2020/03/15 のログ
ご案内:「貧民地区/ギルド」にルインさんが現れました。
■ルイン > 貧民地区の一角にある冒険者ギルド。
平民地区のギルドとは違い内容は怪しいが報酬が多めの仕事が多いので時折に足を運びはするのだが……今日はこれというモノは無く。
「ん~…今日はないですね」
張り出された仕事はあるのだが自分が求めるようなものはなく不服気。
何度か見返すが見落としていると言う事はやはりなくて溜息を一つ。
「待つべきか…諦めるべきか……悩んじゃいますね」
待てば来るかもしれないが来ない場合もある。
かといって諦めて離れて直ぐに仕事が来るときもある。
それだけにどうしようと胸の下で腕を組んで考えるように首を傾げて)
ご案内:「貧民地区/ギルド」にアカサギさんが現れました。
■アカサギ > 「なおなお、な~おっ?」
『オ゛ァ゛~~~~』
貧民地区の冒険者ギルド。その一つに、アタシは足を運んでいた。
腕の中には、ぶっちゃいくな猫ちゃん。
アタシの適当な猫語に返事をしてくれる、可愛らしいヤツだ。
「オッチャン! 薬屋のヴェルバールばあちゃんの猫、見つけたよ!」
そう。アタシが今日受けていた依頼は、猫探し。
報酬はかなり安いけど、地域の住民の困りごとを解決するのもアタシのお仕事なのだ。
というか、この辺りどうにも家の連中は軽視してるからこまる。
人身掌握には金と暴、あと謀に仁が必要だってのにさ。
「……おや?」
仕事の達成報告をしていると、ちょっと気になる人がいた。
なんだか、困ってるような、元気のないような女性。
……ギルドにいるってことは、冒険者か依頼人。
どちらにせよ、困ってる人を無視もできないのがアタシって女だ。
「ねぇ。ど~したの。
困りごとなら、話くらい聞くよ?」
アタシは、猫をギルドの職員に引渡し。その女性に声をかける。
歳は……アタシとそう変わらないのかな。
でも、アタシよりだいぶ大人っぽい、っていうか。
あぁ、アタシがちょっとちんちくりんすぎるのか。
■ルイン > 流石にどう考えても見つかれば牢屋まっしぐらな荷運び、後は確実な違法薬物の原材料採取の仕事は論外。
かと言っては娼婦募集という場違いな依頼は受ける気はない、自分が認めない男など論外と受けない仕事を並べていけば何も残らず。
どうしようかと大真面目に悩んでいると猫の声。
「あの仕事、無事に終わったみたいですね」
数日前に見た猫探しはどうやら無事に見つかった様子。
薬屋のばあちゃんが喜ぶなら、行きつけだけによかったと笑みが浮かぶが直ぐに眉間に皴。
まだ懐に余裕はあるがどうしようと、嫌だが受けるしかないかと手を伸ばしかけ。
「困りごとって言いますか……困ってはいますね」
如何にも怪しい荷運びを取りかけていた手を引っ込めて視線を向けうと猫を捕まえていた…。
可愛い女の子、年下かなと見れば笑みが浮かんでしまい。
「実はですね。これと言った仕事がなくて困ってるんです」
ほんの本当に少しだけ悩み、あっさりと悩んでいる事をぶちまけて。
■アカサギ > 職員に預けた猫(フロイちゃん。メス3歳)は。
ギルドの奥に引っ込む間も『オ゛ア゛ァ゛~~~~』と。
なんとも濁った声で鳴いていた。
……でもあのブサイクなところがかわいいんだよねぇ。
「……ふむ。困ってるわけね。
だったら話してみなよ!」
そうして、気になった女性に声をかければ。
困りごとではないにしろ、困っているというお返事。
アタシは、胸をどん、と叩き、さぁ相談してみろ! と言ってみる。
「ほうほう。依頼書を見てたから、冒険者かな、とは思ってたけど。
……う~ん、確かに。こりゃあちょっと、だね」
ちら、と。クエストボードを見るけど。
あるのは貧民地区特有のヤバ事ばっかり。
「……ふむ。じゃあさ、ちょっとお話いいかな?
