2018/07/22 のログ
ご案内:「王都マグメール コンラート邸」にマリアージュさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール コンラート邸」にブレイドさんが現れました。
マリアージュ >  
お出迎え、と。
待ち合わせの場所にまでと日傘をさしまして早めに出まして。
そして、街のお店の方や、わんこやにゃんことご挨拶をしながらお散歩気分・・・。

――ブレイド様の前に現れた時は、警邏しております兵士さんに道案内されてなのです。

「あっ、迷子のブレイドお兄ちゃんを見つけましたわっ!。
 ありがとうございますの」

と、兵士さんにお礼を言って別れたマリアージュは、
ちょっと遅れてきたのでした。

ブレイド > 確かこの辺でよかったはずと、待ち合わせの場所にたって暫く。
じりじりと熱気がフードごと中身を蒸し焼きにしてくる感覚。
暑い。熱い。
もしかしたら、また迷子にでもなっているのだろうか?
犬猫に気を取られてすっかり忘れてる可能性もある。
などと考えていると、やってきた。
兵士につれられて。

「おう、立ってるだけで迷子になっちまってたところだ」

気の抜けるようなマリアージュの声に手をひらりと上げて。

マリアージュ >  
とてて、と軽やかな足音で。
日傘をくるりと回しますと、どこか涼し気な風が流れ、
長い銀の髪を揺らすのです。

「きっと、随分と火の精霊さんの力が強くなってるからですわ。
 とっても強くなりますと、ゆらゆらって幻が見せることができますって、
 おっしゃってられましたもの」

と、朗らかな笑顔で、日傘の下にと、傘をあげて中に入れようとするのです。
そうすると、明らかに涼しい風が優しく傘の下を流れていくのです。

ブレイド > マリアージュの姿はとても涼やかで
いつもの男装混じりとは違ったドレス姿。
銀糸のような髪も相まって素直に綺麗だ。

「かもな。暑さにやられちまってたかもしれねぇ。
場所は…あってたはずだけどな」

どうあっても迷子になっていたのは自分のようだ。
苦笑しながらも日傘の下へ。
影があるとないとではぜんぜん違う。
涼やかな風を感じることから、この傘自体になにか細工がされている可能性もあるが。

「で、今日は…」

確か彼女の家にいくのだったか?

マリアージュ >  
「暑いときは、日陰でゆっくりお水を飲まれたほうがよろしいですわ?
 大丈夫ですの?
 ――ここであってますわ?」

ちょっと心配そうに下からお顔を覗いてしまうのです。
日傘の下は、暑い日差しも柔らかく見えまして。
汗をすっと抑えてくれるのです。

「わたくしのおうちにご招待ですのっ!
 こっちですわっ!」

ブレイド様の腕に手を回しましてひっつくようにしまして、
こっち、と歩き出そうとしますと。
軒下の日陰で寝そべっていた犬が「ばぅっ」とひと啼き。

「あっ、こっちだそうですのっ!」

引っ張る方向が90度かわるのです。

ブレイド > 「そうだな…汗かいたし、確かにくらくらする…。
水くらい飲んどきゃよかったぜ…」

覗き込むマリアージュの額をそっと撫でて。
うん、あっているあっていないを追求するのはもはや無駄だ。
華麗に流そう。兄貴分らしく。

「そうだったな。って…暑くねーのか?」

ひっつくマリアージュを止めるわけでもないが
自分は炎天下にさらされていたわけで…。
などと心配する暇もなく、急激な方向転換。
忙しない少女だ。

「そうじゃなくて!あー、今のはあれだ挨拶みたいなもんだろ
いくのはあっち…じゃねーのか?」

慌てて元の方向へ彼女を向き直させる。
これでは辿り着く前に本当に倒れてしまいかねない。

マリアージュ >  
頭を撫でられますと、くすぐったそうに、はにかんだ笑顔になります。
さらり、と流れます髪は汗ばむ手にも絡まらずにするっと抜けていくのです。

「急いで、おうちに戻りまして。
 ハーブティーをお出ししますわ。
 ――ううん? 暑いかしら?」

暑くありませんわ、と。
首を軽く横に振るのですけれど、引っ付いていた腕をするすると
指を滑らすように下げていきまして。
手と手をつなぐぐらいにするのです。
日傘の下から外れますと、とたんに強い日差しとぬるい風にさらされるのですけれど。

「え?こっちですの?。
 大きなおうちが沢山ありますところですわ?
 じゃあ、こっちですのっ!」

と、横を見上げながら言いまして、小走り気味な歩み。
といっても、普通の人だとゆっくり歩く程度の速度です。
「あら、帰るのかい?」と、お店の方が声を掛けてきたりするので、
戻る道に間違いがないようです。

ブレイド > こんな暑さの中で汗一つかいてないマリアージュ。
まぁ、倒れる心配もなさそうなので安心ではあるが
かと言って自分が暑さにへばって情けない姿を見せるわけにもいかない。

「ハーブティーか。あんま飲んだことねーな。
暑くねーならいいけどよ。
オレ、汗とかかいてねぇか?」

普通ならば忌避するところであろうが
彼女は人懐っこくくっついてくる。
指が下がっていけば、指を絡めるようにつないでみたり。
傘にはやはり何か不思議な力があるようで、できるだけマリアージュの体が外に出ないように
気を使う必要がある。
自分の肩がジリジリと熱線に炙られても。

「そう、みたいだな。
しっかり頼むぜ?」

また兵士の世話になってはたまらない。
周辺の人達の反応から見るに、方向自体は間違っていなかったようだ。

マリアージュ >  
「すーっとしましたり、ゆっくり寝ましたり。
 美味しいですわよ?
 ――汗いっぱいですわ?」

ブレイド様の手を持ち上げまして、その甲をぺろり、とひと舐めです。
ブレイド様のしょっぱい味なのです。

「大丈夫ですわ。
 わたくし、もうオトナですから・・・。
 あ、ありがとうございますのっ」

えっへんっ、迷子になんてなりませんわ、と自信満々。
自信満々に歩くのですが、時折、お店の方に「こっちじゃないの?」と
教えていただき、偉いねー、と食べ物や花を頂きながら、
どんどんとお店もない、貴族街の中へと脚を進ませていくのです。

「この先で、トラちゃん・・・大きなにゃんこさんが挨拶しましたら、
 その2こ先の通りを右にですわ」

と、笑顔で道案内なのです。

ブレイド > 「へー、いろいろあんだな…。
って、なっ!?
お、オレのは別に美味しくもなんともねーだろ…」

人がまだまだ多い往来でこんなことしてくるとは思わず
思わず赤面してしまう。
大胆なのかなんなのか…恥じらいをしったと思いきや
予想外の行動に驚かされる。

「そうだな…それじゃ、その調子でしっかり頼むぜ?
つか、オレが一緒に歩いてても何も言われねーか?」

声をかけてくれる気のいい住人もいるが
変な噂になっては彼女のためにはならないだろう。
いや、彼女の状況からして、当然のことなのかもしれないが…。

「そうか、にゃんこが……ん?」

まて、ココらへんにはもう店もなく、自分にも土地勘はない。
つまり、間違いを正す人間がいない。
まずいのではないだろうか?

