2020/04/10 のログ
■ティアフェル > 「王侯貴族の心の広さもそれぞれだと思うけどね」
それこそ海からコップの水くらいまで。しかし、ため池で納得したので、一瞬ぱちくりと目を瞬いてから、少しおかしげに肩を揺らした。
「そんじゃ、そこそこ謙虚な奴、くらいで手を打ってくれない?
せいぜい片田舎よ。ど田舎では……ない。
んー。下宿先の人とか……話の流れで欲しいって云う人がいたらとか、かな? 別に大変でもないよ。作るのも趣味だし」
笑うな、と片田舎出身者は、軽く睨む。田舎者の何が悪いかとは思うが……笑われるとイヤなもんで。
「もしか、物過ぎが面白がって3ゴルドくらい出したらラッキーじゃない。
うん、いただけるものはありがたくいただきます。デザートは苺だ。
ほんと? 猫久し振りだわあ」
撫でたり、上手くいって抱っことかできたら楽しすぎる。こんなことならお魚かお肉を買いに出れば良かったか、と苺の籠を見て思う。
苺の籠を適当に手放せば、こっちも手洗いなどさせていただく。
猫のお名前を聞いて、さらに早くも棚の上にいる猫を発見すれば。
「アメリ? アメリちゃーん。女の子だよね。こんばんはー。お邪魔してますー」
棚の上を見上げて猫相手に真面目にご挨拶して、こちらに来てくれるようなら、目線を合わせる為に屈みこんだりしつつ、掌をそっと出してみたり、撫でていい?とか猫自身に確認をとりながら手を出して、許可が下りるようなら、尻尾の付け根とか、耳から頬に掛けてとか顎とか、いわゆる猫のツボ辺りに触れさせてご機嫌を取ってみるのだ。
「かーわい。かわいいねー」
でれでれしながら猫を構っていたもので――手伝いとかすっかり忘れた。
■カーレル > 睨みつける彼女の視線を軽く受け流し、悪かったよ、と笑い声混じりに謝って
「別に田舎者だから笑ったわけじゃねえよ、反応が面白かっただけ
それ言ったら俺だって田舎者だしな、なんなら片田舎どころかド田舎だわ」
豊かな森にそこを流れる小川
あとは畑と山くらいなもので買い物に行くにもまあ一苦労するような土地であった
ありがたいことに土地は豊かで畑を耕していれば家族全員が食っていくことが出来る…まあ、そんな所
「3ゴルドの為に訴えられるならその都度、俺が3ゴルド払ってやるよ
…そんじゃ、形の悪い所をデザートに少し貰うかね。大丈夫そうなトコは冒険者仲間にお裾分けしな」
そんなこんなで愛猫と彼女が戯れている間に自分は食事を作り始めている
なんでも屋という職業柄なのか、男1人で暮らしているからか手際が良い…というか、手が早い
魚のアラを煮出してひと煮立ちした所で、皮剥いて切った野菜を鍋に放りこんでいく
別の鍋で沸かした湯で鶏肉の脂の少ない部分を茹でて、さっと水で冷やす。これは愛猫のご飯
愛猫も慣れたもので彼女に身体を擦り寄せながら戯れている
飼い主としては愛猫が他所の女に取られたような気がせぬではないが…まあ、こういう日もある
「遊んでるとこ悪いんだけどアメリにご飯あげてくれ…
この鶏肉、裂いて皿に乗っけてやれば食べるから」
ほいじゃ、任した。と茹でた鶏肉を乗せた皿を彼女に託して調理再開
と言っても後は、腸詰めをこんがりと焼いて皿に乗せて、キャベツの塩漬けをどっさりと盛るだけである
手伝ってもらうほど、気合の入った料理、と言うんでもないから彼女は愛猫に任せておく
■ティアフェル > 「そんならいんだけど、バカにされたかと思って臨戦態勢に入るところだった。
へー。意外ねえ。そんな風には見えないけど」
田舎臭さを残しているような自分からしたら自己申告されない限り、田舎者だなんて思えない。思わず上から下まで観察するように視線を流して考えるようにアホ毛を左右に揺らし。
「そうか、示談金として5ゴルドで手を打とう。
どーせほとんど加工するし、形よりも熟れて甘いところ食べよう。お裾分けは自分がおいしいとこ取りしてから考えることよ」
生の苺は配りにくいし、配るとしたらジャムや酒になるだろうから、そのまま食べるところは質のいいところにしようと。
猫と遊びながら、横目で料理をしている背中を見やると感心した、以前皿しか出さなかった人物とは思えない。
手練れ……と妙なつぶやきを零しながら、人ん家の猫のかわいさに癒される。すり寄ってくれるので、「乗る? 乗る? 乗っていいいんだよ」と折った膝を解放してその上に両腕で猫サークルを作って招くまでやっていたが。そんなことしてる内にこの子のごはんが先にできたようで。「はーい」と軽く返事をして立ち上がると、もう一度手を洗って、鶏肉の乗った皿を渡してもらい。それを小さく裂いて、猫の前に置く。
「アメリちゃん、ごはんだってー。いいもの貰ってるねえ。
ゆっくり食べなよ」
まさに猫かわいがり状態で、声をワントーン高くしながら食べる姿を膝を追って眺め。その内いい匂いがしてきて、こっちもお腹が空いた。鶏肉に触れた手をまたもや洗ってから。
「えーと、お皿出します…?」
そのくらいしか手伝いことが最早なさそうだ。台所の様子を窺いながら御用聞き。
■カーレル > 「冒険者ってのは喧嘩っ早くて嫌だねえ…」
意外、と言われればそうか?と首を傾げてみせる
じっくりと何やら観察されているようなので視線が合った所で態とらしく笑顔の1つも浮かべてみよう
左右に揺れるアホ毛が何か触手のようにも見えたが口に出して臨戦態勢を取られると嫌なので黙っておく