お仕事、紹介できるかもなんだけど」
そこでアタシはちょっといいことを思いついた。
といっても、思いつきだから。いろいろと確認しなきゃなんだけど。
まずは相手の興味を惹くべし! ってことで。
アタシは、笑顔で前かがみになり、相手にだけ聞こえるように小声で言う。
■ルイン > 初めて会う少女にこんな相談をして良いのかと悩みはしたが先立つものは必要。
なのでさらりと本当に困っている事を告げて貼りだされる依頼はこんなのと示す。
それだけでわかって貰えた様子に本当に少しだけ困った笑み。
「ギルドで仕事を探すのは冒険者ですよ。
あるにはありますけど……内容がこれですしね」
実入りが多いのは有り難いがヤバい仕事しかない今。
万が一があれば楽しい毎日を送れなくなるというのが一番の問題。
それだけは嫌なので結果的に仕事がないと言う事で。
「お話ですか?怪しい宗教や神の賛歌でなければ大歓迎ですよ。
特に可愛い子と……お仕事でしたら是非に。
あそこのテーブルでも借ります?」
前かがみの格好で小声で話してくる少女。
どんな話なのか興味があり、冗談交じりに頷き。
それが仕事になるかもと聞くと少しだけ真面目な顔になって頷き。
クエストボードの前よりはと…隅っこの簡素なテーブルを見ての提案。
■アカサギ > 「いやいや。たまに依頼者がクエストボードを見ることもあるよ?
いわゆる、報酬の相場を知るために、ってね。
……こういう仕事もイイんだけど、リスクは高いもんね」
相手の言葉に、指をぴっ、と立てて語ってみる。
依頼主が依頼に慣れていない場合、報酬が安すぎたり、高すぎたりすることもあるのである。
っていっても。相手が雰囲気から、依頼者じゃないってのはなんとなく分かってたけどね。
「あはははは、案外それに近いかも。
うん。じゃあ、さっそくお話させてもらおうかな」
宗教じゃあないけど、お誘いって意味じゃあ似てるかもしれないなぁ。
でも、とりあえず相手が興味をもってくれたようなので。
アタシは、テーブルに向かって移動して。
途中で、職員さんに飲み物を注文する。ギルドは普通、酒場も兼ねているので。
お酒を飲んだりできるのはまぁありがたい。なんならお日様が高くても飲めるもんね!
「さて……アタシ、アカサギっていうんだけど。
率直に聞くね? アナタ、腕に自信とかあるかな?」
冒険者にもいろいろなタイプがいる。腕っ節ではなく知識とかでメシを食ってるタイプもいるから、そこはまず確認。
アタシとしては、勧誘したいのはある程度は荒事に慣れている人なんだけど……この相手は、さぁどうかな?
■ルイン > 「それでしたら平民地区のギルドに行くと思うのですよ。
私は報酬とリスクがあっていない気がするのですよね」
少女の言葉に相場ならここではなく平民地区と笑い。
この場所で依頼を出すなら慣れているはずという考えを持っている訳。
「ん~入教はしませんけどいいですね?
私で答えれる範囲ならいいですよ」
これでも元天使、宗教は困るので先に入教はしないと前振り。
それは別として話しかけてくるのだから美味しい話があるはずと感が囁き。
少女と共にテーブルに向かい途中でジュースを頼み。
仕事を話しかもしれないので流石に飲酒は控える事に決めて。
「アカサギね、私はルインって名乗ってますね。
腕ですか?これでも斥候でそれなりに受けはいいんですよ」
自信と言われればあくまで仕事での評価を胸を張って答える。
少なくとも今の身では斥候としては自信があるのは事実なので。
■アカサギ > 「……まぁ! そういう考え方もあるね!
ん~。その辺は、アレかな。
この手のヤバい仕事を請ける人って、ヤバ事慣れしてるからね」
相手の指摘は、たしかに一理ある。
わざわざ依頼に不慣れな人間が貧民地区のギルドになんてこないもんねぇ……。
っていうか、そういう人は安定の平民地区のギルドにいくね、うん。
これはもう、相手の言うとおりである。
「まぁ、お話させてもらって。
あとは、気に入ったらってことで、ね?」
拒絶されないだけでもありがたいありがたい。
そもそも、初対面のアタシの話を聞いてくれるんだから。
きっとこの人はイイ人だね、うん。
話をさせてもらうんだから、損させないようにしたいね~。
……うん。届いたエールが美味しい!