マリアージュ >  
ん~~、っと。
片手に人差し指を桜色の唇に軽く当てまして。

「――美味しいですわよ?
 お兄ちゃんも舐めてみますかしら?」

と、首を軽く傾げさせながら。
手を伸ばしまして、手の甲をブレイド様の口元にとします。

頂いた食べ物は、ブレイド様の方にと渡そうとしながら。
声を掛けてくださる街の方に、気軽に挨拶を返すのです。
無邪気で人懐っこい気質に、仲のよくなっている住人もそれなりにいるようなのです。

「そうですわ、ほらっ!」

路の幅も広くなり、馬車がゆうゆうとすれ違えるような幅。
ゴミもない掃除された整えられた道の壁際を歩きながら。
と、大きな大きな、さぞ力あると思われる貴族邸宅の鉄の柵、
その先にある緑の垣根がガサガサ揺れますと・・・。
黄色と黒と白の縞模様の、とても大きな猛獣の顔がにょっきり。
「がうっ」とひと啼きするのです。

「こんにちはですわ、トラちゃん。
 今日もお元気ですわね?」

と、柵の間に手を入れまして。
顔を出したネコ?の頭をよしよしと撫でるのでした。

ブレイド > 「美味しいのか…?
オレにはオレの味はわかんねーけど…」

差し出された手の甲。
マリアージュの手の甲に舌を這わせ。

「こっちは…美味いかもな」

食べ物やら花やら。片手はいっぱいだ。
貰ったものと、マリアージュの手。
両手が仕えない状況で。

「あー…高級住宅街ってのは知ってるけど
このへんは…それ以上になんか雰囲気が…っつおぉ!?」

なんか出てきた。
なんだこれ。
猛獣?一瞬身構えそうになったが、マリアージュは涼しい顔。
むしろこれがトラちゃん?

「えーと、つまり…この2こ先の通りを右…か?」

マリアージュ >  
ぺろりとされますと。
くすくすっと、ちょっとくすぐったそうな声が小さく。
ちょっと甘いような味です。

「そうでしょう?」

そう言いながら、花を一輪取りますと。
ブレイド様のフードに差し込みますようにしまして、
飾ってみたりもします。

「はい、2こ先を右に曲がりますと、近道になりますの。
 ここをまっすぐ行きまして、突き当りを右に。
 そしてすぐに左に小道がありますわ。
 その先がおうちですの」

と、指さしながら道順を示しますと――かなり怪しいかもしれませんが――
王宮の方角を示しています。
奥に行くほど、古くからの、より立派な邸宅がある地域を示すのです。
 

ブレイド > 戸惑わせるつもりが逆に肯定されてしまって
むしろこっちが恥ずかしい。
なんだか、主導権を取られっぱなしなような。

「汗っつーか…なんか甘かったけど」

あと、いい香りもしたような。
屋敷に着く前からこれでは後が思いやられる。
フードに差し込まれた花も戻すことはできず
花を飾ったまま一緒に歩く。

「近道…ってか、オレがいっても大丈夫なのか?
この辺の区画って…。いや、いくけどよ」

近道に関してはかなり怪しいというか
地理的な話をマリアージュにされると不安しかないというか。
だが、ついていくしかないのが現状。

マリアージュ >  
お花、似合いますわ。
と、にこにこ笑顔で横から見ているのです。

「トラちゃん、またご一緒に遊びましょうね?
 今日はお客様とご一緒ですから」

と、ネコ?にばいばい、として足を進めます。
貧民地区がどれほど入るのか、そんな広い敷地の富裕地区の、その奥のほうまできますと。
徒歩で動くなど考えていない街づくりなのです。

「小さな馬車だとぎりぎり通れるのですけれど。
 大きいのだと、ぐるぅって回らないといけませんのよ」

こっち、と。んしょんしょと足を動かすのです。
迷いがない足取りだから・・・と言っても安心できないのがマリアージュ。
迷子になっている時も迷いはあまりないのです。

「――馬車を出していただいたほうがよかったかしら・・・?」

と、ちょっとひと休憩しましょう、と。
設置されてそれほどたっていないような、真新しいベンチが路の途中に設置されていたりもするのでした。

ブレイド > 笑顔を見ると流石に外すわけにもいかないか。
少しばかり困った顔で。

「……おう、わりぃな、トラ」

結局、あれは何だったのだろう。
猫…?ではないような。どちらかと言えば虎ではないだろうか?
そして歩いていけば、だいぶ長い間歩いていたような…

「むしろ、馬車でいくような場所を歩いてんのかよ…
今日中につくのか?」

迷いがなくともマリアージュの歩みは遅い。
道もあってるかどうかわからないし、少しばかり心配だ。
道の途中にベンチがあるくらいだし…。

「それが良かったかもな。とりあえず、座るか…」

マリアージュを連れ立って、ベンチに座らせ、自分もその隣に腰を掛ける。

マリアージュ >  
大きなネコ?は、一瞬、捕食者の視線でブレイド様を見るのですが。
垣根からがさごそと首を抜いて姿を消すのです。

「お散歩にもなりますから、歩くことも多いですわ?
 ほら、お友達もできますでしょう?」

と、振り返るのは姿を消したネコ?のことを言っているのですけれど。
使用者があまりいない、まだ設置されてそれほどたっていないようなベンチ。
ハンカチを敷きまして腰を降ろしたマリアージュにぴったしの高さ。

「おうちから学院に歩いて行きます時ですとか、お散歩しにお出かけしてましたら、
 いつもここらへんで一休みしてましたら。
 このベンチがいつの間にかできてましたの」

と、そんなことを言いながら、ポシェットを探りまして小さな水稲を取り出しまして。
はい、どうぞ、とブレイド様に差し出します。

ブレイド > 「……オレのことはお気に召さなかったようだけどな」

マリアージュがいなかったら腕の二本や三本は持っていかれてたかもしれない。
確か森育ちで動物に好かれるとは聞いたが…
物怖じせずにあれを猫と言い張れる精神性もまたすごいと思ってしまう。
いろいろな意味で。

