2019/02/15 のログ
ご案内:「富裕地区 /とある貴族邸」にノアさんが現れました。
■ノア > 富裕地区の とある屋敷にて ───
財と暇とを持て余した貴族達による舞踏会が開かれていた。
主催者の意向により唯一設けられたドレスコードは、
目元を隠す "ヴェネチアンマスク" の着用。
豪奢なシャンデリアが垂れるホールは、マスクを着用した男女で溢れていた。
好き好んで参加している者、
少しでも権力者に顔を売りたくて参加している者、
怪しげな舞踏会に下心を抱き参加している者、
付き合いで仕方なく参加している者 など…
此処に居る理由も、 身分も、 様々。
「 …………… はぁ、 退屈。」
"一人で会場に行くのは恥ずかしい" なんていう理由で、
どこぞの御坊っちゃまに雇われた便利屋なんかも、 紛れていたりする。
■ノア > 雇い主の御坊っちゃまは、 随分と浮かれていらっしゃるご様子。
そして、 好みの女性を見つける度……
『 何と声を掛ければいい 』
『 何か褒めたりした方が喜ぶのか 』
などと、 女にアドバイスを求め。
適当な返事をすると、 御坊っちゃまは出陣するのだけれど…
全く相手にされず撤退、 と 先程から同じ事を何度も繰り返している。
最初は面白がって見ていたけれど、 変わらぬ結果にそろそろ飽きてきた。
何か面白い噂話でも聞ければ と、 シャンパングラス片手に ひらり、 ひらり…
ドレスの裾を靡かせながら、 緩やかな足取りで会場を歩く。
ご案内:「富裕地区 /とある貴族邸」に紅月/アカツキさんが現れました。
■紅月/アカツキ > ーーーかつ、かつ、かつ…
優雅なダンスミュージックの流れるホールに一人の男が現れた…否、"戻ってきた"と言った方が正しいだろうか。
始め訪れた時に伴っていたレディは無事、本日此所に参加していた『気になる殿方』とやらとバッタリ会い…先程駆け落ちが決行されたらしいが、はてさて。
「……すまない、シャンパンを…あぁ、ありがとう」
無手でフラフラというのも物寂しい…とりあえず、酒を受け取り口許に笑みを浮かべる。
…別に目が笑っていないとかでは、ない。
本日のドレスコードに則って仮面を着けているというだけだ。
繊細な銀細工を黒水晶で飾ったそれは、どちらかと言えば女性向けやも知れないが…中性的だとか弄られる己には案外丁度いいらしい。
「…新たな門出に乾杯、だな」
クスクスと口許を軽く隠して笑い、それでも一応品は保ったままシャンパングラスを傾ける。
一仕事の後の酒は格別、イイコトをした後は特にだ。
…男一人で上機嫌に酒を煽る姿は少々浮くかも知れないが、一応顔は隠れているのだ。
どうということはない。
■ノア > 取り巻きの女達を両手に侍らせ 己の権力を誇示する者も居れば、
そういった者達へ媚を売る商人だったり、 玉の輿を狙う女だったり…
会場は、 マスクでは覆い隠せない程 様々な欲が入り乱れている。
あの家の二代目はどうしようもないボンクラだ とか、
赤いドレスの御令嬢はこのところ 随分と男遊びが激しく、
其の隣に立つ青いドレスの御令嬢は 過激な趣味にご執心らしい とか…
澄まし顔で会場を歩きながら、 様々な噂話を拾い集めていた。
そんな時 ─── ふと、 一際目を引く長身な男性の姿を捉え。
妙な既視感と違和感とに、 女は脚を止めた。
其の顔立ちや、 髪型、 執事風な服装には、 見覚えがあるのだけれど…
透き通る様な白い髪や 青緑色の瞳に、 見覚えは無く。
不思議そうに貴方を見詰める女だったが、
「 えっ、 と……… もしかして、 アイオライト の… 」
口にしたのは、 鉱石の名。
折れたヒールを修理 というより… 寧ろ、 元より素敵に変えてくれて。
其の上、 だらしなく無用心極まりない女に 暖かい寝床と
美味しい朝食まで提供してくれた、 あの恩人ではないだろうか と…
■紅月/アカツキ > 暢気に口許を弛めたまま、暫し会場に咲き乱れるドレスの花々を眺めていた…ら。
不意に、声をかけられた。
きょとんと見下ろした先から見上げるのは、蜂蜜のような美しいイエローアンバー…この色には見覚えがある。
「……あぁ、あのヒールの…?
