2018/05/31 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にブレイドさんが現れました。
ブレイド > 自然豊かな公園の中、ホットドッグを片手に茂みの細道を歩く。
遊具場とは少し離れた
静かな隠れスポット。休憩するにはちょうどよくてたまに利用していた。
自分が足を運ぶときは、だいたい誰もいないのだが……

「ん…?」

いつも利用している木陰、だれかがいる。

ミンティ > どこまで読んでいたか忘れないために、これ以上ぼーっとする前に栞を挟んでおく。閉じた本を膝の上に置いて、全身から力を抜いた。
そのまま目をつぶると、そよそよと揺れる芝の音まで聞こえてくる気がした。
昼寝には絶好の環境、しかしこの街の治安を考えると不用心かもしれない。迷う意識もすこしずつ曖昧になってきて、小さな欠伸がこぼれた。
本当に眠ってしまいそうに、かくんと頭が前に傾く。

ブレイド > 「………」

歩み寄り、見下ろせば見た顔だ。
微睡んでるのか何なのか…不用心にも程がある…が、声をかけるのもはばかられる。
ここまで心地いいと眠くなる気持ちもなんとなくわかるからだ。
ホットドッグにかぶりつきつつ様子を見る。

ミンティ > このまま眠ってしまうのは危ないと頭ではわかっていても、のどかな空気の誘惑には敵わなかった。
こくんこくんと頭を小さく揺らして、もうすぐ寝息を立て始めそう。しかし近くに誰かが立ったために風の流れが変わって、閉じていた瞼を震えさせた。

「ん…。……あ」

顔を下に向けていたから、目を開けて最初に見えるのは読書中だった本の表紙。水の世界を冒険するおとぎばなしの絵に触れてから、風の流れを変化させた原因を探す。
きょろきょろ周囲を見回す必要もなく、近くに立っている少年に気づくのは簡単だった。
会釈をしながら、恥ずかしいところを見られてしまったと頬をうっすら赤くする。

ブレイド > 「おはよう…か?」

もぐもぐと食事を続けつつも、にかっとわらう。
よくよく見れば読書の途中だったようで、なるほどこんな陽気でこんなところで本など読んでいれば
眠くもなるだろう。

「いや、人がいるとは思わなかったけど…なんか眠そうだったんでな。
寝てりゃまぁ、隣でメシでも済ませちまおうと思ったけど
邪魔しようって気はなかったんでよ。気にせず続けてくれよ。読書でも何でもよ」

自分はどうしたものか。
流石に隣に座るのは図々しいか。

ミンティ > 「……おはよう」

そばにいたなら声をかけてくれたらいいのにと、そう言いたそうに眉の先を下げた。うとうとしていたのは長い時間ではなかったけど、寝顔を見られていたと思うと、やっぱり恥ずかしい。
すこし熱くなった頬をさすりながら、彼の手にあるホットドッグを見やって首をかしげた。

「……ごはんの…時間…?
 あ…ごめんなさい。もしかして、ここ…座るつもり……だった?」

人が近くにいるのに昼寝をするのは落ち着けない。もう目もさめたからと首を振って、立ったままの彼を見上げて気がついた。
彼もここがお気に入りの場所だったのかもしれないと思って、あわてて端の方に移動する。

ブレイド > 「おう…えっと、そうだな。
いつもは人がいないもんでここでくおうかなーって。
でも邪魔しちゃわりいしどうしたもんかってな」

喋りながらももぐもぐと。
端の方に彼女が寄ればははっと笑って

「気にしなくてもいいってのに。
ん、となりいいのか?」

ミンティ > 「いえ、わたしだけの場所じゃ…ないから。
 ……静かで、……いいですね」

公共の場所だから当たり前なのだけれど、自分以外にもここを知っている人がいると知ってすこし驚いた。
雨の多い時期はさすがに座っていられなくても、今日のような日は休憩に最適。自分が好きな場所を気に入る人が他にもいたと知って嬉しくなる。

「……どうぞ。……立ったままじゃ…お行儀悪いから」

ちょっとだけお姉さんぶって注意をして、笑うように目を細くした。

ブレイド > 「そうかもしんねーけど、アンタが寝る邪魔をするほど無粋じゃねーっつか…
そうだなぁ、このへんは静かで…人もあんまこねーし
寝てるあんたをオレが襲っても誰も気づかねーとこだぞ?」

同意はするものの苦笑して。
まぁ、そんなつもりはないが。
お姉さんぶる彼女の隣に胡座をかいて。

「ん、そんじゃ邪魔するぜ。おぎょーぎは…ま、冒険者流ってやつだ」

適当なことをいいつつ食事を続ける。

ミンティ > 「……そうだね」

隣に座った少年には微塵も危機感を持っていない。襲うつもりがあるなら今まで何度もチャンスがあったから、おどかして気持ちを引き締めさせるつもりなんだろうと思っている。
笑うような目元のまま、読書を再開するわけでもない本の表紙を見つめて。

「……冒険者って、いろんなとこ…いく?」

自分はこの国から出た経験がないから、冒険者の話はときどき聞くけど、お話の中のようなイメージしか持てなかった。

ブレイド > 「そうだねって…おまえなー。
ちゃんと毎日鏡見てるか?可愛いしおとなしそうだし
そういうやつからみりゃいいかもだぜ?オレだって男だし油断してるところ見たらコロッといっちまうかもしんねーだろ?」