そして都合のいいベンチ。
高さはしっかりとマリアージュにあっているようで
まるでしつらえたよう…というか、実際話を聞く限り、そのために設えられたようだ。

「そりゃー…すげぇな…。てか、散歩好きなんだな…」

方向音痴で運動もままならない割に行動力だけは人一倍あるのだから油断できない。
マリアージュから受け取った水を一口。乾きは少し癒えたし…
マリアージュが用意したものだろうから、変な効能もないだろう。たぶん。

マリアージュ >  
「そうですの?
 きっと、撫でてあげませんでしたから、すねてたのですわっ」

と、天真爛漫に言うのですが、明らかにブレイド様を見るネコ?の視線は
捕食者でした。

「森でも、よくお散歩してましたものっ!
 あまり、ここら辺ですとお散歩する方を見かけませんし、
 お外歩くにゃんこさんも少ないですけれど・・・。
 賑やかなところまで降りますと、色々な方とご挨拶もできますものっ」

柑橘系の果汁に塩を少し、そして甘みも少し付けました飲み物。
受取りまして、自分も一口こくりと飲みまして。

「んっ!。あともう少しですわ。
 頑張ってですのっ!」

ベンチで少し休んで歩く気力を充実させますと。
立ち上がり、ブレイド様の手を引っ張るのです。

ブレイド > 「そうだな、腹一杯になったらおとなしくなったかもな」

撫でようとした手は失われるだろうが。
流石にそんな場面をマリアージュに見せる訳にはいかないだろう。

「まぁ、散歩するにはちょっと向かねぇかもな。
あんまり見どころがねぇし…
他の貴族は歩くのも億劫なんだろうよ。
マリアージュはなんつーか…愛されてるみてーだけどさ」

なかなかに美味しい。
柑橘の爽やかさに若干の甘み。塩の味はあまり感じない。
だが、体に染み渡る感覚。感心したように水入れを見て。

「おう、水も美味かったしな
いくとするか」

手を引かれて立ち上がると、再び彼女を日傘の影に。
自分はできるだけ密着しておく。
このほうが、彼女の不満も少ないだろう。

マリアージュ >  
「・・・ブレイドお兄ちゃん、もうお腹が空いてますの?
 それでしたら、急いでお食事をご用意しませんと・・・」

自分のぺったんこなお腹を軽く撫でてみます。
まだ自分はあまりお腹が空いていないご様子なのですけれど。

「そうですの。
 お隣さんがおられますって、初めは嬉しかったのですけれど。
 表の門に行くのも遠いですし、ご挨拶しようとしましても、
 門を守っておられます方とかが中に入れてくださいませんのっ!」

ちょっとぷくっと頬を膨らませます。
下町のようにご近所さんにちょっと挨拶・・・なんてできないのが貴族社会。
本当は、先ぶれを出したり、お茶会の開催をしたりと、面倒な手続きが沢山あるのですけれど。
そんな方法はマリアージュは知らないのです。

「わたくしが作りましたの。
 ジューサンでも、騎士様たちに作って差し上げてますのよ?
 ――こっちですわっ」

密着してもらえますと、嬉しそうに腕にしがみつくようにと手を絡めます。
間違えようのない一本道、右も左も長く続く柵を通り抜けますと。
そこを右に、そして左に曲がると、また小道。
前の小道よりも歴史が古そうな、大きな石畳で整えられ、左右の鉄作に蔦が絡まり。
自然な緑のアーチを作られているような、
奥に行くに従い周囲から切り離されていくような感覚に襲われるような、
静かな小道が先に続いているのです。

ブレイド > 「いや、大丈夫だ。オレはな」

トラの話だとはいえまい。
一人でこのあたりに来る場合は、気をつけなければなるまい。

「この辺はやたらと広いしな。
隣人って気持ちもあまりねーんだろ。
たぶんな。ま、そのへんはくわしかねーけどよ」

社交界?的なものは良くはわからないが…。
面倒な手続きやら舞踏会やらそういうものでなんやかんやするのがこの世界の人間だと思っている。
あと、性的なサロンやらなんやら。

「へー、そりゃすげーな。
美味かったぜ?なんか、今の季節にぴったりって感じで…
っと、そうか。一本道なら迷うこともねーか」

腕を絡める彼女に微笑みかけつつ道を行く。
長い長い道を歩けば…
少しだけ趣が違う。
いや、街のなか…とはまた別の。
それこそ、街道にでも出てしまったかと錯覚しそうなほどに、俗世とは切り離されたような感覚。

マリアージュ >  
ぱっと顔をあげまして、にっこり笑顔。

「わたくしもまだお腹、大丈夫ですわ。
 ご一緒ですわねっ!」

そんなことでも喜んでしまうのです。
貴族の邸宅は、家を守る獰猛な犬や、色々と珍しい動物や、
場合によっては魔物などを飼っているところもあり。
危険がいっぱいなのです。

「お隣さんですから、ご一緒にお食事しましたり、畑を耕したりしても楽しいと思いますわ。
 なんでしませんのかしら・・・」

首を傾げさせてしまいます。
森の庵だと、近く、と言っても山を越える先にあるエルフさんぐらい。
めったに他の方が訪れない場所でしたので、ご近所があるというのは嬉しいのですけれど。

「この先におうちがありますの。
 わたくしも、都に来ましてからお父様のおうちがあるって、
 初めて知ったのですけれど・・・」

自然がアーチ状になった小道を抜けますと、周囲に比べると小さな邸宅。
不思議な色をした柵には蔦が絡まり、門の先には白い石造りの古そうな建物。
小道以外から入る道がないような、周囲から切り離された空間に、
静かな3階建ての邸宅が建っております。

「ブレイドお兄ちゃん、コンラート邸にいらっしゃいましですわ」

腕を離しますと、軽くワンピースのすすを持ち上げるように軽くつまみ。
片脚を引きまして、少し膝を曲げて歓迎の意を伝えるのでした。

ブレイド > こんな些細なことを喜ぶ少女。
撫でてやりたかったが両手がふさがっていたので、微笑むにとどまる。

「そうだな。腹が減ったら…
その時は、マリアージュに任せてみるかな」

そんな危険な動物も物ともしないマリアージュ。
怖いものなんてないのではと疑ってしまうが
ちょっとぽやーっとしたところがあるくらいだろう。
悪意や暴力…そこかしこに転がる恐怖の種に触れさせたくはない。

