2018/07/06 のログ
ご案内:「魔族の国/上位居住区」にシュティレさんが現れました。
■シュティレ > 魔族の国は見ていて興味深く、面白く思います。主に、街などは特に面白く思えます。
例えば、廃屋としか見えない家が立ち並んでいてこれが街だと聞かされたこともあります、なにかの襲撃にあったのかと思わず聞いてしまいましたが、それが普通の状態だということも聞いて、その時はとても驚きました。
人間の街のような、そんな場所もありました。ぱっと見て分からないのですが人々は全員魔族なので、ああ、魔族の街なのですね、と納得できました。
そして、今私がいるような……上位者たちの住まう場所は、それはもう……御方々が住まうにふさわしい作り、立ち並び一つの芸術と呼んでいいのでしょう。
素晴らしい場所なのは間違いがなく、だからこそ、堕落した血族がそこに居ることが許せません。
ここにいるならば、いるに値する存在でいることを求められるというのに、そこをどう間違えばそうなるのか、と。
私は、今宵も誅伐を行い……その帰りがけに、町並みに心を洗われながら歩いている最中でした。
■シュティレ > 「さて、どう致しましょうか。」
今のところお仕事は終わったので厳密に言えばやることはありません、夜の種族ですし時間はこれから、まだまだたくさんあります。
考えてみれば、買い物も、食事も、する必要は感じられません、誰かと雑談と思っても……友人と呼称するには恐れ多いお方くらいしか知己がおりません。
お役目に邁進しているのでいつものことでありますから……そうですね。
ふわり、と軽く飛び上がります。空を飛ぶことのできる存在が魔族には多いので、高い屋根のおうちは存外あります。
なので、適当な高さの家の屋根に上り、私は月を見ることにします。
空に浮かぶそれらを見るのは、私の楽しみのうちひとつでもあります。
■シュティレ > 夏といえども、夜は涼しく、さらに言えば高いところにいるので涼しくもあります。
時折風が頬をなでて、髪の毛をさらっていくのは、くすぐったくもありますが心地よくもあります。
こういう時に、軽く雑談をする程度の友人ぐらい欲しくなります……しかし、この性格が災いして友達はいません。
不満として覚えたことはありませんがやはり、寂しく思うときはあります。
「詮無きことですね。」
後悔しても、この性格はこの性格であり、直ぐに直せるものだったら直していましょう。
無理だから今の自分が有るのです。諦めましょうと自分に言われている気もします。
とりあえず、もう少しだけ夜空を見てから帰りましょうと、決めました。
ご案内:「魔族の国/上位居住区」に紅月さんが現れました。
■紅月 > ーーーと、とん、しゃら…
魔族の国の食に興味が湧き、物見遊山と気軽に魔界に来た今日この頃…
魔族式の料理本や、人界では見掛けない調味料や茶葉などをひととおり…といっても土産を含めて中々大量になってしまったのだが、それらを亜空間に収納して。
手ぶらでフラフラとお散歩中、なんとなく魔界の月が見たくなった。
適当に良さげな建物に跳べば、先客の後ろ姿が。
黒いドレスは夜に溶け、プラチナの髪が美しく揺らぐ姿は…まるで。
「……、…水面にうつる、月みたいだ」
声に出たのも気付かずに、月と乙女を瞳にうつす。
…風が吹いて、宝石質の輝きを持つ紅の髪をふわりと踊らせた。
■シュティレ > 夜空を見ていました。周囲は静寂の中に有り、夜型が多い魔族でもこの静寂を愛しているかのように、ただただ、自然の音だけに包まれた空間となっておりました。
それをかき消したのは、誰かの発する声。月みたいと評される物体が顕れたのだろうか。私は視線を夜空の月から落として、右に左に視線を向けます……特に、見当たるようなものはございません。
「どこに、月のようなものが見えますか?」
後ろに現れた気配、さほど遠くもなく、声も聞こえる範囲ですので、私は問いかけてみました。
そんな綺麗なものがあるのであれば、見てみたい、と思っていたから、です。
それから、ゆっくりと振り向きましょう、私の朱の双眸は、しっかりと紅の髪を持つその方を―――人でも、血族でもないその人を捉えます。
「こんばんは、紅の髪の方。」
私は、ぺこ、と座ったまま頭を軽く下げて挨拶をしましょう。
■紅月 > 急にキョロキョロと周辺を見回し始めたお月様…『どこに』と、問われて初めて言葉が零れたと気付く。
おっと…とでも言いそうな様で、思わず両手で唇を隠す。
あらやだ恥ずかしい、とばかりに薄桃に頬を染めて…モゴモゴとして居れば。
振り向く女性の、ピジョンブラッドの瞳に己がうつり込む。
「ん、あぁ…今晩は~、美しい夜だね。
…お隣、いい?」
一拍…ぼんやりしてしまった。
私も、ぺこり…立っているので深々と、極東の習慣のままに頭を下げる。
頭をあげれば、まだ頬は血色の良いまま…のほほんとした笑顔で問う。
問いつつに、彼女へと歩み始める。
「いやぁ、お恥ずかしい…その、お嬢さんの髪が月光に照らされて、あんまりにも綺麗だったから。