髪色が違うから一瞬気付かなかったよ、月下香の君」
何より彼女の告げた鉱石の名…ヒトを拾う事はちょくちょくあれど、靴を直す事なんてそうそうあるはずもなく。
また…彼女の纏う優しい香りが強く印象に残っていた。
名を知らぬからと、代わりに"月下香"と覚える程度には。
「そっか、御嬢さんも来てたのか…ふふっ、偶然ってあるモンだなぁ」
微笑みから、クスクスと…思わぬ出会いに笑みがこぼれる。
そりゃあ顔の隠れたパーティーなんだから誰が参加してても何ら不思議ではないのだが…こんな広いホールで知り合いと"本当の"偶然にバッタリだなんて、そうそうあるモンじゃあなかろうに。
■ノア > そんな女もまた、 普段とは容姿が異なり。
便利屋の女を相手役に雇ったとバレては 御坊っちゃまが不憫だと、
染料を使い ミルクティー色に髪を染めていた。
一度会ったきり、 まして あれからもう随分経っているから…
忘れられていても仕方ない とも、 思っていたけれど…
「 あぁ、 やっぱり ! 」
どうやら貴方も覚えていてくれたようで、 先程まで不安げだった声も
明るく 弾むように変わった。
人違いでなかった事よりも、 またこうして貴方と再会出来た事が
何より嬉しい。
「 ちょっと奥手な坊やの背中を押しに ね。」
恩人とは云え、 依頼の内容までは ぺらぺら喋る訳にもいかない為
ぼんやりと此処に居る訳を話した。
「 ほんと、 すごい偶然。
散々お世話になったのに、 ろくにお礼も言えてなかったから… 」
本当なら今すぐにでも、 何かお礼をしたい気持ちだけれど…
他人の開いた舞踏会で 何が出来る訳でもなく、
「 本当に、 ありがとう。 と、 ごめんなさい…
あのヒールね、 今でもよく履いてるの。
元より素敵になっちゃって、 すっかりお気に入り♡ 」
とりあえず、 ぺこりと頭を下げ 礼と謝罪を口にして。
偶然の再会に、 もっともっと色々話していたいものの…
女は一旦口を閉ざして、 きょろきょろと辺り見渡し
「 大丈夫 ? 誰か待たせてるんじゃない ? 」
素敵な人が貴方を待っているなら、 引き留める訳にもいかないと
ゆるり首を傾げて訊ねた。
■紅月/アカツキ > ぱあっと笑顔の花が咲く。
つられるように笑みを返しては相槌を打ち…どうやら彼女も自身の希望というより、付き添いの色が強いらしいと知る。
「そりゃあまた…なんかヤキモキしちゃいそうだなぁ」
思わず脱力し、苦笑してしまう…奥手の男の応援だなんて、己だったら彼是とお節介をやいてしまいそうだ。
…その男性が居ない、という事はアタック中なのか、はたまた上手くいったのか。
ちょっぴり気になる所だが、わざわざ身分を隠したパーティーで根掘り葉掘りは不粋の極みだろう…我慢我慢。
「あぁ、良かった!
一応軽量化の付与はしといたから大丈夫だろうとは思ってたんだけど…履き心地は本人にしか判らんからなぁ。
久々にイイ仕事してスッキリしたくらいだったからさ、気にせんでおくれ?な?」
靴の話になれば、ホッ、と胸を撫で下ろす。
なにせアレは元々の材質が石…透明度を保つための硬化は当然、加えて軽くしなければ女性の細足じゃあ疲れてしまうだろう。
相手が熟睡しているのをイイ事に遊んでたら、やたら頑丈な靴底に化けてしまったというオチまでつくのだが…この様子ならまだバレてない、か?
内心ちょっぴりヒヤヒヤしながら、何となく困ったような笑顔で相槌を打つ。
「ん、いや…残念ながら"壁の花"ってヤツだ。
元々とあるレディに付き添いを頼まれててね…さっきゴールインを見届けてきたトコ」
ヒラヒラと軽く手を振ってみせ、もう己の"やるべき事"は終わった故…今まさに国外脱出を目指してるだろう二人の事を軽めに話す。
ロマンチックな恋の話を好む女性なら、たぶんこの程度のザックリな感じでも穴埋めの如く脳内補完してくれるだろう…そんな丸投げ感の透けて見える説明だ。
…とりあえず、御一人様という事だけ通じればそれでいい。
言うだけ言って、また一口シャンパンを含んだ。
■ノア > ちらり、 雇い主の御坊っちゃまがどうしているかと遠目に見れば
必死に喰らい付いている といった様子。 最長記録。
相手の女性はといえば… 少々、 退屈そうではあるが
「 とりあえず…… 今のところ、 頑張れてるみたい。
そろそろあたしも用済みかなー 」
報酬なら先払いで貰っているし、 合流する必要もないだろう。
坊やの恋の行方なんかより 今は、 目の前の貴方とのお喋りが優先で
「 だから見た目より軽かったんだー
とにかく、 あの何とも言えない色合いが気に入っちゃって
普段履きだったのに 特別な靴に格上げ♡ 」
お気に入りの服を着た時や 少しイイ店で食事する時なんかに
あの靴を合わせて履いている と、 にっこり話した。
因みに… 超硬質化されてるとは、 まるで気付いていない。
執事風な燕尾服は一般的に 従者をイメージさせるものだけれど、
ギラギラと豪奢に着飾っただけの悪趣味な金持ちなんかより
貴方のルックスは ずば抜けて女達の視線を集めていた。
そんな貴方だから、 舞踏会にパートナーが居ないとは考えにくい。
しかしながら、 返ってきたのは意外な返答で
「 なぁに、 じゃあ似たようなものね。」
どうやら察するに、 貴方も誰かの後押しでもしていた様子。
互いに退屈なものだと、 くすり肩を揺らして
「 ねぇ、 あたし達も踊らない ? 」
折角の舞踏会だ。
相手役に雇われただけとは云え ドレスまで着て、
髪も緩く巻いたりなんかして、 其れなりに着飾ってきたのだから ──
空にしたシャンパングラスを 通り掛かった給仕に手渡し、
突拍子もない提案を、 懐っこく 何処か悪戯な視線と共に。
■紅月/アカツキ > 彼女の視線の先には…確かに、背中からでも頑張ってる感が伝わる男性が見える。
「おー…彼が、噂の」
なんて呟きつつに、背中に向かって心の中でエールを送る。
「っははっ、そりゃあ頑張った甲斐もあるってもんだ!
