどに潤ってしまう立場であると少々嘆息交じりに微苦笑して零し。
「多分野良犬やら野良猫の肉は危険なんじゃないかな。ドブネズミの肉とさほど変わらないと思うわ。衛生的に最悪だからねえ…。たまたま食べられる奴に当たっただけじゃない?」
鳩だって食用のものはともかくそこら辺にいるものは病気を持っていたりして食べられない。食べられるように育てた犬の肉の話ではないのか、と得心しかねるように首を捻った。
「ほー……、その残った欠片のような良心に感謝しとこうかしら……。
自分で何とかできないんじゃ駄目なんじゃなかったっけ?」
意外そうに瞬いたが、それでも犬に出会わなくて済むならありがたい話だ。じゃあよそうかと云われれば恥も外聞もなく土下座してもいい。
てくてくついて歩きながら云わなくていい余計なことをほざく女。
■カーレル > 「暢気に抱っこも掴まえてるも大差ないだろ」
反論しつつ煙草を取り出し咥えて火を灯す
美味そうに吸い込みつつ、紫煙を吐き出す。彼女との間にはそこそこ距離を置いているから、
そう怒られることもないだろうと思う
「俺も詳しくないけど犬みたいな…と言うか、犬の魔物って多いんじゃないのか?
そりゃあ、無理だな…そこを修正したらすぐに墓場行きになりそうだわ…まあ、墓に入れりゃ御の字だろうが」
アホ毛を風に揺らし首を捻る彼女に一言、性根、と短く返して
アスピダという単語が耳に入れば一瞬、考えるように言葉が止まり
「なるほどね…今は稼ぎ時ってわけだ…
俺もこの国が不安定だから食っていける面もあるだろうからとやかく言えんけど…
まあ、色々デカい問題があるうちは街中から野良犬が消えるのは遠そうだな」
他の冒険者がどうか知らないけれども、仮にこの国が平和になったとしても、
回復や治癒といった魔法が使えるのであれば食いっぱぐれないような気もする
病人や怪我人というのが消えて無くなってしまう、何てことはないのだから
「何食ってるかわかんねえしそりゃあ危ないだろうな
それすら食いたいと思うほど何だから相当なんだろうさ…変なもん食いすぎて耐性ついてた、とかな…」
風聞も冗談半分に囁かれているものであろうから、本当のことは判らない
ただ、極限の飢餓感を感じれば犬であろうがネズミであろうが食ってしまいそうとは思う
「要らねえよ…気まぐれにやってるだけだから
回復魔法使ってある程度、治癒してるとは言え流石に怪我人にそこまで無理は言わねえ…」
彼女があまりに犬を嫌っているようなので若干の…本当に少しだが良心の呵責もある
それを取り払うための罪滅ぼし、というには些細な事だけども、今夜もぐっすり眠りたい
「ここまでくれば大丈夫だろ…人通りもまだあるしな
悪人蔓延る王都と言えど犬以外ならティア1人でどうとでも出来るだろ…
変なんにホイホイ付いていくなよ…自分でケツ拭ける範疇にしとけ」
彼女の前を歩き野良犬を警戒しながら比較的、大きな通りまでやってくる
ここまでくれば流石に野良犬も人通りを恐れて近づいてはこないだろう
そんじゃあ、おやすみと別れ際の挨拶をすれば、今来た方に踵を返し歩き去っていく
■ティアフェル > 「気持ち的に大幅に違うよ」
好きで抱いていたのと、こっちに来ないようにしてくれていたというのでは事情が違う、と反論して。
「んー。犬の魔物の最大勢力はケルベロスだけど……まあ、レア過ぎて普通見ないしね。ヘルハウンドと遭遇した時は死んだと思った。
どういう理屈よ、それ……」
善良に修正したら死ぬらしい。どういう呪いだ、と渋い顔をして。
「そういうこと。わたしたちが掻き入れ時じゃない方がいいんだろうけどね。
どうせ、問題があったってなくったって野良犬はいなくなりやしないのよ…知ってる…」
ため息がまた零れそうになるのを。ふんふんと首を左右に振って散らし。
犬がこの世から消えることなんてないのだからどうにかして回避して生きて行こうと。
「どーかな。飢えてる胃は弱ってるからねえ。食べてるって云うのは人間じゃないのかも。
本当に食べれるって程のもんならもう少し頭数減ってるはずだしなー……」
人の身体の構造しか分からないから何ともだけれども、野良すら食べているとしたら人間じゃない輩ではないかと勘繰った。毒に慣れるというのもない訳でもないが。
「それはどうも、お手数おかけして申し訳ありませんねえ。
一応素直にありがとう。その調子で暖かな心を取り戻して行ってください」
相変わらず余計な科白をくっつけながらも、ありがたやと両手を合わせる。犬に関しては腰が低くなることもある現金な女。適当なところまで送ってもらうと。ひらと片手を挙げて。
「うん。犬以外ならへーき。助かったよ。感謝しとく。
おやすみー」
野犬出没エリアを脱するとほっと安堵してようやく自然な笑みを浮かべると大通り辺りをそれぞれに歩いていく。夜道の危険さなんか犬に比べれば屁でもない。コワイことはたまに変な時間に犬の散歩なんかしやがる連中に遭遇して、秒で飛びずさる、そのくらいで済みました――。
ご案内:「平民地区・繁華街外れ」からティアフェルさんが去りました。
ご案内:「平民地区・繁華街外れ」からカーレルさんが去りました。