「ルインさんね。ふむふむ……。
なるほど……だったら、イイ感じかも」
斥候……なるほど、それなら仕事はあるだろう。
そう思って、アタシは笑顔になり、ルインさんに顔を近づける。
「ぶっちゃけると、用心棒っていうか、食客っていうか。
そういう感じ? あのね、アタシ『血盟家』っていう組織に所属してるんだけど。
有能な人材を求めてるんだよね。もちろん、お給金ははずむよ?」
どうかな? と言いながら、満面の営業スマイル。
べつに家に忠誠は誓ってないけど。
多種多様なスキルの持ち主はとにかく欲しい。
有能な人材はそれこそ、材なのである!
■ルイン > 「やばい慣れしてても今日の仕事は特にやばい気がするのですけども…?」
いくらヤバくとも普段はもう少しはマシな仕事が並ぶことが多い。
ここまでヤバイ仕事をそろえたというラインナップは早々にないと。
そこが平民地区のギルドとの違いかなと考えて。
「それでいいですよお話しない事にはですしね」
無理強いや押し付けがないと言う事は良い事。
それはないだけでもかなり話しやすく、話は大好きなので歓迎と。
最初の印象は可愛く気のいい子、どんな面白い話が出来るかなと内心の楽しみ。
席に着くと同時に運ばれてきたジュースに口を付けて。
「イイ感じ?そうなると…パーティの斥候探し?」
自分の説明でいい感じと聞くと浮かぶのがそれ。
笑顔で顔が近づけばそっと自分からも寄せていき。
「用心棒ですか。まあ……暗殺相手ならそこそこはいけますよ。
話はきいたことがあったりしますけど、アカサギはあそこの人なんですね。
ん~……普通に冒険者の仕事もやっていいなら引き受けますよ」
少女の言葉に以外と言うように驚きを見せ。
そして考えこむこと少し……。
別で仕事をしても良いのなら引き受けるという言葉。
専属になって冒険者が出来ないのは中々に困ってしまうのでそんな条件もつけて。
■アカサギ > 「……そだね~。ここまでの黄金な布陣はなかなか無いかも」
なんていうか、ヤバい仕事の見本市みたいになってるクエストボード。
いやぁ、いつもはもうちょっとライトな仕事もあったと思うけど。
たまたまとはいえ、ずいぶんと仕事が偏ることもあるもんだね。
「うんうん、そうだよね!
いやぁ、お話を聞いてくれる人で良かったー!」
勧誘する時って、断られると結構ダメージ大きいんだよね~。
とりあえず、焦らず焦らず。
変に警戒されてしまうと、お話がオジャンです。
なので、お酒を飲みつつ、あくまでも楽しい雰囲気で……!
「いやいや、パーティってわけじゃないんだけど。
いろいろなスキルの持ち主を探してるから」
正直、ウチの家ってそういう諜報系とかのスキルの持ち主って。
いるにはいるけど、そこそこの腕だからなぁ……。
「あ、護衛系もいけるんだ! それは助かる!
……まぁ、あそこの人っていうか。本当に籍だけ置いてる、的な?
うん! それはもちろん! 本業のお邪魔にはならないようにするから!」
なんともルインさんの反応は好感触。
提示された条件も、こっちが飲めない話でもない。
ならば、ここは後は押せ押せイケイケでしょう!
「じゃあさ、一旦、アタシが雇用主って形でいいかな。
で……報酬はこれくらいで……。
……あ、あと。何か、欲しいものとかある?
お金以外でも報酬はお支払いできると思うし」
話を進めつつ、ルインさんに報酬についてまとめた紙を渡す。
斥候、諜報なら、難易度に応じて報酬の値は上がり。
要人警護なら、日当制。あとは……。
ルインさんが何かを求めるなら、それも提供するよ、と。
ダメ押しの出来高払いも確約しちゃえ!
