2018/11/10 のログ
ご案内:「酒場「獅子神亭」」にチェルトトさんが現れました。
チェルトト >  酒場全体を温める大きな暖炉の中で、ぱちぱちと小さな拍子を奏でながら
橙色の火精が踊っている。いつもなら暖を取ろうと集まる入店したばかりの客たちは、
今日はその暖炉の前に近寄れないでいた。

 代わりにその暖炉の前にあるのは、美しい模様をあしらわれた柔らかな丸いラグ。
その上に陣取った小柄な少女――チェルトトは、細い腰に巻いた短い白布から伸びた
褐色の細い脚を胸元に引き寄せ、ラグの形に添うように身を丸めて、幸せそうに
横たわっていた。

 燃える炎の橙を銀の髪に照り返させながら、胸元にクッションを抱いた彼女は
酒場がどんなにうるさくなっても文句ひとつ言わないが、誰かがラグのそばに近づくと
先の尖った耳をピクリと震わせて上半身を起こし、金の瞳でその相手を睨みつけて、
ふぅううう、と、威嚇するように唸る。
その時だけ伺える、同じく幅のない白布に包まれた褐色の胸元は、豊満ではなかったが
可愛らしく丸く育っていた。

ご案内:「酒場「獅子神亭」」にイーシャさんが現れました。
イーシャ > 一仕事を終えた後はやっぱりおいしいものを食べたいもので、こうして腕の立つと噂の店主のいるこの店に訪れたのは数分前。
ミレーの特徴を隠しもせずに入店してみたが、話に聞くようにこの店の店主や常連たちはミレーに対する特定の感情は薄いらしく、これといって視線を向けられることなく席に座り、注文を取ることができた。
まぁ暖炉の前にいる自由な生き物を放置しているあたり、気持ちよく食事が取れそうだ…と思う。

まるで暖炉の前は自分の縄張りであるとばかりに近づく客たちを威嚇し追い払う大きな猫。
まだ暖炉の前で暖まろうと思うほど気温は低くはないためか、客たちもこの猫の反応を楽しんでいる節があるのかもしれない…が、いい加減店主的にはどいて欲しそうなようで、料理が運ばれるついでに何故か獣耳仲間だろうということで説得を頼まれてしまった。

「…子猫ちゃん、そこからどいてくれだってさ」

とりあえず、受け取った料理の乗った皿を片手に暖炉の前に居座る猫の元へ…この青年も猫の特徴をバリバリ持っているけど。
別に気配は消していないから、近づく気配くらい感じ取って威嚇してくるのだろうが、ほのかに漂う香ばしい肉の香りが次第に近づいてくればどうなるだろうか。
しゃがみこんで横たわる大きな猫の様子を眺める青年の手には、出来たての肉料理がうまい匂いを漂わせているのだから。

チェルトト > 「なぁんれすってぇ?」

 また近づいてくる誰かの気配に、同じ様に脅かしてやろうとしていたチェルトトは、
少しだけではなく上半身をがばと起こして言った。暖かい場所でハチミツ酒を何杯も
平らげたせいか、起こした体は少々勢い余って反対側へ少し揺らぎ、金の瞳は酔いに
とろんと濡れている。体を起こした拍子に目の前に迫った猫耳の青年の鼻先に、甘く
発効したハチミツの香りを漂わせながらチェルトトは彼を睨んで続けた。

「ここは今日はあたしの席なの。
 あんた、テーブル席についてる客にどけって言わないでしょ?
 どうしてもって言うんだったら……どく気にさせてみなひゃいよぉ。
 できるもんならねぇ」

 にゃふふふん、と、笑いながら伸ばした手の先にある皿にはスイートチーズ。
そのひとかけらをつかみ上げると、幸せそうに口に運んで笑う。

イーシャ > いまいち呂律の回っていない口調、起こした上半身は不安定にゆらついて、鼻先に漂う匂いは甘いアルコールのそれで、つい眉をひそませる。
いったい何杯飲んだのか、これではただの質の悪い電酔客、店主が対処に困るのもうなずけるものだ。
挑発的な彼女の言い草にはあきれるものの、かといって強引な手段で暴れられても店に迷惑が掛かる。
ちらり、店主の方へ視線を移してみると、お願いとばかりに両手を合わせてなんとかしてのサインを送っている…。

「はぁ、まー普通は言わないけど、店やほかのお客さんの迷惑になってるなら話は別かな~。
あ、それと…どいてくれたら飲み代と宿代おごってあげようか。
君がかわいい子だから特別にね、うん」

ずいぶん酔っぱらっているとみて、あまりに適当な説得を試みてみた。
朝には忘れてしまっているだろうと踏んだのだが、果たして。

チェルトト >  仏頂面を彼に向けたまま、寝転がって上半身を立てていた姿勢から
脚を崩してラグの上に座りなおすと、薄い腰布が乱れて脚の付け根が危うい所まで
露わになった。チェルトトはその足首の上に両手を乗せ、改めて目の前の青年を睨む。
二度三度瞬きして、目の前の青年が店員ではないことにようやく気付くと、一瞬
きょとんとした顔を見せた後、きゅっと眉を寄せて怪訝そうに彼女は口を開いた。

「……あんた誰よ?
 なに? 用心棒とかなの? 見かけない顔だけど……」

 訊ねてから、彼の申し出にゆっくりと首をかしげる。目を閉じ、渋い顔で少しの間
考えるようなそぶりを見せた後、ふらりと立ち上がって暖炉から一番近いテーブルを
指さして、チェルトトは言った。

「じゃ、あそこのテーブルだったら移ってあげてもいいわ。
 あとあんた、ちょっと話聞かせなさい。前からね、気になってることがあるの」

イーシャ > 酔っ払いな有様だった少女の纏う雰囲気がわずかに変わった…ような変わってないような。
姿勢の問題で絶妙な露出度となってしまっているが、酒臭さのおかげで全くの台無しとなっている。
ともかく、横暴な酔っ払いでなくなったことはよいことだ。

「いんや、おせっかいなただの客だよ。
この店は初めてだから、見かけないのも当然かな」

用心棒にしてはみてくれに迫力が無い。
青年は軽い笑みを浮かべてただの客であることを告げ、彼女の反応を眺めている。
ミレーっぽいけどぽくないなぁ、なんて呑気なことを考えつつ。

「ああ、いいよ。
話っていっても初対面だからなぁ…自己紹介と経歴くらいしか…」

テーブル席に移ることを承諾してくれた少女に頷けば、その席に二人して移動していく…店主的にはほっと一息といったところか。
席に着いた青年は持っていた皿をテーブルに置いて、しょうもない冗談を飛ばしつつやっとの食事にありつきフォークとナイフをカチャカチャと動かし始める。