2018/12/01 のログ
エリーナ > 店のカウンターに突っ伏したままの店主だったが、腐ってばかりでも仕方ないとばかりに、のそりと上体を起こす。
そして、羊皮紙と羽根ペンを取り出す。

「えーと、まあ、とりあえず今日の成果の整理でもすっかなー……
魔力ポーションが合計で5本分。
抽出した使える要素が『鉄壁』1。『粉砕』1。『射手』2。
…………。あ。そうだそうだ。『逆行』でてたんだ。治癒系最近辺りが少なかったから、これは嬉しい……」

なんのかんの、なにかしていれば楽しそうになるのがこの店主である。
逆行……治癒系要素の、通常で考えうる最上位。
店主としてはこれを必要とする者が誰か楽しみになる。
そのためなら多少値段をまけても…………なんて考えが出る辺り
商売人としてはダメダメである。

そんな感じで、カリカリ書いている店主である。

エリーナ > 「実用品もいいけど、それ以外っていうのも悪くないんだがなあ」

一通り描き終えたのか、カウンターの上に手を置く。
眼鏡のズレをなおす。
両腕を組んで、ぎっし、と椅子を鳴らして凭れる。結構大きめの胸なので乗るのだ。男っぽい口調だけど乗るんだぞ?

「実用じゃないとなれば、なにか、うん、綺麗なものがいいだろうなあ。
となれば、花かな」

ひとりごちる。
次に何を作ろうかな。欲しがる人はいるかな。喜んでくれる人はいるかな?
嬉しくなれるかな。作ったもの、作ってもらったもの。

そうなれれば、一番いい。

エリーナ > 「決めた」

立ち上がる。そういう動きをするたびに眼鏡がちょっとずれる。
視力矯正のためではないから、眼鏡に対する気遣いがない。視界はそう変わらないもの。

そうして、カウンターのすぐ裏にある工房へ歩を進める。
工房の扉を開けていれば、正面玄関からみれば、その一直線の先に
工房で作業をしている店主の姿が見える。そういう構造。
だから、来店者に気づきませんでした、なんてことはない。

「作っちゃおうっかなー。これからの季節に喜ばれるようなやつ」

いたずら坊主の笑顔。思いついたときは、大抵こうだ。

エリーナ > さて、それから何が出来たのか。

その品に相応しいと店主が見初めた人物が知ることとなるだろう。

この店主は基本的に、甘っちょろくて、なまっちょろくて、青臭くて

そんな店主だから作れるものも、ある。

ご案内:「平民区 魔法の工房『ハオマ』」からエリーナさんが去りました。