「この街はあんま安全じゃねぇからな。
貧民地区あたりでも隣に誰かいても挨拶なんてしねーし…
ま、その地域ごとの習慣ってやつじゃねーの?」

マリアージュの心情もわからないでもない。
自分も里に住んでいるときは近所付き合いはあったし。
だが、この街では別。

「へー…いや、むしろこんなとこに家があるなんざ…
ほとんど誰も知らねーと思うけどよ…すげぇな…」

小道を見上げ、邸宅を見て
不思議なところにたっている不思議な館。
それが少女の家だった。

「ああ、邪魔するぜ」

むしろ自分が入っていいものだろうかとすら思えるほどに
清浄で神聖な…不可侵な領域というイメージ。
だが、歓迎してくれる彼女にうなずき、邸宅に向かって歩みだす。

マリアージュ >  
「はいっ!。
 お料理、頑張りますわねっ!」

胸の前で、軽く握った両手を揃えまして。
がんばるポーズなのです。
大きなネコ?も、可愛いと肉球握手をしてしまう。
警戒心も注意力もたくさんあると自分では思っています。

「そうなのですの?
 でも。親切な方も多いですし・・・。
 きちんと挨拶できないとダメですわよね」

こくこくっと頷くのですけれど。
四角く区切られた敷地、そこに45度ずれたように立つ、上から見たら四角く立つ建屋。
その一角が正門になっておりまして、そこがゆっくりと開きます。

「中に、中庭もございますの。
 お母様が好きなお花とか、沢山咲いておりますの」

とてとて、小走りになりながら玄関の扉を開けます。
古風な紋様が彫られ込まれた一枚板の大きな扉が、音もなく静かに開きますと。
中にらうのは赤い絨毯にタペストリー、正面には階段があり、
途中から左右に広がるように上階に続いています。
天井も高く、静かに柔らかい光を放つシャンデリアが下がります。

――けれど、建屋の中はとても静かです。

「こっちに応接室がありますの・・・。
 あっ、お風呂とか食堂もありますけれど。
 少し休憩しますかしら?」

と、振り返り笑顔で尋ねます。

ブレイド > 「おう、期待しているぜ」

ようやく空いた片手。
マリアージュの頭を撫でてやる。
注意力は…自分のようなものを家に招くあたり
だいぶゆるい気もするが。

「ま、おいおいな。
親切なやつにはそうすればいい。
んじゃ、上がらせてもらうぜ」

正門をくぐれば、思った以上に古風な建物で。
それでも荘厳な印象。薄汚れているわけでもなく
古さの中にも清浄さが伺える。開かれた扉から中へ

「おー…すげぇな。綺麗なもんだ。
なんだか、きれーだけどよ…おちつくな」

そこらの貴族の家のように、綺羅びやかなだけではない
なにか落ち着くような。豪華な建物であることにはかわりないが。
静かであることには…言及しない。
家族のことは、おそらくは聞いてはならないことだ。
マリアージュのためにも。

「そうだな、少し休憩するか。
マリアージュも疲れただろ?結構歩いたしさ」

マリアージュ >  
気合の入った?表情も。
頭を撫でられますと、くすぐったそうなはにかんだ笑顔にすぐになってしまいます。
自分から頭を手にちょっと押し付けるような仕草もします。

「こっちから挨拶を差し上げればよろしいのですわ。
 そうしましたら、むこうの方もご挨拶してくださいますの」

壁に絵がかけられていたような跡はありますが、
その絵は、ありません。
塵一つないように綺麗にされたそこ。
天窓のステンドグラスに日が当たり、床にはアイオーンの紋がカラフルに彩られます。

「わたくしが生まれる前までは、ここでお父様とお母様、それにお兄様で
 ここで暮らしていたそうですわ」

落ち着く、と言われまして。
嬉しそうに声がはずみます。
古い建物なのに、窓は各所にあり、そして魔法の明かりが自動的に点きまして。
陰のようなところは見えないのです。

「こっち、こっちのお部屋からですと、中庭が見れますの。
 ――大体のお部屋から中庭、見えますのですけど」

と、手を引っ張ってお部屋をご案内。
入る部屋は、暖炉も備えられ、大きな鏡も備え付けられました。
華美な感じはなく、落ち着く配色の壁や応接のセット。
一面はガラス張りで、中庭にも出れますようになっており。
四角い建屋の中に、丸く庭を造られている作りになっております。

「ちょっと待ってくださいまし。
 すぐにハーブティーとクッキーもってきますのっ!。
 わたくし、大丈夫ですわ」

んっ、と。
身体の横で軽く握った手をあげて見せます。
お客様が嬉しいのか、ちょっとハイになているのかもしてません。

ブレイド > まったく無防備というかなんというか。
だから、地域の人間には好かれているのだろうが…
騙している人間も少なからずいるのも事実だ。
少女が純粋なだけに少しばかりやるせなくなってくる。
撫でる手を離して屋敷を歩けば…

「…」

見慣れない紋のステンドグラス。
だが、なんとなく悪い気はしない。
絵に関しては…おそらく都合の悪いものとして外されたか、他意はないにしても彼女が見る前に外されたか…

「そうか。こんな広い屋敷だと
掃除が大変そうだな。それに…すげぇな…
こんな明るい屋敷初めてだ」

キョロキョロと見回しつつ部屋に案内されていく。
落ち着いた家具と内装で揃えられた応接室…といったところか。
中庭も美しく、彼女の母親が好きだったという花も見れるだろうか

「そっか、じゃあここでまってるからな」

気合を入れて元気よく返事するマリアージュ。
家のことは任せよう。

マリアージュ >  
「綺麗でしょう?
 このおうち、管理してくださった方がおられますの。
 わたくしもできるだけお掃除してますのよ?」

歩きながら、手を振りますと。
離れた位置にありますカーテンが勝手に開いたりします。
街の方に頂いたものを、炊事場にとんしょ、と抱えて運びましたり。
扉も、マリアージュが近づくだけで開いたりするので、
色々な知られないような魔術道具が各所に使われているようなのです。

「他の御屋敷って、あまり見学したことありませんけれど。
 お城って、暗いところも多いですものね・・・。
 ちょっと待っててくださいまし」

お台所にいけば、出かける前に、屋敷内にある井戸水から汲まれた清水を、
暗所に置いて葉っぱを付けてゆっくりと抽出したハーブティー。
それに、焼いておいた、ザラメを絡めました、しょっぱさの少しあるざくざくクッキーをお皿に。
それを台に乗せまして、応接室に戻ってきまして。
机の上にことり、と乗せます。
白磁のカップに薄緑色のすっきりしたハーブティーを入れまして。

