2020/01/15 のログ
ご案内:「王都マグメール近辺」にタマモさんが現れました。
タマモ > 王都マグメール、その近辺にある、木々生い茂る森林地帯。
場所的に、一般市民でさえ出歩いている、そんな危険はないだろう場所だ。

………まぁ、時に、運が悪かったり、危険と知りながら、突っ込むような輩も居る訳だが。
今、この場所で、少女を前にする冒険者達が、後者の者と言えようか。

「………いい加減、妾を捕らえるとか、諦めも入らんのじゃろうか?
何人の冒険者?達が、失敗しておると思うておるんじゃ?
どれ程の賞金が掛かっておるのか知らんが、そろそろ、放って置いてくれんかのぅ」

はふん、軽く溜息を吐きながら、少女は行く手を阻む数人の冒険者達を見遣る。
その連中の顔に、見覚えは無い。
つまり、己の事を詳しく知らず、賞金額だけで向かって来た連中なのだろう。

剣を持つのが2人、弓に矢を番えているのが1人、杖を持っているのが1人、素手が1人。
さて、相手をするか、逃げるか、考えよう。

タマモ > 相手が何か言っているようだが、聞く気はいまいち起こったりはしない。
何度も何度も聞かされている、定番の言葉に違いないからだ。
知り合いの誰それの仇(別に殺めたりはしてない)だの、賞金の為に逃がさんだの、そんなところだろう。

のんびりと、選択肢を考えるのだが…
今回の相手さんは、せっかちらしい。
己が動く前に、いきなり動き出したのだ。
前衛らしき2人が突っ込んで来て、それに合わせ、矢が飛んでくる。
詠唱だろう、なにやら呟いている声も、耳に届いていた。

「仕方無いのぅ…さっさと終わらせてやろう」

振るう2本の剣が届く前に、飛来する矢が、的確に肩へ。
しかし、的確ゆえに、そこに穴がある。
すっ、と少女は身を屈め、それを簡単にいなし、同時にたんっ、と地面を軽く蹴る。
少女の姿は、次の瞬間には矢を射た相手の前に。
目の前から消えた2人の戦士も、目を離さずにいた残りの3人も、驚きの声を洩らす。
軽く地を蹴った、そう見えたのに、それほど、人間離れした速度だったのだ。

「よい、せっ」

ぐんっ、と伸びてくる少女の手が、弓手の手を掴む。
そんな掛け声と共に、掴んだ相手の体は、気が付けば地面へと叩き付けられていた。
投げられた、のだが、どう投げられたのか、分からない。
地面に倒れた相手は、打ち所が悪かったのか、意識を失っていた。

「うむ、一人目じゃな。
ほれ、ついでに二人目じゃ」

それを見て、満足そうに頷きつつも、詠唱途中だった魔術師らしき者に、少女の声が向けられる。
が、そのタイミングで詠唱を終えたか、杖を振り翳す。

少女に向けて放たれる、真空の刃。
それは少女を切り裂く事はなく、まるで流れを読むかのように、するりと流れるような動き。
かくして、二人目の犠牲者が地面に転がる事となった。

タマモ > 見えない動き、瞬く間に倒される仲間達。
まぁ、そんな状態で、落ち着いていろ、と言うのが難しいだろう。
相手から感じるのは、驚きから、焦りか、恐怖か。
そんな相手を前に、少女は、くぁ…と、欠伸を一つ噛み殺す。

「………で?」

そして、あえて声質を落とし、短く問う。
その問いを、どう相手が受け取るのか…まぁ、相手次第であろう。

逃げ出すも良し、向かってくるも良し。
それとも、他に何か起こったりするだろうか?
少女は、次の流れを、のんびりと眺めていた。

タマモ > まぁ、その答えは、状況を考えれば難しくもないか。
倒れた二人は、意識を失っているだけで、命の危険性は無い。
少女を警戒しつつ、仲間へと寄る戦士2人。
それに対し、近付けば、距離を軽く置く少女。

倒れた仲間を担ぎ、そのまま距離を離し、撤退。
うん、それが正しい選択だろう。
続けていたら、運悪ければ、少女の気紛れが起こる可能性もあるのだ。
消えて行く背中を、そのまま、のんびり眺め続け…
見えなくなれば、少女もまた、そこから姿を消すのであった。

ご案内:「王都マグメール近辺」からタマモさんが去りました。