2019/03/30 のログ
ご案内:「どこか」にラファルさんが現れました。
■ラファル > お約束待機です
ご案内:「どこか」にタマモさんが現れました。
ご案内:「どこか」からラファルさんが去りました。
ご案内:「どこか」からタマモさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール/娼館2階・角部屋」にサウラさんが現れました。
■サウラ > 「貴女も大変ね。……いいのよ、気にしないで。また誘って頂戴」
友人の後ろに立ち、首飾りのフックを留めてやりながら笑って告げる。
此処で部屋持ちの娼婦である友人は、本来なら今夜は休養日で、
ワインを飲みながら下らない話を交わして夜を過ごす筈だったのだ。
だがここのところ連日王城や貴族の邸などで宴が催されるために、
体力が男性より劣りがちな女性側が連夜の出席に参って仕舞い、
その同伴役の不足を急遽補うかたちで娼婦である友人にもお呼びが掛かったわけだ。
「……あら、いやな予言しないで頂戴。ほんとになりそうで怖いわ。
ええ、いってらっしゃい。とっても綺麗よ、今夜の貴女も」
身支度を終えた友人を部屋の外へと送り出し、
静かに扉を閉め合わせてからその足で部屋の出窓へと向かう。
出窓は今は開け放たれ、夜のざわめきが2階の此処にまで届いてくる。
■サウラ > 程無く館の入り口からから出てきた友人が、二頭立ての馬車に乗り込む姿が見えた。
鞭を鳴らす音、車輪の回り出す音、どこかの窓から弾けるような笑う声、
甘い嬌声も夜の気配に溶ける。嗚呼、今夜は風がいつもより温い。
「……あら私?ふふ、でもだめよ。他を当たって頂戴」
不意に眼下の通りに立ち止まる酔漢から一晩を持ちかけられるけれど、笑って首を振る。
紅い星の影響で、物凄く欲情し易くなっている己などが一度火をつけらて仕舞ったら。
抑制薬を服用しているとはいえ、理性など形無しになることは明白だ。
素気無い響きに酔漢は悪態を吐き、よろよろと歩き出して路地へと入ってゆく。
あの路地にはよくスリが出ることで悪名高いのだけれど、
酔っているあの男の耳には、多分忠告なぞ届きはしないだろう。
■サウラ > 仮にも友人の部屋でそういうことに及ぶ気にはなれない。
こんな思考が出来るのは、理性的であり抑制効果が確かに現れている証拠だ。
それが今だけだと知りながらも、己を律せずには居られない。
隷属と屈服を強いられた上に顔の傷を刻まれたのは弱い己だったから。
出窓の硝子窓を閉め、古傷を疼かせる記憶にも蓋をする。
己もまた時置かずに友人の許を辞去するとしよう――
ご案内:「王都マグメール/娼館2階・角部屋」からサウラさんが去りました。