■ルイン > 「私もたまに来ますけど…ここまではそうないですよ」
今日は特にやばいです、依頼を見れば今日は諦めという溜息を吐き。
もう少しましな仕事は今日はないだろうという悟りまであって。
「この辺って仕事の押し付けとかもあったりしますから油断できないのですよ。
こうやって話せるのは何気に貴重です」
そして話を聞くわけだがどうにも焦らされているような感じ。
それだけ裏があるのか表に出せないのか…どっちもだと勘が囁き。
しかしこうして向かい合い、酒とジュースではあるが組み合わせば案外楽しく。
「色々なスキルですとそれこそパーティな気がするんですが?}
冒険者思考ではどうしてもそう考えてしまい。
しかし決めつけはよくないと話を聞いては答えて。
「それはまあ…出来ますし、ある程度の指南も出来たりしますよ。
つまりは日雇いみたいな感じでいいですか?
それでしたら私は引き受けちゃいます、定期収入は助かるんですよね」
ずっとではなく本業の合間でもいいような返事に前向き、むしろ受けても良いとさえ考えて。
美味しい話には裏がるというがそういう感じもしないのがまさによく。
「雇い主は組織じゃなくアカサギ個人という訳ですね。
報酬も問題ないと言いますか、多いですよね、これ?
それにお金以外で欲しいの……」
報酬についてまとめた紙を渡されて目を通せば細かく書かれている。
だが内容としてはいたって真っ当、むしろきっちりとし過ぎていていいのというレベル。
これだけでも破額と言えるのに更に追加まで。
それを考えていてふと視線を前、少女に向けて……。
「じゃ、追加はアカサギにしましょう」
名案とばかりに手を打ってさらりと要求をして。
■アカサギ > 「……確かに。こりゃあ数ヶ月に一回の暗黒期が来てるね」
冒険者ギルドの仕事には、波がある。
新陳代謝良くくるくる仕事が入れ替わる時はいいのだが。
誰もが手をつけない仕事が残り続け……いつしか、そういうヤバい仕事だけが残っている状態が訪れる。
そういう時期ってのはあるのだ。んで、今が多分その時期。
「あ~、確かに……。
いや! 本当に無理強いとかしないからさ!」
舌先三寸、見事に相手を騙して仕事をさせるなんて人間も。
貧民地区ならまぁ珍しいわけでもない。
とはいえ、アタシとしては正直に雇用するつもりなので。
騙しなんてナシ、である。そんなことをして雇っても信頼を勝ち取れないしね。
「いや、まぁ、そうなんだけどそうじゃあないの!」
ダメだ、アタシ説明が致命的にヘタだぁ!
だけど、ルインさんがちゃんと話を聞いてくれたから、ある程度の意図は伝わったみたい。
「うわっ、本当に! それすっごい助かるよぉ!
うんうん、基本は日雇いってことで!
あー! ありがとう! これでちょっとできることが増えるよぉ!」
あっさりと快諾してくれたルインさんの手を握り、ぶんぶんと振る。
これは、ちょっとイイ人を雇えたぞ!?
ルインさんの指導とかで家の人間のスキルが向上すれば、アタシとしても助かるし!
「一応、そういう形で。
いやぁ、具体的に何をやってもらうかはまだ未定だから。
一応の報酬額ってことで……」
相場、というものについても調べないといけないかもしれないけれど。
アタシだって、殺しで結構稼いでて、お金は持ってる。
その上で計算した報酬なので、問題はないはずなんだけど。
「……? えっと、追加が、アタシ?」
どういう意味? と。
ルインさんの言葉に、思わず首を傾げてしまう。
■ルイン > 「しばらくはこう言うのは…来ないで欲しいって思います」
仕事はない時はない、ある時はあるがこれは流石に酷い。
何が酷いかと言うとやばい仕事しかない。
恐らくは今回だけだろうが、それでも肩を落とすには十分すぎて。
「こうして話してから進めてますし、それは心配してないですよ」
もし本当に無理強いをするのなら話ではなく行き成り報酬の話になるはず。
そうじゃなくこうしてきっちりと話すだけにそこは信じていると。
もっとも騙されればさっさと逃げるのだが……。
そして説明に冒険者のパーティを作るのかと思ったがそうではなく。
よく聞くと何がしたいか、その理由はハッキリとしていて出来る事を伝えて。
「私が出来る範囲、それを教えるぐらいですね。
日雇いなら今と変わらないのでオーケーですよ。
お礼を言うのは私の方ですからね」
日雇いとはいえこんな好条件な仕事を貰え感謝するのは自分。
手を握られてぶんぶんと振られると照れてしまい。
指導の経験はあまりないが出来る限り教えようと考えるあたり真面目さん。
「その辺りは追々と確認するので大丈夫ですよ。
一応でも大体わかるだけで助かっちゃいます」
目安が判るだけでも先を考えるには十分助かる。
多少の報酬の上下はよくあるので許容範囲内と気にしない姿勢。
「そそ、アカサギが追加報酬。可愛い子大好きなんですよね」
ニコニコとした満面の笑み、言葉こそ軽いが何を求めているか判る人は判るはずで。
■アカサギ > 「この状態が回復するのは、まぁ数週間はかかるかもねぇ」
当然、こういう状況でもマトモな仕事も依頼されてくるのだが。
やっぱりそういう仕事は優先して取られていく。
ただ世の中にはヤバい仕事を好む人間もいるので。
しばらくすれば仕事のバランスも回復するだろう。
「あはははは、信じてもらえてて嬉しいよ……」
なんていうか、この人、貧民地区に来るにしては、イイ人過ぎない?
