2018/06/27 のログ
ご案内:「ステッパーズ遺跡」に紅月さんが現れました。
紅月 > 「さて、やって参りました第三回…くらいだった気がするステッパーズ遺跡~♪」

遺跡の前に着物姿の女…今日は刀を背負っている代わりに防具が随分心許ないような。
その場に他の冒険者がいたら説教でも喰らわされそうな遺跡を舐めくさった格好である。

緩い、相変わらず緩い。

今日もこんな緩さでのんびりと宝探しを進めていこう。
さて、なにがあるやら。
[1d20→17=17]
紅月 > [1d20→17=17]
[あなたが室内に入った瞬間ガスが吹き付けられる。それを吸引してしまえばあなたの年齢は変化し体格も変わってしまう。
ガスの効果は3時間程度続くようだ。]


「けほっ、ごほっ…煙い……っあれ、声が高い?
…鏡は、と…おぉ、若返ってら。
ん、んーっ? 見た目15くらい、かな?これは」

鏡を覗きながら頬をぺちぺち叩いてみる。
少女だ少女、懐かしい。
もう何百年くらい前だったろう、この姿は。

「…ちょっと着物が緩んでら、まぁいっか」
[1d20→19=19]
ご案内:「ステッパーズ遺跡」に紅月さんが現れました。
ご案内:「ステッパーズ遺跡」に紅月さんが現れました。
紅月 > [1d20→19=19]
[長い通路の先、石像に睨まれた台座の上に宝石が一つ乗っかっている。あなたは宝石をとってもいいし、無視して先に進んでもいい。
ただし宝石を台座から取り上げると石像がガーゴイルとなって宝石を持った者に襲い掛かってくるだろう。うまく撃退するなり逃げるなりしたならば、あなたは価値の有りそうな宝石一つを手に入れる。]


「うん、良くなかったね…全然良くなかった。
…仕方ない、ちょっとだけ着付けを手直しして挑むかね」

この部屋は…似たような場所に出たことがあるぞ、たぶんガーゴイルが来る。
ならばやはり、挑まねば。
前回石像を事前に壊すという鬼の所業をしている、からこそ…今回はとりあえず金属ワイヤーで亀甲縛りをして、と。

「イタズラさしてもらったよ、バイバ~イ」

かつて『変な所で器用』と称された無駄な技術で、何とか上手く突破である。
[1d20→2=2]
紅月 > [1d20→2=2]
[あなたはスライムの巣にうっかり足を踏み入れてしまった。大小様々なスライムがあなたに襲い掛かってくるだろう。
冒険者として熟練であれば手強い相手ではないだろうがもしかしたら天井から、あるいは床から不意をついて足元をすくわれる可能性もある。]


「あー、そうだそうだ…こういうのあるんだっけ」

げんなりとスライムを炎術で薙ぎ払いながら呟く。
丁寧に焼き水分を減らして、もうだいぶ数も減ってきた…が。

「…っ、わっ!?」

今はまだ、推定15歳くらいの体のままである…つまりは正直、加減が、上手くいかない。

躓いて…思わずぺたりと座り込んでしまう
そんな隙を魔物が、逃すはずもなく。
ぬちゃりと両足を押さえられる。

「…っ、しまっ……うわぁああっ!?」

次々とのし掛かるスライム…ここに来てまさかの団結力をみせてきた。
何故ならば…古道にてスライムに捕まった者の末路といえば、一つ。

「…っん…は……っ、清浄魔法で、定期的に浄めてる、っ私の、体に…っは、老廃物なんか…あんまし、無いだろうに…っぁ、はぁっ……っくそ、何だ、こいつら…っ胸を弄るなよぅ…!」

ぬるぬると肌に沿って胸元に入り込んだスライムが、平常時より少々慎ましやかな胸部を這い廻る…そうしてへばりついては、何だか愛で育てるような動きで胸をぐにぐにと弄りまわすのだ。
陥没気味の先端を引っ張り出され、捏ねるように弄りまわしてくる。

媚毒か、麻痺毒か、それとも弛緩毒か…こんなときに限って怪力が役に立たない。

「…っや、ぁ…はぁあん!…やめ、ぁっ……お腹、入っちゃヤダぁ…!」

ごぽごぽ、ぐぷっ…
流動体のスライムは些細な隙間からも悠々と移動する…それは膣内や腸内であっても同じ事で。
食事の為、それらは容赦なく入り込んで女の胎内を磨きあげていく。

