2019/02/12 のログ
ご案内:「何処かのダンジョン」からヒルダさんが去りました。
ご案内:「富裕地区 /とある貴族邸」にノアさんが現れました。
■ノア > 富裕地区の とある屋敷にて ───
財と暇とを持て余した貴族達による舞踏会が開かれていた。
主催者の意向により唯一設けられたドレスコードは、
目元を隠す "ヴェネチアンマスク" の着用。
豪奢なシャンデリアが垂れるホールは、マスクを着用した男女で溢れていた。
好き好んで参加している者、
少しでも権力者に顔を売りたくて参加している者、
怪しげな舞踏会に下心を抱き参加している者、
付き合いで仕方なく参加している者 など…
此処に居る理由も、 身分も、 様々。
「 …………… はぁ、 退屈。」
"一人で会場に行くのは恥ずかしい" なんていう理由で、
どこぞの御坊っちゃまに雇われた便利屋なんかも、 紛れていたりする。
■ノア > 雇い主の御坊っちゃまは、 随分と浮かれていらっしゃるご様子。
そして、 好みの女性を見つける度……
『 何と声を掛ければいい 』
『 何か褒めたりした方が喜ぶのか 』
などと、 女にアドバイスを求め。
適当な返事をすると、 御坊っちゃまは出陣するのだけれど…
全く相手にされず撤退、 と 先程から同じ事を何度も繰り返している。
最初は面白がって見ていたけれど、 変わらぬ結果にも飽きてきた。
何か面白い噂話でも聞ければ と、 シャンパングラス片手に ひらり、 ひらり…
ドレスの裾を靡かせながら、 女は人混みに消えた ───
ご案内:「富裕地区 /とある貴族邸」からノアさんが去りました。
ご案内:「何処かのダンジョン」にヒルダさんが現れました。
■ヒルダ > 何処かのダンジョン、内部には陽光が届かず時刻も定かでない。
無数に存在するであろう通路の一本、その宙空に突如光の粒子が収束する。
粒子同士が結合してひと塊となり……一瞬の閃光と共に弾けると、そこに現出する人影が一つ。
それは、帯剣した長身の女だった。
ゴテゴテした装備に身を包んではおらず、いかにもフットワークが軽そうな軽装である。
「──私とした事が、転移トラップなんかに引っ掛かるだなんて。
ああ、もう。頭がクラクラするじゃない」
女は、こめかみを指先で押し揉みながら、眼窩の奥にこびり付いた眩暈を堪える様にかぶりを振る。
ダンジョンに単身踏み入るくらいである、トラップ類に対する心得は十分有しているが……
百回に一回程度は、こうしてケアレスミスを犯してしまう事も有る。
単独で行動する者は仲間のフォローが望めぬのだから、避けられない事故とも言えた。
「愚痴は程ほどにしておきましょう……さて、此処はどの辺りなのかしらね?
見渡す限り辛気臭い風景が続いているけれど」
独りごち、一つ鼻を鳴らして気を取り直すと、女は黙って歩き出した。
この場に留まっていても、事態が悪化しこそすれ好転は決してしないだろう。
であれば、まずは元居た場所に戻る手掛かりを見付ける為に進まねば──