それとも、もしかしてすっごく経験豊富な冒険者で。
こういうお話だのなんだのってのの対処に慣れてるとか?
「全然! それでいいです!
ありがとうございます! ありがとうございます!」
話が上手くまとまれば、アタシとしても一安心。
なので、感謝をしっかりと伝えようと。
手を振りながら、アタシは立ち上がり、何度も何度も頭を下げる。
「あは、あはは、申し訳ない……。
でも、絶対損はさせませんから!」
少なくとも、報酬の滞納だなんだなんてしないつもりだ。
だけど……ルインさんの言葉。次の言葉を聞けば。
「……え~っと。
アタシ、一応女の子ですよ?
良く、男に間違われたりもしますけど」
そ、それってそういう意味だよねぇ……?
いや、うん。そりゃあ、それがお望みなら。
……アタシだって、血盟家、っていうか。
アニキの役にたちたいってのは大事な部分。
そのためなら、身体を差し出すくらい、安い物……ッ!
■ルイン > 「それは流石に困りますって。平民地区の仕事だけだと少々心ともないんですから」
こんな状態が数週間も続けば確実に金欠が見えてくる。
平民地区で仕事を選ばなければ大丈夫だがそれはそれでなんだか嫌で。
「嘘を言っているようには見えませんし。
それに……魔法で感知したって言うと信じます?」
少女の言葉に楽しそうな笑みを浮かべての言葉。
嘘か本当か魔法とまで口にするが、よくよく見れば口元が笑っていてそれは嘘だと判る筈。
見た目こそ人間の少女ではあるが、本来は長く生きた天使、話し合いは慣れている上に好きだったり。
「では契約成立となりますね。
よろしくお願いしますよ、アカサキ」
感謝を伝えられると満面の笑みのまま頷き。
でも流石に立ち上がって頭を下げ始めるとそこまではと慌ててしまう。
だって凄く目立つから……。
「損になった時は契約終了になりますからね?」
そこだけは念を押すように告げておく。
ある程度の滞納は許すが踏み倒しは許さないと少しだけ笑顔が怖い。
「ちゃんとわかってますよ。
アカサギみたいに可愛い子をベッドで可愛がりたくなるのは当然ですよ」
流石に性別は間違う訳がないと胸を張って自信満々。
そういう趣味か!と言うような事を言いながら上から下と見て、それでいい?と問いように顔を見て。
■アカサギ > 「う~ん、でもこればっかりは運だよ……?」
この状況になると、少なくとも翌日に仕事のバランスが回復した、なんてことは。
アタシの経験上一度も無い。となると、やっぱり時間はかかると思うなぁ。
「え、アナタ、魔法使えるの!?
……ん、いや。その笑み……冗談?」
魔法、と言われれば信じてしまうが。
すぐに、それがウソ、というか。冗談の類だということは分かった。
なんだろう。この人、ちょっと可愛いなぁ。
「こちらこそ! よろしくお願いいたします、ルインさん!」
ぶんぶんぶんぶん、ぺこぺこぺこぺこ。
まさか、最初に声をかけた人がスカウト成功だなんて。
あまりにも話が上手く行き過ぎてる気もするけど。
なんにせよ、このラッキーは手放しちゃあいけないよね!