「あ、ぁ…っ、そんなとこ、入っちゃ……っくぅうんっ!…っは、ぁぁっ、広げないで…くにゅくにゅ…しないでぇ…っ!!」

胎内にとどまらず、尿道から乳腺まで…じっくりと、執拗に。

…どうやら、このスライムは。
特に性器の粘液や排泄物、老廃物を好む、とても温厚な種類らしい。
快楽を散々与えられども、服や肢体には傷一つ付くことはない。
それどころか身体中が丁寧に磨かれて肌艶がとてもよくなっている。

…強いて、言うなら。
それだけ長く長く弄られて、全く絶頂させて貰えない事が問題で。
感度だけが高まったまま、暴れる熱を抱いたまま…遺跡を進まねばならぬ事だった。
[1d20→1=1]
ご案内:「」に紅月さんが現れました。
ご案内:「ステッパーズ遺跡」に紅月さんが現れました。
紅月 > [1d20→1=1]
[あなたの目の前に荘厳な扉が現れる。扉を開けると宝物庫らしく色とりどりの宝石の輝き、金貨、銀貨、装飾品、豪華な武器などの輝きが目の前に広がった。
とは言え持ち出せる財宝の数には限りがあるだろう。宝石と金貨銀貨幾らか、もしくは魔法の掛かった装飾品一つ、もしくは魔法の掛かった武器一つを自由に決定して入手して良い。]

「…は、ぁ……やっと、休めそうなトコに
着いたわ」

宝物庫、だろうか…生き物の気配は、無い。
金銀財宝、アクセサリーに武器…さて、どうするかね。

「ははっ…財宝あさりとか、熱冷ましの間の暇潰しには丁度いいや。
けど、初心者向けの遺跡で荒稼ぎってのも、ちょっとなぁ…何か1つ2つくらい、持ってこうか。
…んー?」

辺りを見回す。
はて、欲しいもの、欲しいもの…何かあるかしら。

紅月 > 「って…いや待て、とりあえずこのぐちょぐちょ何とかしなきゃだよな」

己の能力を抑え込んでいる封具であるアクセサリーを外していく…ついでに粘液濡れにされた着物も着替えてしまおうと全てを脱ぎ捨てて、亜空間にポイポイと。
もう色々面倒になって角やらも普通に出してしまって、清浄魔法で粘液を払う。

普段のアーマーを取り出して身に付け、魔力を通せば…ピタリ、と、体に合わせて勝手にサイズが変わる。
封具もであるが、アーマーも自分で作ったオリジナル…これでもかと己が魔力を溶け込ませ纏わせてある、斬らせる気がなければ下手な金属より硬い鎧。
…逆に言えば、私以外が装備すると厚手の洋服にしかならない。

「…んむ、これでよし。
さて…試しにちょっと反応みてみるかね」

ようやっと一心地、マジックアイテム探しの始まりである。
すう…はぁ……
ゆっくりと呼吸を整えて、それから魔力の流れを探る…良かった、体が幼くなっていてもサーチくらいは出来るらしい。

反応は、財宝の山のあちこちに点在している…埋まっているのも多々あるみたい。
…ゆっくり探そう、身体の熱がおさまるまで。

ご案内:「ステッパーズ遺跡」に紅月さんが現れました。
ご案内:「ステッパーズ遺跡」に紅月さんが現れました。
ご案内:「ステッパーズ遺跡」に紅月さんが現れました。
紅月 > 「うーん、マジックアイテムは装飾品か武器、ってトコか。
金策なら装飾品を売るのが手っ取り早いんだよな、レート変動はあるけど。
…やー、けど今の時勢なら武器売った方が儲かりそうだしなぁ。
好み的にもやっぱり刃物が…うーん」

ここ最近ナリを潜めていた武器マニアがひょっこり顔を出す。
売却か、実用か…どちらかに絞らないと結局中途半端になってしまうからすごく悩む。

「しゃーなし、使ってみて決めるかね…」

最初からそうすれば、と、思うかも知れないが…世の中には呪いのアイテムというのが存在する。
マジックアイテムは特に、たまにえげつないのがあるから頂けない。

「この剣は…軽いな、けれど脆くは無さそう。
…魔力伝導率が凄く高い、ミスリルか。
こっちのハルバードは…あ!?これハルバードじゃなく方天戟じゃん、なんで西洋にこんな武器あんのよ」

シェンヤンか、シェンヤンから持ち込まれたのか。
だとすると流星や円月輪や双頭鏢なんかもあるのか…やっぱり一度帝国行こう、武器あさりに。

ご案内:「ステッパーズ遺跡」にグラスシエルさんが現れました。
グラスシエル > 軍服から、干肉を抜き出して齧る。
苛立つような態度の少年が、固そうな軍服を来て、遺跡を歩く。
たまに、ひょい、と何かを投げる仕草。その先が、ぽうっと光で照らされる。ときたま、ネズミが驚いては散るのを、冷たい目で見てから

