2019/02/28 のログ
ご案内:「王都マグメール近辺」にタマモさんが現れました。
タマモ > 王都マグメールの近辺、そこに流れる小川。
今日、少女が居るのは、そんな場所だった。
目的なんてもの、言うのは不要だろう。

川岸にある適当な岩に腰掛け、その手には釣竿、傍らにはタライが置いてある。
タライの中には数匹の魚が、ゆらゆらと泳いでいた。

「ふむ…可も無く不可も無く、じゃのぅ」

そんな事を呟きながら、ていっ、と釣竿を振るう。
先に付いた餌付きの釣針が、ひゅるるる…と小川の中央付近まで飛び、ぽちゃんと落ちる。
まぁ、後は反応があるまで、のんびりと待つだけだ。

タマモ > 無駄に待つ事は嫌う少女だが、釣りとなると別である。
ただ待つのと、釣りで待つのとは別物なのだ。
小川のせせらぎ、微風に靡く草葉の擦れる音、それだけが耳に届く。
まぁ、こう言ったものも、そう悪くは無いもので。

しかし、この場に誰かが来たらどう思うか。
夜釣りの為、灯りは一切点けてない。
つまりは、月明かりでしか少女を確認出来ないのだ。
もっとも、灯りも無しに出歩く者はそう居ない。
その灯りをこちらに向けて、初めて気付くような感じとなる。

ちなみに、そんな状態になったら、遠慮無しに脅かす事も予定に入っていた。
なんで、そんな事をするのかって?…相手の反応が楽しいから、それ以外の何があろうか。
………うん、傍迷惑この上ないものである。

タマモ > 「む…?」

ぴくん、と耳が揺れる。
視線を上に向けると、気が付けば怪しくなっている雲行き。
少しの間、くい、と釣竿を引いて糸を手繰り寄せる。

「………一雨来るじゃろうな、仕方あるまい」

釣りも、雨天となればどうしようもない。
かと言って、天候をどうこうする訳にもいかない。
よいせ、と岩から腰を上げると、傍らにあったタライに手を掛ける。
そう、いつものあれだ。

「きゃっちあんどりりーすじゃっ!」

ざばーっ、とタライを返し、魚ごと水を小川へと流した。
そのまま、ぽんっ、とタライと、次いで釣竿を消して。

「さて、降り出す前に戻るとしようかのぅ」

はふん、と溜息を一つ。
次の瞬間には、その場に少女の姿は無かった。

ご案内:「王都マグメール近辺」からタマモさんが去りました。