2019/06/16 のログ
ご案内:「まれびとの国内・どこか」にサウラさんが現れました。
サウラ > ――ふ、と、重たい瞼を押し開け、茫洋とした視線を彷徨わせる。

餓えたワーグの唸り声、怯えた馬の嘶き、グっと強い衝撃に傾ぐ上体、
上下逆さまの川岸の景色、大量の濁った水、水、水……
沈みそうになる躰を浮かせようと両腕でもがき、押し寄せる流れから必死で顔を上げ、
あれは多分、流木か何かに縋りつくように掴まって、嗚呼そうだ、

「――そうだわ、私、川に、……」

増水した川を渡って包囲線を狭めている最中に魔物の群れからの襲撃に遭って、
そのまま濁流に飲まれ、意識を失って仕舞ったのだ。

サウラ > 首を動かし、ぼんやりとした視線で周囲を伺うけれども、
落下か着水の強い衝撃でだか、視力が一時的に下がっているようだ。
余りものの輪郭が巧く捉えられず、よく見えない。
目をゆっくりと瞬かせながら、視野が快復するのを仰のいた姿勢の侭待つ。

手触りから判断して、躰には乾いた掛け布のようなものが被せられているようだ。
無意識の不安から、その布の端を強く握って胸元に軽く引き寄せる。
どうしてだか判らないけれど、着ていた筈の衣類の一切が無い。今の己は、裸身だった。

サウラ > 躰が酷く熱くて、同時に酷く寒い。
小さく何かが爆ぜる音、少しずつ戻ってくる視界、光のなかで動く黒い人影、
逆光でその顔はよく見えない。そもそも、その影が「人」であるかさえも不確かで。

疲労感が瞼に圧し掛かり、目を開けていられない。
そのまま、意識を再び手放して――……

ご案内:「まれびとの国内・どこか」からサウラさんが去りました。