「おい、まて勝手に値上げするな。横暴、とことんまで争ってやる
…ああ、そんなんでいいのね。いいトコ渡したほうが心象良さそうだけど…加工しちまえば変わらんか」
それもそうか、と彼女の提案に納得
スープに浮かぶアクを掬い取りながら、その片手間に勝手に苺の良い所を選びヘタを切っていく
彼女の事は愛猫に任せてあるので少なくとも退屈はしないだろう
愛猫の方もご飯が出てきてご満悦の様子であった…彼女に向かってもっと欲しい、と鶏肉を裂く手を急かしている
―――しばらくして、部屋の中に料理の匂いが満ちていく
魚と野菜のスープには最後にハーブを乗せて完成、こんがりと焼けた腸詰めに
リクエスト通りの山盛り塩漬けキャベツを添えておく
それ程手間が掛かっていないが、まあ…こんなものだろう
「いや、やっとくから手を洗っといで
どうする、酒はー………いや、後が怖そうだから止しとくか」
彼女にキッチンで手を洗うよう促し、入れ替わりに自分はテーブルの上を片付ける
作った料理と好きなだけ勝手に切ってね、のスタイルのパンを一塊並べれば食事の支度は終わる
■ティアフェル > 「ほんとに困ったもんよねえー」
他人事のように血の気の多い女は頬に手を当てて首を横に倒して息を吐いた。
観察の態で眺めていたら、わざとらしい笑みを向けられたので、黙って目線を反らしておく。
「っち、気づいたか。争う時間がもったいないと思わないの?2ゴルドごとき加算甘んじて受けなさいよ。
そうそう、別にゴマすり目的じゃないからいーのよ、ちょと酸っぱくて硬い方が漬けたりするには向いてるし」
何より苺が食いたくて買ったのに、自分が不味いところなんて食べたくない。
苺の選別までやってもらってる最中、こっちは猫にごはんを催促されるので、「はいはいはい」と応じながら、このくらいの大きさでいいのか、と猫に確認しながら肉を小さくし。よく食べるねーと感心した。
そして、皿を出す暇もなく食事の用意はすっかり整っていて、おいしそうな匂いに鼻を鳴らしてついでにお腹も鳴らし。
「そ? 据え膳ですいませんね。片づけはやるから。
ん? 飲むならお好きにどうぞ?」
晩酌派ならば別にご自由にと小首を傾げつつ口にして、手を洗うと、テーブルに並んだちゃんとしたお夕飯に感心して。
「わー。おいしそー、すごーい。いい匂い。内容もちゃんとしてる……君のお母ちゃんは超安心してるね……」
ほっとくと肉とパンと芋しか食わない実家の弟と比べて、主催副菜の揃った食卓にしみじみと呟いた。
ここでいーの?と一応吸わす席を確認しながら着かせてもらって。
■カーレル > 自覚があるのか、と内心思い自然と苦笑が浮かんだ
こちらの笑顔に黙って視線をそらされても気にする様子もなく、その反応に楽しげでいて
「時間は勿体ないが最初の言い値より高い金を払うのが癪なんだよ
…ティアだって、苺3ゴルドって値札見て財布出そうとした目の前で値札に5ゴルドって店主が書き直したら癪だろ
作るのが目的って訳ね…配るのはついでみたいなもんって事か…」
それなら冒険者なんて止めて酒場にでも働きに出ればいいのでは?と思わぬでもない
冒険者なんて危険の割に稼ぎの少ない仕事だと思うのだけど人の事は言えないか、と口を紡ぐ
そんじゃ、勝手にやると酒瓶を手に取り彼女をまつ間にグラスに酒を注ぐ
特別、酒が好きというわけでもないが、保存の効く飲み物といえばまず酒であろう
「好きな所に座ってくれ…そりゃあお褒めに預かり光栄至極…故郷のお袋も喜んでるだろうよ
さ、食おうぜ?今日は仕事のほうがさっぱりで腹減ってんだわ」
彼女の分のカラトリーを渡して、自分も適当な所に腰を下ろす
信心深くはないので祈りもなくまずは酒で軽く喉を潤しフォークを手に取った―――
この後もああでもない、こうでもない、と言い交わしながら賑やかな夕餉を楽しんだのであろう
■ティアフェル > 「それなら、そちらもお先にこちらの提示した3ゴルドを払い渋り、2ゴルドまで下げておかないとね。
相手の云い値をすんなり飲んじゃったら、さらっと引き上げられちゃうものっしょ。
そうそ。別に欲しい人がいなけりゃ自分で細々消費するし」
ついでに妙に商魂もある女。相手の言い分も分かるが。ふふん、とどや顔作ってのたまう。
実はたまに酒場の手伝いなどはやっているので、もしかしてその内出くわすかも知れないが。それはさておき。
できたての料理を前に席に着くと、早速カトラリーを受け取って。
「そうね、わたしもお腹減った。いただきまーす。
あー。スープおいしいー。料理上手いね……」
出された料理をおいしくいただきながらも。こんだけ隙が無いと、嫁が逆に来ないんだろな、と余計なことを考えた。野菜もしっかり摂れるんで満足して、話ながら結構食べてしまったが、デザートの苺は別腹でがっつり入れる。
食べ終わると「おいしゅうございました」と満足して、片づけはやらせてもらう。
そして帰る前にはもう一回猫とも遊んでもらってから、ごちそうさまーと手を振るだろう。夕食バンザイな一日はそうして暢気に終わりました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からカーレルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からティアフェルさんが去りました。