2019/02/11 のログ
ご案内:「リリーの家」にリリーさんが現れました。
ご案内:「リリーの家」にアクラさんが現れました。
リリー > タナール砦で拾ったアクラちゃんを連れて、家に戻った女。
平民地区にしてはオンボロな木造平屋だが、玄関扉の真上に店名を示す看板が掲げてある。

「いい? ここが私達が住む家よ。 たまに似たような家があるけど、
入口にリリーのお店って看板があるでしょ。 他の家は他所の人が住んでるから入っちゃだめよ。」

白髪の童女の手を取り、街まで向かうと、家の特徴を伝えてから中へと入る。
木造の粗末な平屋は入って直ぐに大きな錬金釜が置かれている。

四方にある壁はリリーが錬金術と下手な日曜大工で無理矢理補修した跡が多数あり、貧乏くささがそこはかとなく漂っている。
部屋の照明は昼間は窓の明かりに頼っている。今は夕刻なのでそろそろ灯りを点けないといけない時刻だ。

「あの錬金釜だけは絶対に触っちゃだめよ。
私の仕事道具だし、アクラちゃんのご飯もあれで作るからね。
で、あそこが私たち二人の寝室ね。ベットは一つしかないから二人でくっついて寝ましょ。
…そういえば、アクラちゃんって身体汚れたりしないの? トイレはいかなくても大丈夫?
一応、あそこがお風呂であそこがトイレね。」

家の中に入ると、今度は家にある物を教えて回る。
幸い、狭い家なのであっちこっちを指差してまわるだけで説明は終わるのだが。
ちなみに食料の保管庫は錬金釜のすぐ横にあったが、今は何も入っていない。

「ざっとこんな所ね。
私自身、この家に引っ越してすぐだったからこれから色々と用意する所なの。
なにか聴きたいことある? アクラちゃん。」

アクラ > 「ほー……ここが巣なんだな。」

リリーの名が刻まれた看板を見上げる
店に入ればそこかしこに見た事もない物がありよく分からないと言う感想がしっくりくる
手を引かれながらも様々なものに興味を持っていかれる

「ん、分かった。
身体は汚れるけど川に入ったらスッキリする。トイレって何だ?」

あれやこれやと教えられ片っ端から場所を覚えていく
食料保管庫と聞かされてワクワクしたのに中が空だったときは悲しかった

「聞きたい事……ないぞ。
それに何を聞いたらいいかもよく分かんない」

リリー > 「そうね。アクラちゃんのいう所の巣になるわね。」

早速、突飛な言葉を聴かされ肩の力が抜ける。
気を取り直して家が住むところであることを伝える。

(…こういうのはあまり見たことなさそうね。
最初に釜に触らない様に教えて正解かも。)

アクラちゃんの視線があちこち動く度、女は半ば心配そうに見守っている。
予想外の動きをされて壊されたら大変である。

「トイレってのは食べたら出てくる物を出す場所って言うのかな。
多分、アクラちゃんは川とかそこらでしてたと思うんだけど
これからはちゃんとトイレでしてね。」

これはもう、実際に教えた方が良さそうだと思ったので。
トイレの扉を開け服を着たままどんなことをすればいいかを実演を交えて説明。
ちなみにトイレは洋式タイプで、ちゃんと水が流れる様になっていた。

(…う~~ん、世のお母さんってどうしてるのかしら。)

「じゃあ、分からないことがでてきたらその時に聴いてね。
とりあえず、アクラちゃんはさっきまでいっぱい食べてたからお腹空いてないでしょ?
私も今は入らないし、先にお風呂に入りましょうか。」

服も泥だらけだし、よく見たら髪も顔も汚れている。
女はアクラちゃんに声をかけてから風呂場へと向かう。

今度は入口の脱衣所で服を脱ぎながら風呂の説明だ。

「街の中では川はないし、あっても入っちゃだめだから。
基本的に風呂に入って身体を洗うのよ。 いい?」

服を脱ぎ、脱衣籠へ入れて行く。
全部脱ぎ切ると、いよいよ風呂場へ。

アクラ > 「家……巣も一緒なのに面倒だな。」

人前では家と言う様に言われ分かったと頷く
妙な液体等には近づかないが見た目が奇抜な物には手を触れようとしたりしなかったり
興味は尽きない様である

「食べたら出る……何がだ?」

ふと考える、食べて何かを出すなんて吐き出す以外に思いつかない
後々分かる事だが、アクラは排泄をしないのであるがそれが分かるのはまた後の話

「風呂…分かった。風呂でスッキリするんだな。」

ローブを脱ぎ捨て浴室へ向かう
それしか着ていないので着替えはものの数秒である
説明は聞いたが要は暖かい川らしい
果たしてそれはどんなものなのかと少しワクワクと完全に少女姿のアクラが進む

リリー > 「巣は動物の住む所で、人間の住むところは家って言うわね。

あ~、その辺は触ってもいいけど溶けちゃうのもあるから気を付けてね。
アクラは放っておいたら治るみたいだから大丈夫でしょうけど。」

学習能力は高いようで女は次々に新しいことを教える。
そして、途中錬金術の材料を触れられてしまうが今のところは貴重な品もなかったので
女はさらりと流した。 

(ああして触ってもらえば、材料集めも手伝ってくれるようになるかしら。)

「…あまり口は説明したくないわ。
その様子だと、アクラちゃんは出ないようだし。
とりあえず、私がこの部屋に居る時は入らない様にして頂戴。」

今のやりとりで、この部屋に用事があるのは女だけであることに気が付いた。
顔を真っ赤にすると、すぐさまトイレから離れる。

「物わかりが良いわね。 そういうことよ。」

互いにすっぱだかになってから風呂場へと。
扉を閉めてから、備え付けのマジックアイテムを起動させると
浴槽に温かい湯が満たされる。

「風呂に入る前に先にかかり湯をしてね。
でないとお風呂が汚れちゃうの。」

手桶を手に風呂でのルールを教えてから、かかり湯。
最初は自分に、次はアクラちゃんの身体へと湯をかけて。

ご案内:「リリーの家」からリリーさんが去りました。
ご案内:「リリーの家」からアクラさんが去りました。
ご案内:「何処かのダンジョン」にヒルダさんが現れました。
ヒルダ > ──何処かのダンジョン、内部には陽光が届かず時刻も定かでない。
無数に存在するであろう通路の一本、その宙空に突如光の粒子が収束する。
粒子同士が結合してひと塊となり……一瞬の閃光と共に弾けると、そこに現出する人影が一つ。
それは、帯剣した長身の女だった。
ゴテゴテした装備に身を包んではおらず、いかにもフットワークが軽そうな軽装である。

「──私とした事が、転移トラップなんかに引っ掛かるだなんて。
 ああ、もう。頭がクラクラするじゃない」

女は、こめかみを指先で押し揉みながら、眼窩の奥にこびり付いた眩暈を堪える様にかぶりを振る。
ダンジョンに単身踏み入るくらいである、トラップ類に対する心得は十分有しているが……
百回に一回程度は、こうしてケアレスミスを犯してしまう事も有る。
単独で行動する者は仲間のフォローが望めぬのだから、避けられない事故とも言えた。

「愚痴は程ほどにしておきましょう……さて、此処はどの辺りなのかしらね?
 見渡す限り辛気臭い風景が続いているけれど」

独りごち、一つ鼻を鳴らして気を取り直すと、女は黙って歩き出した。
この場に留まっていても、事態が悪化しこそすれ好転は決してしないだろう。
であれば、まずは元居た場所に戻る手掛かりを見付ける為に進まねば──