2019/09/27 のログ
ご案内:「王都マグメール近辺」に玉藻さんが現れました。
■玉藻 > ここは王都マグメール、から少し離れた森林地帯の丘の上。
ぽふんっ、間の抜けたような発破音が鳴り響き、もうもうと煙が立ち込める。
その音に続くように、一つの人影らしきものが、飛び去って行った。
ゆっくりと、その煙も時間が経てば消えてゆく。
煙の消えたそこに居るのは、一人の幼女。
地面に座り込んだまま、ぐわんぐわんと何かの衝撃に、頭を揺らしていた。
ただ、その姿は人間のそれとは少々異なる。
狐の耳、尻尾、それはこの地に居る、ある種族と間違われそうではあるものだ。
ぼーっとしていた幼女ではあるが、はた、と意識が戻る。
「はっ…わ、妾は何を…!?」
がばっ、と勢いよく立ち上がる。
木々に囲まれた周囲を見渡し、かくん?首を傾げる。
「あー…そう、そうじゃ、やっと宿が見えて、そこに向かって…
………はて?」
首を傾げたまま、前の記憶を思い出し…そこで、止まる。
うん、何か起こった気がしたが、忘れた。
「と、とりあえず、やっと宿も見えてきたのじゃ、向かわねば…!」
幼女は、今だ、見えていた王都の光景を、とある宿と勘違いしている。
まぁ、今この場所の事さえ、まだ気付いていないのだから当然と言えば当然であるが。
よし、と拳を握り意気込めば、王都へと向かい歩き始めた。
………多分、王都の方向。
木々に囲まれているのだ、もし道を間違えていても、仕方無いよね!
■玉藻 > がさがさと、草木掻き分け進む幼女。
道っぽいものはあった気はするが、何か方向が違う気がした。
と言う訳で、己の勘に頼り、道は無視しての直進である。
実は、その道の先は、急な傾斜を避けるように伸びていた。
その事実は、知る事は多分無いだろう。
「この調子ならば、そう経たずに………あ?」
がさがさがさ、そんな調子で進む幼女。
不意に…すかっ、踏み締めようとした足元が、空振った。
視線を下に向けてみれば…
「………お、おおおおおぉっ!?」
うん、見事な急勾配だ。
そのまま前のめりに、ころん、ころん、ころん、転がり出した。
幸か不幸か、転がる幼女が転がって行く先は、同じように掻き分けていた茂った草葉の中。
どこまで転がって行くのか、どこで止まるのか。
それは、誰にも分からない。
ご案内:「王都マグメール近辺」から玉藻さんが去りました。