芯材は残してあるから、腕のいい靴屋に持っていけば修理なり好きに出来るし…安心して連れ回してやって」
相手の言葉に、ぱぁああっ、と…格好良さだとか気取った感だとかを投げ捨てたような、実に嬉しげな笑顔を向ける。
作品を褒められて喜ばない製作者など居ないのだ。
元々毒気のない男だが、今ならもれなく犬耳と尻尾の幻視すら出来そうな程の無邪気さである。
「おう、お揃い…うん?
……ふふっ、じゃあ…私でよければ、是非に」
絶賛待機中らしい彼女と違って、殆ど護衛と仲立ちだけだった己は気楽なものだ。
あちこちから視線が刺さってる気がするが、更に目立つ紅の髪の時よりは全然マシ…それに金持ち狙いも多く居る此所じゃあ自分は二の次だろうと思っているから余裕綽々である。
…だから、素敵な提案を貰えば悪戯な笑みを返し。
丁度空いた手をスルリと拐って礼の姿勢をとりながら…軽く目を伏せ、手の甲に唇を落としてみせようか。
そうして、周囲のざわめきを置き去りにダンスホールへと歩み出す…一輪の花と共に。
…帰宅後に"また名前訊き忘れた"とベッドに突っ伏すのはご愛嬌。
ご案内:「富裕地区 /とある貴族邸」から紅月/アカツキさんが去りました。
ご案内:「」にノアさんが現れました。
ご案内:「」にノアさんが現れました。
ご案内:「」にノアさんが現れました。
ご案内:「富裕地区 /とある貴族邸」にノアさんが現れました。
■ノア > この人は、 なんて素敵な笑顔を見せるのだろう。
マスク越しとは云え、 飾らない無邪気さが伝わってくる。
こうして貴方と並んで話しているだけで、 女達の羨むような…
妬むような視線が、 女に向けられているというのに。
きっと、 本人に自覚は無いのだろう。
其の気取らなさが また、 貴方の魅力なのだと感じた。
貴方の手に掬われた手の甲へ、 唇が そっと触れ。
其の素敵なエスコートに相応しくあろうと 女は姿勢を正し、
貴方と共に、 ダンスフロアへ歩き出す。
貴方の結った白髪や 女の纏うドレスの裾が、 フロアの中心で優雅に靡く。
演奏に合わせ、 呼吸を合わせ、 時折目配せなんかして、 2人は踊った。
見栄や嫉妬、 欲や執念の入り乱れる 舞踏会で 今宵、
女は 会場にいる誰よりも純粋に "舞踏会" を楽しんだ ───
「 ぁ…… 名前、 」
次に逢えたら、 名前を訊こう。
ご案内:「富裕地区 /とある貴族邸」からノアさんが去りました。
ご案内:「何処かのダンジョン」にヒルダさんが現れました。
■ヒルダ > 何処かのダンジョン、内部には陽光が届かず時刻も定かでない。
無数に存在するであろう通路の一本、その宙空に突如光の粒子が収束する。
粒子同士が結合してひと塊となり……一瞬の閃光と共に弾けると、そこに現出する人影が一つ。
それは、帯剣した長身の女だった。
ゴテゴテした装備に身を包んではおらず、いかにもフットワークが軽そうな軽装である。
「──私とした事が、転移トラップなんかに引っ掛かるだなんて。
ああ、もう。頭がクラクラするじゃない」
女は、こめかみを指先で押し揉みながら、眼窩の奥にこびり付いた眩暈を堪える様にかぶりを振る。
ダンジョンに単身踏み入るくらいである、トラップ類に対する心得は十分有しているが……
百回に一回程度は、こうしてケアレスミスを犯してしまう事も有る。
単独で行動する者は仲間のフォローが望めぬのだから、避けられない事故とも言えた。
「愚痴は程ほどにしておきましょう……さて、此処はどの辺りなのかしらね?
見渡す限り辛気臭い風景が続いているけれど」
独りごち、一つ鼻を鳴らして気を取り直すと、女は黙って歩き出した。
この場に留まっていても、事態が悪化しこそすれ好転は決してしないだろう。
であれば、まずは元居た場所に戻る手掛かりを見付ける為に進まねば。
ご案内:「何処かのダンジョン」からヒルダさんが去りました。