「はい、お召し上がりくださいましですわ」

と、にこにこと、ブレイド様の前に置くのでした。

ブレイド > 「ああ、すげえな…
っていうか、普通の屋敷でもこれほどは…」

いたるところに魔導具が仕込まれているのか
まるで小さなダンジョンのようだ。
一人で生活できる理由もそこにあるのか。

「そうだな。ってか、ここより明るいとこなんて見たことねぇぜ。
っと、おう」

まって色と言われれば、少しせわしなく周囲を見てしまう。
落ち着く雰囲気ではあるものの、見たことないものだらけで
ある意味動揺してしまうのも仕方ない。
物珍しさから周囲を見回していれば、マリアージュが戻ってくる。

「おう、おかえり。ありがとな」

笑顔のマリアージュからお茶とお菓子をさしだされ
礼を言いつつ、頭を撫でる。彼女に関しては、撫でることにあまり抵抗がない。

マリアージュ >  
「わたくしも、全部のお部屋はまだ探検しておりませんの。
 森の庵のおうちだと、中庭の半分の半分ぐらいの大きさでしたから、
 大きくてびっくりですわ?」

くすくすっ、と小さく笑いますけれど。
魔道具については普通に受け入れているようなのです。

暖炉の上になにも飾られておらず。
棚の中にはほとんど物も入っていなくて。
幾か所か、何か物が置かれていたらしい場所もありますけれど。
ソファーも、お尻をきっちりと包み支えるような硬さです。

「中庭を見ながらとか、中に東屋もありますから、そこでも休めますけれど。
 はい、靴を脱いでくださいましですわ?」

濡れたタオルを持ちまして。
ブレイド様のすぐ横、床に腰を降ろしながら。
頭を撫でられますとくすぐったそうに、くすくすっと声を出しまして。
こてん、とブレイド様の太ももにほっぺを乗せて見上げるのです。

「ここが、わたくしの都でのおうちですの。
 知らないこといっぱいのおうちですわ」

ブレイド > 「ふぅん…まぁ、こんだけ広いとな。
オレだってすんだことねぇよ、こんなでかい家。
しかも、ここ…ほとんど誰も知らねぇんじゃねぇか?」

静謐とした雰囲気を持つ屋敷の周辺。
管理していたものがいるとは言うが
それが生き物かどうかすら定かではない。
この屋敷に付与された魔法によるものかもしれないのだ。
だとすれば、誰も知らない秘密の屋敷…といった感じか。

ところどころ、何もなく、寂しい感じが拭えないのも
彼女が一人で暮らしているせいで
この屋敷の広さを持て余しているからだろう。

「中庭も結構広いもんなんだな…え?靴?」

言われるがままに靴を脱いで見る。
濡れタオルをもつ彼女…脚でも拭くつもりだろうか?
従いはするものの少しくすぐったい気分。

「そっか。ここに人をよんだりしねーのか?」

彼女の頭を受け止めながら、撫でる。
すこしだけ、なんだか…自分の気のせいかもしれないが…
寂しさを感じたようで、彼女の頬を撫でる。

マリアージュ >  
「そうなのかしら?
 頼みましたら、配達とかしていただけますわよ?」

こてり、と首を傾げさせます。
街の喧騒などから切り離されたような静けさ、
外に面した窓はあまりなく、
内に開かれたような作り。
中庭からはことりのちちちっ、という声が聞こえてきます。

「東屋はいいけど、東屋の下には行ったらだめだそうですわ?
 ・・・足を拭いますと、疲れが取れますのよ?」

と、素足となった足を自分の太ももの上に乗せまして、
丁寧に濡れタオルで優しくぬぐうのです。
もう片方も、と。
足を替えてぬぐいますと、足がすっとした心地よさがあるかもしれません。

「だって、お外でしないといけないこと。
 沢山ありますのですもの・・・。
 お友達もそれほどおりませんし・・・」

と、ちょっと唇を尖らして見せるのです。

ブレイド > 「そういうもんか…
結構人が来るならいいんだけどよ。
こんなところに一人じゃ寂しいだろ」

マリアージュを撫でながら、ハーブティーをいただく。
少女の挿れたお茶なのだから、妙な薬やらは入っていないだろう。
遠慮なくのんでしまう。
おまけにクッキーも一口。
甘じょっぱい食感の強めのクッキー。控えめに言って美味しい。

「ん、うまいな。これ。
あとで一緒にくおうぜ?って、東屋の下…?なんかあんのかね
あー…足とか…えっと、汚くねーか?結構歩いたしよ」

拭われつつも、そこまでしてもらうのは少しだけ悪い気がして。
確かに心地よく疲れもとれるというか、すっとする。
宗教の中には洗足式とか言うのもあるくらいだときくが…。

「ま、そうか…今は隊長…なんだっけ?
友達はまぁ、マリアージュならできるだろ、これからいっぱいな。
オレもこうやって来たわけだし、また呼んでくれりゃ遊びに来るさ」

尖らせた唇にクッキーを差し出して。

マリアージュ >  
「ううん。
 一人でここで寝る時は寂しいですけれど・・・」

と、撫でられながら首を横に振ります。
さらりとした髪がブレイド様の足をくすぐるのです。

「時々、来てくださる方もおりますし・・・。
 お散歩しましたり、学校行きましたり。
 あと、今、ジューサンでお仕事したりしてますもの」

と答えながら。どう?、美味しい?と尋ねるような視線で
見上げるのです。

「よかったですわ・・・わたくしも知りませんの。
 ――綺麗にしましたから大丈夫ですわっ」

と、ブレイド様の脚の甲からすねに掛けまして、手で撫でてみるのです。
差し出されたクッキー、あむっ、と唇で。
でも咥えただけだと落ちそうですので、慌てて両手でクッキーを支えまして。
あむあむあむっ、小動物のように小さくかじっていきまして。
ふわっと幸せそうな表情になります。
時間をかけて食べましましてから。

「――そうですの、マカロン隊のたいちょーさんですわ。
 ブレイド様も隊員さんにしてさしあげますのっ!
 ・・・また、遊びに来てくださいましです」

立ち上がりまして、ブレイド様の横に座りまして。
にこにこ、横からお顔を見上げるのです。

ブレイド > 「そうか、ならいい。
寂しくねーなら、それが一番だ」

優しく微笑みつつ、マリアージュをねぎらうように。
意外といろいろしているマリアージュ。
少しばかりどんくさいし、騙されやすいし、たまにおもちゃにされているようだけど…
本人が楽しく幸せなら、それがいい。

「知らないか。ま、だめってーなら気にならないように東屋にはいかねーでもいいか。
家の中でのんびりってのも悪くねーし…
独り寝が寂しいってなら付き合ってもいいしな。
っと、足、ありがとよ。なんかくすぐってぇな…」

綺麗にされた足。するりとすべすべの手がなであげれば
少しだけむずがるように。
彼女がクッキーを食べる間に、自分ももう一枚。
お茶もずずーっと美味しくいただく。
ハーブティー…本来ならもうちょっと砂糖を入れたいところだが
ザラメのきいたクッキーのおかげで美味しくいただけている。