…つい、声に出ちゃったみたい」
■シュティレ > 私が見た方は、紅い髪を持つ方で、なにか驚いている模様……ああ、私も人間ではありませんし、聴力とかが人と比べて良い模様。もしかして、独り言を聞いてしまったのでしょうか、それだとしたら悪いことをしました。
「はい、こんばんは、とても良い夜ですね。
もうすぐ私は行きますが、それでよろしければ。」
ぼうっとしていた時間はそれなりに長く、そろそろ戻らねばならない時間でもあります。
かのお方にそれを伝え乍も、となりに腰を下ろすこと自体に否はありませんのでお話します。
「ありがとうございます、月のようにと言われると嬉しく思えますわ。」
月のような、というのは私の髪が照らされた結果だそうです。美しく見えるものがなくて残念ですが、美しいと言われて嫌な気分になる女性がいるでしょうか。
ごくごくごく、稀なケースでありましょう、私は美しいと言われたら嬉しく思いますので微笑んでお礼を言います。
「紅い髪のお方はなぜこのような夜に。最近は人間が襲いかかってきて物騒ですよ?」
最近、人間の軍隊がかのお方の城まで行ったとのこと。かのお方は見事に撃退したとのことですが、危険であることには変わりなく、なぜ、を疑問にしてみました。
■紅月 > 「あぁ…構わんよ、お気に為さらず。
いやぁ、月見をしようと登ってきたら、綺麗なお月さんが増えてるんだもん…ビックリしちゃった」
微笑んだ彼女の姿に、更に冗談めかして笑いつつ続けながら…隣に、腰を下ろす。
いやはや、本当に…お人形さんみたいに見事な造形だなぁ。
「うん、私?
料理への好奇心と…後は、魔界は夜の方がイイ気がしたから」
何とも感覚的な返答になってしまった。
しかし、事実なんだから仕方ない…と、クスクス笑う。
にしても…そうさなぁ、そりゃあ魔族から見ても人間おっかないよなぁ。
人間同士でも『生きた人間が一番怖い』なんて意見が出るくらいだし。
何か戦争らしい戦争になってきたし。
「…ま、いざとなったら晩御飯になってもらうしなぁ。
あ、私はコウゲツ…東の果ての地にては紅の月と書きまする。
…鬼神と精霊の混ぜ物だから、本当はあんましこのエリアに来るの推奨されないかもなんだけどね」
魔族にとって、純血というのはそれなりに重要なキーワードになってくる。
純血の方が強者である確率が高いから、である。
いと尊き、と、純血の長を崇める種族は多いのだ。
…尤も、私ほどレアな組み合わせの混ぜ物となれば扱いは微妙な所だが。
相手が高位の方とかだったら困るし、一応先に名乗っておこうかしら。
■シュティレ > 「月は増えるものではありませんわ、私は、私ですもの。」
月のように美しいと言われて嬉しいですが、それは例えるべき美しいものがあり、自分月ではないということを認識を強くさせるようでありました。
となりに腰を下ろす相手に、気にしていませんわと少し、場所を開けて座りやすくしてあげました。
「お料理……ですか、ヒトの文化ですね。夜は、世界に等しく降りてきますから、どこが良いというのはありません。私はそう思っております。
ヒトは怖いものを知らないのですわ、だからこそ、立ち向かって、上位種を偶然にも倒してしまう。」
彼らは、コワイコトを経験して辞めるのではなくてそれを何度も繰り返して、コワいことを怖くなくする……成長というのでしょう、それを何よりも強く求める種族ですわねと感想をこぼして、ため息。
「睨まれないようにするといいですわ。紅月様、私は、シュティレ・ズィゲルトーア。
血族の一員です。
さて、そろそろお時間ですので、私はこれで。」
魔族は基本同種しか子をなさない、そして、魔力の量などさまざまな要因に、血の濃さが重要になるはずです。私たち血族はどちらかというと、才覚のほうが重要になりますが。
血を薄くするのは、基本的に弱体化するものと思っていいはずです。
同族で、血族であれば叱咤の一つでもしましょう、異国の地、異邦人にそれを当てはめても仕方がありません。
鬼神というものは聞いたこともありませんし、興味はありますが予定を既に過ぎております。
なので、立ち上がり、ひとつ礼を行い、私は蝙蝠と貸し、夜空に溶けていきました。
ご案内:「魔族の国/上位居住区」からシュティレさんが去りました。
■紅月 > 「ふふっ、まぁねぇ。
でも、そう見えちゃうくらい綺麗だったんだもん」
クスクス、と、やはり何処か子供じみた答えをのほほんと言おうか。
「そうだねー、夜は全てを美しくみせる。
黒が女性を美しく見せるように」
はたして『美しく見せる』のか、それとも『美しく魅せる』のかは…私は後者かなぁ、なんてまた笑ってみて。
「……、…怖いのを知らないのは一部であって、その他は巻き込まれてるだけ。
何処の世界も、どんな種族も、その辺りは同じだと思うんだけどなぁ…」
美しき夜の貴婦人の、その後ろ姿に…背中ごしに語りかける。
この言葉が、最後まで届いたかは…夜の静寂と月のみが知る事なのだろう。
ご案内:「魔族の国/上位居住区」から紅月さんが去りました。