「っち、こんな貧相な遺跡の仕事しかないとかありえねえ」

頭をがりがりと掻きながら歩く。金が尽きたので取り敢えずはギルドでの仕事だ。とはいえ、ゆっくりとあるく姿は井岡にも面倒臭そう

「…」

ヒトの気配に、少年の足が止まる。目つきは、悪く、細く。
右手をゴキゴキと鳴らしてから、軽く表情を作る。軽薄そうなガキの表情だ。こっちのほうが、『敵』ならば油断してくれるというものである
さてさて、お相手はどんなやつかね、と内心考えつつ、ゆっくりと歩を進める

紅月 > 「んむー、バスターソードは大物狩りにはいいけど…やっぱりあくまでもロマン武器なんだよなぁ。
単騎か、対魔か…私が対魔持ってもなー?
おまいう(お前が言うな)的なツッコミされそうだしなー。
だからってレイピアは私の怪力じゃあ長持ちしないし」

ガラガラ、ジャラジャラ…
いっそ気配がわからなくても気付けそうなくらい盛大に金貨の山を掘っている。

「たしかこの辺にも反応が埋って…っあぁぁぁ……」

雪崩れた、金貨が。
山の上から下までしゅるるると、まるでソリ遊びでもしているかのように滑り落ちる。

「…ぬぅ、手強、い?
うん?誰か、来た…かなぁ…?」

ぱちくり…雑に座って出入り口に目を向け、首を傾げる。
今はまだ外見15歳程度…しかし、魔力の動き的にそろそろ元に戻れそうだ。
何かあっても時間さえ稼げればどうにでもなろう。

…座ったまま、のんびりと来訪者の入室を待てば。
入ってきたのは軍服の少年だった。
何というか、ガキ大将っぽいような、そんな雰囲気だろうか…?

「やぁ、君も冒険者かい?
よかったね、当たりの宝物庫だよー」

にぱーっと、気の抜ける笑顔で迎えようか。

グラスシエル > ―――軽薄そうな笑顔、背伸びをしたガキにも見えるかもしれない。
じっくりと部屋を、厳密には部屋を観察するフリをして相手を観察する
ヒューマン、ではない、が、どうやら【獲物】でもないようだ。
魔族、とは多少似通っているが、自分の範疇にない。
そうなれば、この軽薄なノリで通すまでである

「ぉ、マジ!?ちょ、お前さんだけ独り占めって事は――なさそうだなこの量なら。ラッキー」

口調もあくまで軽い。敵ではないならわざわざ対立しないのが少年の決めごとだ、まあ気に入らないやつは別だが
ニ、と笑って見せながら、。ザクザクと宝物庫に入る
内心では、宝石が無い、金貨は重い、のでなかなかに豪華な割に渋いな、と思いながら

「うっひゃー、随分と豪勢な宝物庫だな、持って帰れねーぞこれ」

紅月 > 「あはは、独り占めなんかしないよぅ!」

普通の少年、っぽい。
そんでも友人の氣と似てるから、得体が知れない。
場合によっては宜しくないなぁと思う…何せその友人の種族は、天使、だ。

「ねー?
私もね、とりあえずマジックアイテムを1つ2つくらい~って思って厳選してるトコ。
マジックアイテムは装飾品か武器ばっかりだったから、それ系で見繕ってみれば~?」

とりあえず、相手が友好的ならそれに乗っておけばいい…平和が一番だ。
ニコニコ、笑顔で助言を投げてみる。
…呪いの有る無し?
まだ自分もチェック中だし、しーらないっと。

グラスシエル > ―――ち、先に来た客が分かってやがる
内心舌打ちする。これだけの宝物庫だ、恐らくだがダンジョンの内部が変わってピストン運送はできない仕様だろう。こんな初歩のダンジョンにしては報酬が豪華すぎる。喜んで金貨を背負って戻ったら、全く別の場所にこの宝物庫はあるだろう。と、なると価値の高いマジックアイテムを狙っていくべきなのだが
と、背中を見つめる瞳に気づく。肩をすくめて

「ああ、俺?見ての通り――ってのも変だが、天使さ、グラスシエル、よろしく。」

あくまで表面上は軽薄そうに、友好的に。
少年は気安く挨拶をする。勿論邪魔立てするなら話は別だが
そうでないならば、お互い宝物を適当に漁ってお互い幸せでOKじゃないですか、平和が1番である