「うっ……。も、もちろん!
雇用主として、しっかりお金は払いますよ!」
ハッキリといわれると、ちょっと気おされてしまう。
人を雇う、なんて。良く考えれば初めての経験。
とはいえ、雇用主になった以上、ビビってなんていられない。
「……。…………。っ……。
わ、わかりました! それでいいですよ!?
ルインさんのお仕事の成果次第では……。
ベ、ベッドで鳴いてあげましょう!」
いやぁ、でもアタシ、本格的に女性相手にしたことってないんだけど。
で、でも。よくよく考えれば、優秀な人材を身体で繋ぎとめられるんだよね?
だったら、えぇいもう、言っちゃえ! って感じである。
■ルイン > 運は良いとは言えないだけに、その言葉に零れるのは深いため息。
お金はあいにくあまり使わないので貯蓄はあるので問題は無いが多少は痛いのは事実。
「実は使えたりするんですよ。
今は使ってないですけどね」
魔法で調べたは嘘だが使えるのは本当。
これは秘密ですからと画すべき相手にさらっと言ってしまううっかり。
「そこは雇い主なんですよ。呼び捨てで構いませんから。
私がアカサギさんと呼ぶべき…?」
ここまで感謝されると話を聞いて雇われた甲斐もある。
ただここでは凄く目立つので頭を下げるのはやめて欲しいなと笑ってはいるが雰囲気は困っている感じに。
そしてふと気が付くのは雇い主を呼び捨てにするのは不味いかなと言う事。
「それも信用してますからね。
少しぐらいなら待っちゃいますから硬くならなくていいですよ」
少女はきっと踏み倒さないのは判ってはいるがこれは大事な事。
貧民地区で受けた仕事は報酬を受け取るまで油断できないのが多いので釘刺し程度。
「言いましたね?後で無しは効かないですよ。
ふっふー、アカサギを可愛がるために全力を見せないといけないですね」
その言葉になしは効かないと言い切り気合を入れてしまう駄目っ子。
そっと手を伸ばして少女のお腹に触れていこうと…して。
■アカサギ > 「えぇ? 結局使えるの?
……もう、からかってます?」
相手の言葉に、思わず膨れてしまうけど。
でも、よくよくに考えれば、それを打ち明けてくれてるのだから。
やっぱり、この人イイ人過ぎるよねぇ。
「え、え~っと。
じゃ、じゃあ。ルイン……?
あ、いや、じゃあ、その。お互いに呼び捨てで……」
男相手だと、気を使わなくていいから呼び捨てが多いんだけど。
女性を呼び捨てに、っていうのは慣れないなぁ……。
どうせなら、こう、友達、みたいな感じで。お互い呼び捨てだと気楽なんだけど……。
「は、はい……」
硬くならなくていい、なんて言われても。
いざこうして人を雇うとなると、急に不安が芽生える。
なにせ、アタシのミスはそのまま不信に繋がるわけだから。
「い、言ったともサァ!
こちとら、東じゃあ気風の良さで売ってたんだぃ!
ルインが成果を見せりゃあ、アタシの身体を好きにしやがれ!」
ルインがお腹に触れてくれば、アタシも覚悟が決まった。
決まったついでに、つい昔の言葉遣いが出てしまうけど。
実際、ルインの働き次第では身体を差し出すくらいなんともない。
……それに、どんな風にシてくるのかも、ちょっと気になるってのも、本音ではある。
■ルイン > 「………秘密でお願いしますね。
使えますよ……黙ってるつもりだったのに……」
揶揄っている訳ではなく本当にうっかり。
膨れている姿を見ては慌ててしまうあたり本気で揶揄っている訳でなく。
「それでいいですね、やっぱり気軽いのがいい感じです。
そう?じゃあ、私も呼び捨てで呼んじゃいます。
気軽いのっていいですよね」
少女は礼儀を細かく言うようなタイプではない事に良かったと。
中にはさん、酷ければ様を付けろというタイプもいるだけに…気軽く呼び合えて実は嬉しそう。
もしかして人を雇うのは初めてなのか余計に緊張を指せてしまった様子。
出来ればリラックスしてほしいが少し釘が深かったと反省して。
「好きに……本当に好きに?