「マカロン隊…まかろんたい。なんか、どっかで聞いたな。
オレは第五師団の客分だからな…兼業でもいいならってとこだな。
遊びには…ちゃんとくるから。一人できてお前がいないとどうしようもねぇから、呼んでくれよ?」

膝に彼女を載せて、見上げるマリアージュ。
そっと唇にキスしてから微笑み。

マリアージュ >  
目を閉じて、心地よさそうな表情で撫でられまして。
喉をブレイド様の太ももにこすりつけます。

「あとは、お父様とお母様、お兄様が居てくださいましたら・・・。
 立派な騎士様になっているの、お見せできますのに」

いつ、帰ってきますのかしら?
と、そんなことを考えてしまいます。
都での日々は、知らないことだらけで、びっくりすることばかり。
でも、楽しいこともたくさんあります。
・・・森にはヤマネコさんはいても、小さいネコさんはあまりいませんし。

「でも、東屋から見ます庭も綺麗ですのよ?
 いつも過ごしやすいですし、雨が入ってきます時は、
 雨の音が葉にあたって、まるで音楽みたいに聞こえますの」

離れます細い指先ですけれど、くすぐったい、と聞きますと。
むくむく悪戯心。
さぁっとくすぐるように指を滑らせましてから、
いたずらした手を身体の後ろに隠しまして。

「どういたしましてですわ♪」

クッキーも上手に焼けております。
まだ熱があるうちにザラメをかけて、甘さを加えまして。
甘めを抑えた、しっとりよりザクっとした食感にした生地。
でも、マリアージュが食べるには5口ぐらいかけているのです。

「ご存じですの・・・?
 第五師団・・・ダイゴ・・・えと、 フォーコ様のところですかしら・・・?」

唇を人差し指で抑えながら、天井を見て考えまして。
もしかしたら、と首を傾げさせて尋ねます。
軽い身体が持ち上げられまして、ブレイド様の膝の上。
ちゅっ、とされまして。
目を大きくしますと、目を細めて微笑みまして。
ちゅっ、と。
唇の端にお返しの、啄むような触れるだけのキスをお返しなのです。

「はい、是非、遊びに来てくださいましですわ・・・。
 おうちも探検しませんと!。
 わたくしもぼーけんしゃさんですから!」

くすくすっ、と。
お転婆そうに口元を隠しながら笑うのです。

ブレイド > 「じゃあ、にーちゃんが見ててやるよ。
帰ってくるまでな」

マリアージュの両親と兄。
生きているかどうかもわからない。
何を聞かされているのかはわからないが、等のマリアージュがこんな立場なのだ。
あまり、楽観視できない状況なのはわかっている。
だが、それを言うわけにも行かない。だから、自分で良ければと、彼女を撫で続けることしかできず。

「そうだなー、オススメってなら見に行くのもいいかもな。
気になっちまうけど…ダメッつーなら、我慢するさ。
マリアージュが言うように、雨の日にいくのもいいかもしれねーけど…
くっふ…おま‥…いたずらするなよ」

手を隠したところで、ここにいるのは二人。
自分とマリアージュだけなのだからごまかせるわけもない。
だが、ワシャワシャと頭を撫で回すにとどめて。

「あー、食堂かどっかで聞いたような。
ん、そうだな。フォーコのとこで…まぁ客分だけどよ」

キスを返されるとちょっと照れくさげ。
自分がやるのはいいが、返されると照れてしまう。
彼女を膝の上に載せたまま抱っこして。

「ああ、そうだな…なんなら、今日一緒に探検してもいいかもな。
冒険者なんだから、一緒に冒険するってのもいいもんだ」

つられたように微笑んで。

マリアージュ >  
「――帰ってくるまで、ですの?
 そのあとはもう見てくださいませんの?」

ぺしぺし。
ブレイド様の太ももを叩きまして抗議です。
唇を尖らせます。
なでなでされても、騙されないのです。
だまされ、うにゃ、が、がまんですわ・・・ふにゃぁ・・・
くすぐったそうなはにかんだ笑顔になってしまいます。

「それでしたら、お兄ちゃんにみせないのですわ・・・。
 ――あぅ、髪がぐしゃぐしゃになりますのぉ・・・」

ひーん、と。
頭を庇うように、ブレイド様の撫でるお手ての上に両手を重ねます。
さらりとした柔らかな銀の髪は、そんなぐらいでぐちゃぐちゃになることはないのですけれど。

「それでしたら・・・フォーコ様に頼んでみましたらいいのですかしら?
 ――あっ!。フォーコ様もマカロン隊に入って頂いたらいいのですわねっ!」

いいことを思いついた、と両手の平を胸の前で合わせるのです。

「うふふふふ・・・わたくし、ぼーけんしゃさんでも、
 立派になってみせますわっ」

だっこされて、肩口に頭をもたせかけながら。
きりっ、としているつもりのお顔で見上げるのです。

ブレイド > 「その後も見ててやるよ。
見ててやるから叩くなって…」

苦笑しつつ、尖らせて唇をプニッとつまんで。
寂しがりの甘えたがり。
大人ぶるけどそれがまったく隠せてないわけで。
彼女がすべてを知って、それでも望むならその後も『お兄ちゃん』でい続けるのも悪くない。

「悪かったって。ずっとにーちゃんでいてやるよ。
だから拗ねんなって。髪もほら…ちゃんと梳かしてやるから」

少し荒く撫でた髪を、なでつけるようにさらりさらりと。
その必要はないのだが、彼女をなだめるためには必要だろう。

「かもなぁ。オレには中の事情はよくわかんねーし、口出しもできねーからな…。
って、フォーコが?……それはちょっと、面白いな」

あのバリバリの前線戦士のフォーコがマカロン隊。
すこしどころか、思いっきり噴き出してしまいそうになった。

「オレもまだ駆け出しだしなー。追い抜かれねーようにしねぇとな。
さて、どうする?家の冒険してみるか?」

このままだと応接室でゆったりして…
いつの間にか昼寝でもしてしましそうだ。
もたれた彼女を抱っこしたままゆらゆらと。

マリアージュ >  
結構真面目に、ぺしぺしっ。
自分の掌が痛くなるぐらいの・・・他から見たら、ぺったぺったふらいの叩き方です。
尖らした唇が捕まってしまいます。
むにゃー、むにゃー、唇が尖ったままになってしまいます。
ちょっと涙目になりながら、頑張って唇を逃げようとするのです。