「確かに、宝石…の類もなさそうだしなぁ…そしてこの金貨がウゼぇ」

おっと、地が漏れた。まあこの程度ならいいだろう。と、宝飾品を漁る。3流――ゴミ、こっちも3流、…まあこの程度のダンジョンで碌なもんがあると思った俺が馬鹿だった

「――と、これは。っと」

宝石、というよりはマーブルの碧い鉱石があしらわれた腕飾りを見る。
ふむ、これはこれは。と色を確認。青、緑、茶、よしOK。と革袋に入れる

紅月 > 「お、そこアッサリ言うんだ?
私は紅月…紅の月って書くんだよ!
角生えてるし耳も尖ってるからわかると思うけど、魔の血が入ってるんだ。
見ての通りじゃない、精霊との混血だけどねー」

相手が種族まで名乗ったから、こちらもきちんと名乗ってみる。
えぇ、罠ガスのせいで色々見た目通りじゃありませんとも。

「あはは、だよねー!
さっきから掘り返すのめんどくって!
私は武具狙いだからー…っと、こっちにも魔力強めのあったよ?
はい!」

少年に近付き、青と透明と水色の宝石の嵌まった短剣を差し出す…青の石のこの輝きはサファイアとアクアマリンだろう、呪いの類いもかかっていない。
…さっきの雪崩で出てきたらしい。

そして、少年に手渡した所で…ポンッと、元年齢の姿に戻る。
というか、罠の効果が切れて戻ってしまった。

グラスシエル > 「ふーん、赤い月、ね
あれだよ、俺は魔族にとっちゃ敵だけど、アンタは違うし
あんたは、オニ、ってやつで良いのか?それは俺の管轄じゃねーの」

あくまで軽薄に、薄っぺらく笑う。小物感がでるような笑い方だ。
そう、相手が鬼なら問題ないのだ、闇と契約してたりするようならばまあ、殺してもいいかなー程度である、あくまで少年の管轄は天使と、信者を毒する魔族なのだから

差し出された短剣に、キョトンとする。そこそこの値打ちモノだろうに、馬鹿なんじゃないだろうか、とも思ってしまう辺りが少年の性格の悪さだろうか。
ふむ、と貰ったのを見つめる。まあ、コレに用はないし…多少はコイツにも良い思いさせておくか。などと考える
しかし、行動をする前に、ぽむ、という音とともに元の姿に戻る女

正直

見惚れた

背が高く、スタイルの良い美人というのには、弱いのだ。
すらっとした、それなのに肉感的な肢体に、目を奪われる
少しの沈黙から――少年は「ま、まあちょっと待ってろ」
と、何事もなかったかのように背中を向ける。
懐から取り出したのは印綬の護符・宝石を欲しがる理由は、付加価値を自分でつけられるからである。

サファイアとアクアマリンに護符をぺたり。
なにか魔術の呪文が口から溢れる。少年の翼が淡く光って…

紅月 > 「おおっ、凄い凄いわかるんだ!
こっちの人ってば皆してオーガオーガ言うんだよ?
紅はそこまで脳筋じゃないっての!」

ぷんすか、である。
そりゃあまぁ確かに人食い鬼だけど、きちんと人間の良き隣人しているし…僧侶の護衛だってしちゃうイイ鬼なのだ。
同じ鬼でもオーガ扱いは納得いかないのだよ。

さて、短剣であるが…換金より実用武器を持ち帰ろうと割り切った故、金銭的な価値に頓着しなくなっただけなのだ。
故、地精霊の加護で石の美品鑑定だけして…たまたま値打ち物だったから少年にあげちゃおうと思い至ったと。
いやまぁ、別に私のじゃあないのだけど。