任せてください、アカサギが納得するだけの成果を見せますよ。
ですから……私の赤ちゃん、産んでくださいね」
少女のお腹に触れれば鍛えている感触。
前払い的に触れていたが思い切りのいい言葉にその手が止まってしまい。
本当に?と問うように見返すが直ぐに輝くような笑顔になり。
物凄い要求を言いながら我慢できないと抱きしめようとしてしまう。
■アカサギ > 「あ、は、はい。もちろん。
黙っておきます。絶対!」
相手の口調や声色が、本当に秘密にしてたことだということを教えてくれるので。
アタシは、小さく何度か頷き、秘密を守ることを誓う。
「じゃ、じゃあ。お互いに呼び捨てってことで……。
……えへへ、なんか、逆に照れる……」
なんだろう。友人、かな。
友人が出来た感じ。本当に。
あ……これ、嬉しいかも。
考えれば、アタシ。同性の友達ってほとんど……っていうか、一人もいなかったなぁ。
「お、応サァ!
その時はいくらでも……。
え、産む?」
笑顔で自信満々に宣言してくるルインに、アタシも成果次第ではいくらでも、と言うが。
え、産むってなんですか? いやいや、女性同士で産むとか?
あ、魔法? 魔法かな? そういう魔法があるのかな?
っておぉぉぉうなんかメッチャイイ匂いするですぅ……!
■ルイン > 「アカサギは優しいですね。
本当に内緒ですよ」
ギルドには申請せず、本当に親しいと思っている人にだけ打ち明けている秘密。
もう一つ秘密もあるのだが…これを教えると言う事は二度と手放さないという証でもあり。
何度も頷く姿によろしいと笑って。
「雇い雇われと言うよりお友達みたいですね。
折角ですからお友達にもなりましょう」
名案とばかりに手を叩いて口にする。
少女は雇い主かもしれないが友達にもなれればいいかなと。
そうすれば雇われ以上の絆になりますと考えて。
「約束しちゃいましたから、契約は絶対ですよ」
その手の契約書は交わしてはいないが決定という有無を言わせない気配。
パッと見ればアレはないがどう言う事化まではここでは言わない。
ぎゅっと強く抱きしめては逃がさないとばかりにすりつき。
「ちょっとだけ…先払い貰っちゃうことにしますね」
もう決めましたと勝手に決めてしまい。
そのまま姫様抱っこに抱き上げようして…
上手く言えばそのまま近くに連れ込み宿に連れ込んでしまおうとする訳で……。
■アカサギ > 「はい、もちろん!
……って、信頼してくれるんですか?」
もちろん、アタシは不要なことをべらべらとしゃべる気はない。
人にはそれぞれ事情とかがあるから。
ヘタに吹聴なんてすれば、すぐに輩が集まってくる。
「あ、こ、こちらこそ。
よろしく、お願いします!」
思っていたことを、そのまま言葉にされて。
思わず、再度握手して手をぶんぶん。
なんだろう、この人は。優しい人だなぁ……。
「もちろんですよ! その……。
不慣れな雇用主ですけど。よろしくお願いします」
契約。そう、約束じゃなくて契約なのである。
身が引き締まる思い。っていうか、実際相手に抱きしめられてるわけなので。
ある意味緊張して体が引き締まってしまうのだけど。
「……っ! ちょ、ちょぉぉぉぉっ!
て、ていっ!」
お姫様抱っこ。先払い。
これは、明らかにマズいでーすっ!
アタシは、迫る危機を察知し、懐から煙幕を数個取り出すと、思いっきり地面へと叩きつける。
そのまま、アタシはその場から思いっきり逃走する。
……る、ルイン。本気でアタシを抱く気じゃなかったかなぁ!?
これは、とんでもない人と契約しちゃったかも……!
■ルイン > このままお持ち帰りをして一晩の先払い。
そう考えていたが慌てた声と共に視界が煙に包まれ。
「逃げられちゃいましたね」
腕の中の重さが消えてしまえば指を鳴らして風を起こして煙を払い。
影も形もなくなってしまった事に少し肩を落とし、またここで会えるかと考えてギルドを後にして
ご案内:「貧民地区/ギルド」からアカサギさんが去りました。
ご案内:「貧民地区/ギルド」からルインさんが去りました。