「きちんと、わたくしがオトナな騎士様になりますの。
 見ていてくださいましですわ」

と、さらりとした髪が撫でつけられまして。
怒っているのですわ、と態度で見せているつもりですけれど。
目尻がうっすら桜色で、嬉しそうに目じりが下がってるのです。

「フォーコ様は食いしん坊さんですから、
 美味しい人参とかお野菜を使いました・・・今の季節なら、
 冷たくしましたビシソワーズとかで隊員になっていただきますのっ」

食べ物で釣ろうという計画。
これならどうですかしら、と。
目を輝かせて提案なのです。

「それでしたら、わたくし、あれからお城の中を探検とかしましたから。
 もしかしたら、お兄ちゃんを追い抜かしてますかしら・・・!?。
 ――ん~・・・でも、お昼寝しませんと、いけませんでしょう?」

おやつの後はお昼寝の時間。
大きくなるためには大事なのです。
ゆらゆら、とされますと。
ちょっと心地よくなってきてしまうのです。

ブレイド > 「見てるって、安心しろって。
手、いてぇだろ。ったく…唇も離してやるから。
無理やりだと痛いだろっての…」

駄々っ子みたいなマリアージュ。
それほど信頼されてると思えば、嬉しくもあるが。
唇から手を離して、彼女の言葉にうなずきながら
もう一度キスして。

「びしそわーず。オレも欲しいな、それ…。
まぁ、フォーコから良い返事がもらえりゃ、オレも入ってやってもいいよ。
一人にしとくのも心配だし、立派な大人の騎士になるなら、同じ部隊にいたほうがよく見れるってもんだ」

食べ物でツラれるようなタマかよ…とは思うものの
わりと洒落のわかる人物でもある。
意外といけるかもしれない。

「そうかもな。城の中はオレもあんまうろついてないからな。
追い抜かれちまったかもしれねぇな、ははは…
っと、お昼寝?お昼寝か…お昼寝…」

一緒に寝るのだろうか?
まぁ、このままであれば理性も保てるが…。

マリアージュ >  
ほっそりした指先がちょっと赤くなっています。
騎士、と言っているのに剣蛸とか一切ない、革の薄い手。
唇を離されて、ぷはっ、とちょっと呼吸したところを、
キスされて、息を止めてしまうのです。

「うさぎさんのお野菜、美味しいですから。
 そのままスープにしましても、とても美味しいですから・・・。
 フォーコ様をダラクさせ・・・違いましたわ・・・説得。
 そう、説得する作戦ですわねっ!」

これなら、120%大丈夫ですわ!
と、なぜか自信満々な感じをみせるのです。
ソラマメのビシソワーズも美味しいのです。

「色々探検しましたのよ?
 秘密の・・・あっ、これはフォーコ様との秘密ですの」

両手で口元を隠しまして、こくんっ、秘密は喋ったらだめなのです。
そのまま、ゆらゆらっとされてますと。
一瞬、うつらっとしまして。
はっ!?
慌てて目を開きます。
寝てませんわ、まだお昼寝してませんわ?
と、目で訴えてみるのです。

ブレイド > 「そんなに美味いならオレも堕落させられたいもんだな。
また今度ごちそうしてくれよ。
クッキーも良かったけどさ」

キスを終えれば笑顔で撫でる。
撫でてばかりだが、この軽い感じのスキンシップが心地良い。
料理のうまさだけは保証できるマリアージュの腕前。
自分ももっと味わってみたくある。

「秘密かよ。気になるな。
まぁいいけどよ。秘密の探検ってことは
きっとすげーもんでも見たんだろ」

ケラケラ笑っていると、マリアージュの首がカクンと落ちそうになっていて。
なるほど、お昼寝の時間というか…普通に眠くなる時間のようだ。
彼女にとっては日課だろうし。
そっと彼女を抱き上げて…

「んじゃー昼寝でもするか。寝室、どこだ?」

自分はどこで寝ればいいのかはわからないが、とりあえず彼女は寝室に運ぶべきだろう。

マリアージュ >  
「だ、ダラクなんてさせませんわ。
 説得ですの。説得して、部下になって頂きますの」

なんか悪いことするみたいだとダメですわ、と。
クッキーを手に取りますと、ブレイド様のお口に。
口封じというのです。
美味しいですし、食べている間は喋れなくなるという技です。

「綺麗だけれど、少し弱っているような感じでしたの・・・。
 あっ、でも。
 これ以上は秘密なのですわ」

少し喋りましてから。慌ててまた口元を隠すのです。
かくんと首が落ちまして、抱き上げられますと。
抱き上げられ慣れていますので、こてりとブレイド様の肩に頭をもたせ掛けたまま。
目元をちょっとごしごしとしまして。

「・・・まだ・・・わたくし、眠くありませんわ・・・。
 二階の、奥のお部屋ですの・・・」

と、眠くなってきているのか、ことさらのんびりした口調で。
あっち、と。
階段のあります方向を指さします。

ブレイド > 「へいへい…んぐ」

口封じは成功。
クッキーをカリカリモシャモシャしている間に話題を変える
なかなかの高等技術。
ごっくんと飲み込めば、ようやく口がきける。

「ん?そっか…まぁ、深くは聞かねぇよ。
秘密をばらしたってなったら、マリアージュが叱られちまうからな」

抱っこしたまま立ち上がり、彼女の誘導に従う。
何でも、彼女が行ったことのない部屋もあるとのことなので
間違えないようにしなければならない。

「二階の奥、な。おきれてる間は案内頼むぜ?」

階段を上りつつ、体を揺らさないように。
慎重にマリアージュを運んで。

マリアージュ >  
「そうですわ。
 秘密は聞いてはいけませんの。
 フォーコ様とのお約束ですものっ」

こくんこくんっ、口を隠して頷いてみせるのです。
運ばれていますと、ふわっ、と小さなあくび。
暖かい息が首筋にかかるかもしれません。

「うん・・・右、3つめのお部屋・・・」

外に面する窓は深く、小さく、まるで砦の矢窓のようで。
外壁は随分と分厚いことが判るかもしれません。
でも、潤沢に照らされる明かりは足元をしっかりと照らしておりまして。
持ち上げられながら歩かれていると心地よく、こくり、こくりとし始めます。

マリアージュの身体が近づきますと、鍵が外れる音を出す扉があり、
勝手に扉を開かれます。
開けば、中庭は見やすいように大きなガラス窓とテラスのある、
レース地の布が多くある、可愛らしいお部屋。
そして、天蓋付きの広いベッドがあるのです。

ブレイド > 「おう、わかったわかった。
安心してゆっくり休んどけって」

すでにもう眠そうだ。
誘導したら簡単に話してしまいそうな危うさがある。
しないが。
鍵が外れる音がすればなるほどと頷く。
まるで家自体が意思を持っているかのようで。