…っと、元に戻ってしまった。

「あらまぁ、さよならスレンダー少女…」

おかえりばいんぼいん。
って言ってる場合じゃあ無ぇ。

「あいたたたキツいキツい、胸絞まってる!
編みスーツでボンレスハムになるぅ!」

急いでアーマーに魔力を流す…ふぅ、ぴったりフィット。
あーびっくりした。
少年固まっちゃったかと思えば、後ろ向いちゃったし。

もしや引かれたか、と、若干しょんぼりしていれば…薄く輝く少年の羽根。
キラキラと、凄く綺麗だ…何だか見惚れてしまう。

グラスシエル > 「オーガっておま、トロルとかの仲間じゃねーか。
まあ分からんやつには分からんだろうよ、鬼…東方の言い方だっけか」

人を食らったり、女性は血を啜る鬼もいるとか。まあ、所詮こちらとは無縁の世界でありたいと思ってる。敵対さえしなければそれで良いのだ、うん。

鬼――ふむ、真っ先に思い至るは怪力、か。
熟考の末に沈殿する魔力を励起させ、付着、そして、残るは沈殿を繰り返す。まるで、少年の手の上で万華鏡の中身が踊るかのように煌めきが舞い、そして落ちる。
残念ながらアクアマリンには強度を増す冷媒はないが、サファイアは別だ。元々、硬質を現す宝石の一つである。ゆっくり、じっくり、魔力を付着させ――「溶かして」いく。
数十分に渡る、静かな作業。邪魔をされないことは良いことだ。
そして、出来上がるのは、アクアマリンとサファイアの中心部に魔法陣が「浮いて」いる、短剣。
アクアマリンの再生、水の煌めきは、刃の質をもどし、純化させる
サファイアは硬質、とはいっても、物理的にではなく物質的な硬さを模したもの。元々組み込まれている宝石同士の相性は良い。

それを、背中を向けたままぽい、と紅月になげる。
放物線をえがくそれは、刃が当たれば鬼の肌すら傷つける凄みのある冷たい刃と化してるが、鞘には入れた状態である

「そこら辺の壁、思いっきり斬ってみな」

壁がざっくり行くわけではないだろうが、壁を斬った程度でどうこうなる強度ではないだろうという自信作である

紅月 > 少年の後ろからひょっこりと手元覗いてみる…あっこれ邪魔しちゃダメなやつだ。
自身も属性付加などをする紅月は瞬時に察する。
自分だったら静かな部屋に引き隠って、じっくりやりたいくらいの作業…静かに待ってないと確実に邪魔になる。
…まぁ、後ろ向いてる時点で当然そうなのだろうが。

「おわっ、ととと…えっ?
や、あの、私結構なマッチョレディだけど大丈…夫か、天使の付加ってことは『加護』だもんなぁ」

キョトンとした後、言われた通りに短剣を抜いて壁を切りつけてみる…キィィィン、と、澄んだ美しい音と共に、壁を少々抉った。

「……、…わぁお。
凄いなぁ、この子…まるで寝てた力を起こしてあげたみたい。
切れ味鋭く、でも手に馴染む…護身用にするにはこんなに頼もしい子は居ないね」

じっくりと刀身を眺めながら、しみじみと言う。
鋼が生き生きしている。
…さっきまで、少年が何かまじないをするまでは、こんなにキラキラと『生きて』いなかった。

「…うん、なぁんかこの短剣くん何かに似てると思ったら、君だ。
配色といい鋭さといい美人さといい、グラスシエルに似てるんだ」

うんうん、と、勝手に納得する。
今後この短剣に名をつけるとしたら、間違いなく彼の名がつくだろう。

グラスシエル > 宝石の霊媒に魔力を付着させるまでは1流、溶かし込むのは超一流の技法。
自慢ではないが宝石さえあればメシには困らないのだ。遺跡巡りやギルドの仕事はついでというか、ものぐさゆえの自業自得というやつである

「むしろそれで折れたらビビるわ。俺の中でもかなりいい出来だし」

いつの間にか、口調が素に戻ってる。とても冷たく、突き放すような言い方だ。だが、壁を弾く音に満足そうに目を瞑る

「この時代の刀剣はむしろ純度が低そうだがその分高熱で処理してるから出来は悪くねーんだよ。玉鋼とかいうだろ
純度が高いと硬いが脆くなる。俺がやったのはあくまで硬度をあげたんじゃなくて物理法則的な意味合いでの強化。だから、その短剣の『本来の』精度がいいんだろうなそれは」

物理法則――つまり鉄分や金属部分を硬く固着させずに、内包する酸素や金属の結合そのものを、宝石が演算し作り直した事になる。
と、美人、と言われると、言葉が止まる。睨むような目で

「俺、男なんだけど?」

と、さっきとは違った、刃物のような目つきと口調である。あるが、背を向けて

「なあ、お前も大体探索おわったんだろ?そろそろ来るぞ?『改造』が」

魔力によるダンジョンそのものの構造改変。巻き込まれれば入り口に帰るのが非常に面倒になる。

「お宝の記念に、どっかメシでもいこうぜ?」

と、背中を向けたまま歩き出す。照れてるのは内緒である

紅月 > [移動につき、閉幕]
ご案内:「ステッパーズ遺跡」からグラスシエルさんが去りました。
ご案内:「ステッパーズ遺跡」から紅月さんが去りました。