2019/05/09 のログ
■ギュンター・ホーレルヴァッハ > 勿論、彼女の膣内で締め上げられる快楽も。純粋な肉欲そのものも、己の理性を十二分に破壊している。
だがそれ以上に。己の思考が、脳髄が過剰な電気信号を伝えるのは、一人の女を己の手で壊していく快感。
我ながら、随分と人でなしになったものだと、掻き消える様に煙る理性の残照が自嘲した。
———とはいえ、白濁を吐き出す快楽もまた、当然の如く己の身体を突き動かす一因。
孕ませる為では無く、唯体液を注ぎ込む様な吐精。しかし、その純粋な快楽に肉棒は震え、脈動し、灯った熱を吐き出そうと何度も何度もびくびくと跳ね上がる。
そして、最後の一滴を吐き出し終えた肉棒が余韻に浸る様にぶるりと震えた頃。彼女の口から吐き出された言葉が耳を打てば、ゆるりと緩慢な笑みを浮かべるだろう。
「…そうだ。何も考える事等無い。私の言葉の儘に。私の思うが儘に。私の欲望の儘に。奪われ、喰らわれ、貪られていれば良い」
噛み付いた犬歯が彼女の膚を破り、鮮やかな鮮血が滲む。
その血を舐め取り、吸い上げた後、唇を彼女の耳元に這わせて囁いた。
柔らかな乳房も、膨らんだ胎も己の身体で押し潰す様は、まるで互いの肉体が溶け合う様。そして、それでも尚萎えぬ肉棒は、彼女の膣から一滴たりとも精を零さぬ様に、ぎちりと栓をする様に鎮座していた。
そして、差し出された細い指を。まるで本当に贄として捧げられた様に伸ばされた指を。当然だと言わんばかりに喰らう。歯を立てる。骨すら貪る獣の様に、硬質な音を立てて噛み付く。
そうして彼女の指先から鮮血を滲ませ、その血で己の唇を朱く濡らしたまま、彼女からの請願に目を細めた。
互いの本能をぶつけ合う夜と、果ての無い狂乱と堕落を求める彼女にふわりと微笑んで。
「……言われずとも。既にお前は私のモノ。お前の請願も、陳情も、悲鳴も嬌声も、全て私のモノだ。先ずはそれを教え込みながら、丁寧に壊してやろう。ナイン」
————そんな狂奔染みた交わりは、夜が明ける迄延々と続くのだろう。貪り、犯し、喰らい、精を吐き出し、壊す。果ての無い快楽によって、互いが堕ちていく昏い夜は続く。
だが、それでも夜は明ける。本能を曝け出す闇が陽光に払われる。二人が再び、貴族としての仮面を纏う朝が来る。
延々と犯し尽くし、壊し尽くした彼女の寝顔を一しきり眺めた後、その肩を揺り動かして朝食に誘う少年の姿があったとか——
ご案内:「ハイブラゼール ホテル」からギュンター・ホーレルヴァッハさんが去りました。