「案内、ありがとな」

マリアージュと屋敷そのものに礼を言いつつ、彼女をベッドまで運ぶ。
ベッドの上掛け…は勝手にめくれたりはしないか。
もはや微睡んでいる彼女をゆっくりとベッドへと下ろし
ふわりと布団をかける。

「さって、どうしたもんか…」

おそらくは、マリアージュがいなければろくに屋敷を回ることもできないだろう。
部屋に椅子があればそこに腰を掛けて…少しばかり悩む。

マリアージュ >  
ブレイド様の首元に頬をこすりつける、ネコのような仕草。
目ももうあまり開いておらず、時折、まだ眠ってません、
と伝えるようにびくっ、とするのです。

「くすくすっ・・・すっごい秘密なのですの・・・」

寝ぼけるようなのんびりした声です。
部屋に入りますと、自動的に扉が締り。
がちゃり。
部屋の鍵かかかる音が小さくするのです。

幾つかのぬいぐるみがベッドに並んでおりまして。
大き目のぬいぐるみが3体、部屋いある椅子に座っています。
空いている4つ目の椅子でかこむように、ちいさなテーブルが1つ。

ふかっと、身体を沈み込ませるような柔らかいベッド。
そこに寝かせられますと。
すぅ、と寝息を立ってますが・・・。

――んみゃ

もぞもぞとさせまして、首の後ろのリボンを引いて緩めますと。
裾をたくし上げまして、ストッキングをガーターから外します。
締め付ける部分が寝苦しくて、眠りながら外して、胸をぺろりと見せながら。
軽く丸まるように眠りだすのです。

ブレイド > 「バラしちゃダメだからな?すっごい秘密なら。
フォーコに怒られたくねーだろ?あの人怖そうだしな」

部屋に入れば鍵がかかってしまう。
なるほど。探索どころではなかったということか。
まぁ、それこそ迷子のお兄ちゃんになっても困るのでいいのだが…。

そしてぬいぐるみがたくさんあるこの部屋の…
少し目につく椅子に座るぬいぐるみ。
三体、そして空いた椅子、テーブルを囲むそれ。
彼女の家族を表しているのだろうか?大きなぬいぐるみの一つの頭に手をおいて

「わりぃな、娘さんと妹さんにひでーことしちまって」

そう謝罪しつつも、マリアージュの方に視線を…
それと同時に苦々しい表情。
なんてかっこだ。

「それは…無防備がすぎるっての…」

少し頭を抱えるように、彼女のベッドに座って
彼女を拘束している箇所を探して緩めて楽にしてやる。
背後のぬいぐるみの視線が痛く感じるのは気のせいか。

マリアージュ >  
「・・・すっごい秘密、ですのかしら・・・?
 あのね、秘密のお部屋、見つけましたの・・・。
 フォーコ様・・・他の方に話したら、だめって・・・」

うっとうっと。
寝言のような声で、そんなことを零すのです。

入るのにも、出るのにも、守るためにとされているお部屋。
この部屋には、確かに、人が生きている空気が流れています。
窓が閉じられているのに、暑くもなく、寒くもない部屋の温度。
広い窓から入る光はとても柔らかいのです。

ホルターネックのワンピースを脱ぎ、脚を締め付けるストッキングを外しますと。
ほっとした寝顔。
んみゅぅ~、と手が周囲を探すように動きまして。
ブレイド様の手を捕まえますと。
両手で胸に抱えるようにして、すぅ、っと安らかな安心したような寝息を零します。

・・・ほとんどパンツ一枚の恰好になってますけど。

ブレイド > 「………」

安らかな寝顔とは裏腹に、こちらは赤く染まった
少しばかり渋い顔。
手は捕まってマリアージュの胸元。
何となく家族を感じるぬいぐるみを見つけてしまったために罪悪感というかなんというか。
それでも身体は反応してしまうのでまったくもって始末に悪い。

「添い寝…そいねするだけなら…」

というか、この状況では添い寝するほかないのだ。
マントを脱ぎ、装備を外し、自分の服の締め付けも緩める。
彼女の横にころりと寝そべるが…
下着一枚では…

「あー…うぐー…」

劣情と理性は見事にぶつかり合ってしまう。
パンツ…締め付けをなくすのならば、これも邪魔では…
そっと脱がしておこう。

マリアージュ >  
安らかで、ゆっくりとした吐息。
目を瞑り、長い睫毛を少し揺らします。
危険なものなど、なにもないと汚れを知らないような横顔を見せまして。
ぎゅっと胸に抱いたものからは人のぬくもり。

広いベッドは、二人が寝てもゆうゆうとできるほどです。
ブレイド様が脱ぐ間で、手が離れそうになるたびに、
ぎゅっと抱きしめようと抗う細い力。
横に寝そべりますと、ふかっと身体を包み込むような柔らかさに、
太陽の光をたくさん浴びたシーツの匂い。

むにゃむにゃと、そのまま腕に抱き着くようになってきていますけれど。
パンツも、横ひもをほどかれると。
はらり、と簡単にほどけまして。

裸になっても、寒くも暑くもない温度で整えられた部屋。
抱き枕、というようにブレイド様にしがみつくようにするのです。

「・・・ブレ・・・ド・・・好き・・・」

むにゃむにゃ、口元が動きながら。
少し目尻を染めた嬉しそうな寝顔と寝言を少し。

ブレイド > 「むう…」

しっかりと捕まってしまった手。
離れたくないと言うように抗う動きにどきりとしてしまう。
楽な格好になればその隣に。
体を寄せて、下着も脱がせて…
掛け布団の上に寝かせてしまったのは失策だったか。

ともあれ抱きまくらにされながら、彼女を優しく撫でるも束の間。
その寝言は、よくない。
その好きが、どの方向に向けられたものであれ
よろしくない寝言だ。

「ばかやろぉ…」

人の耳があったらそこまで真っ赤だっただろう。
頭がとろとろになってしまいそうだ。

「マリアージュ…好きだぞ…」

小声で耳元に囁いてみる。
お返しに。イタズラで、この鼓動が少しでもおさまるならば、安いものだ。

マリアージュ >  
ふにゃぁん
ほっぺを二の腕にこすりつけるようにします。
甘える猫のような仕草。
小さな寝言を言いながら、お口を動かすのです。
耳元で囁かれた言葉に、ほわぁと幸せそうなお顔をしまして。

「うん・・・ウォールナッツブレッド、好き・・・
 ・・・おいしいですわねぇ・・・」

と、同好の士を見つけたような寝言で。
あむり、ブレイド様の肩口をはむっと甘噛みするのでした。