微笑む彼女に呆れながら。
それでも自分も笑っていて。ホットドッグはもう無くなってしまっていた。

「んー?そうだな…まあ、国の外ってのはそうねぇけど
九頭龍の山んとこあたりまではいったことあるぜ?」

不意に飛んできた質問に首を傾げる。
まぁギルドの依頼はこの国から集まるものだから、外の国へ行くものはあまりない。
それでも国内ならいろいろなところに行く。

ミンティ > 「鏡くらいは…毎日見る……けど。
 褒めすぎ…じゃないかな。……だって、ほら…今も、なにもない…でしょ?」

お説教のような台詞を聞いて眉を八の字に下げた。醜い顔をしているとまでは思っていないけど、容姿にそこまで自信もない。
可愛いと評価してもらったのが照れくさくて、また赤くなりそうだった頬をさする。

「九頭龍の山…。絵でしか…見たことないな。
 やっぱり……おっきい?のぼるの……大変?」

険しい山だとは知っていても、本で読んだだけだから実感がない。どのくらい大きな山かなんて想像もつかなくて他愛ない質問をしながら、また本の表紙を見つめた。いつか自分もいろんな場所にいけたらと思うけど、難しいかもしれない。つい小さなため息がこぼれてしまった。

ブレイド > 「褒め過ぎでもねーよ。可愛くねーといきなりチンピラに絡まれたりしねーだろ?
今は……なんかしてたほうがよかったか?」

人が悪い笑みを浮かべつつも、初めてあった時を引き合いに出す。
彼らのお眼鏡にかかったからこそあんなことになったのだろう。
もうちょっと自信を持ってもいいと思う。

「まーでけぇな。あの辺りって山賊も多いだろ?
気をつけてみつかんねーようにすんのも大変だな。
ぶっ倒せるくらいに強かったり、人数いりゃそうでもねーんだろうけど
オレはそんな強くねーし、基本的には一人か二人でやってるしな」

物語の冒険者のようにはいかねーよと笑って。
ため息をつく様に少し首を傾げ。

ミンティ > 「あれは…。ああいう人たちは…たぶん、誰でもいいんじゃないかな。
 ……え?ほんとに、その気だったら…ちょっとびっくり、するかも」

追いかけられていた時の話になると、ますます困り顔になった。危ない目にまったくあわないわけではないけど、あんな風にしつこく狙われるのは初めてだったから、思い出すと同時に身震いをする。
少年が自分に襲いかかってくるというのは、やっぱり想像ができない。イメージがわかないから怖いかどうかもわからなくて、最初に思い浮かんだ驚くという感想を伝えた。

「山賊?…やっぱり、危ないんだ。
 いつか…わたしも、いろんなところに行けたらって思ったけど…
 自分くらい守れないと、難しそう。それに……お店もあるし」

旅行の計画を本気で立てていたわけではないけど、考えれば考えるほど条件が厳しく思えて、諦め顔でかすかに笑って。

ブレイド > 「ま、そうかもしんねーけど…ああいう奴らも悪いもんよかいいもんのほうがいいって思ってるさ。
っと、わり…怖がらせるつもりじゃねーからよ。
まー、そうじゃねーけど…んー、びっくりか。やっぱオレって迫力ねーかな?」

背は低いし、まだ若い。目つきは悪いが…。
逆にこっちが自信を無くしそうだ。あまり悪いイメージを持たれていないのはいいのかもしれないが。

「まーな。魔物も野生動物もいるし…街の外ってのはそんなもんだ。
でも、外に行けねーって諦めるのもまだ早いぜ?
なんせ、そのための冒険者って職業だからな」

得意げに笑って、トンと自分の胸を叩く。
護衛なども依頼の中ではよくある仕事だ。
一人旅はたしかに危険だが、護衛を雇えばそうでもないだろう。

ミンティ > 「弱そうな方がいい……とかも、あるかな。
 えっと…だって、おどかそうとか、怖がらせようって……しないでしょ」

あんなにしつこく追いかけられた理由を自分なりに考えてみると、力のなさが最初に思い浮かぶ。腕でも掴まれていたら逃げようがなかったから、そのせいで狙われたんだろうと納得しておく。
すこし気落ちした様子の少年を見れば、目をきょとんとさせた。そもそも迫力を見せようとされていない気がしたから、慰めるように小声で告げる。

「そっか…護衛が雇えるくらいお金があれば……
 ……買いたいものもあるから、もっとたくさん貯金しなくちゃ」

あの時も自分を連れて逃げてくれた少年だったら頼もしいと思えた。得意げな様子を見て、また笑うような表情を浮かべる。

ブレイド > 「まー、あんな目にあってていい方に考えろってのは無理があるかもしんねーけどよ
もうちょっと自信持ったほうがいいぜ?あの連中はともかく、オレだってそう思ってんだからさ。
……そりゃそーだけど、なんだろうな。ガキっぽく見られることが多いからよ」

考え方や容姿も含めて、子供扱いされることは少なくない。
実際まだ若いのだが、冒険者として自立している少年としてはもう少しすごみが欲しいわけで。

「ま、金の問題だってならしょうがねぇな。
オレももう少しできるようになりゃ格安で護衛してやるんだけどな。
今の実力じゃ守ってやれるかどうじゃ怪しいしよ。もーちょっと待っててくれよな」

自分の実力不足を痛感しつつも、笑ってみせる。
少女の笑顔に応えるように。

ミンティ > 「大人っぽくするって…わからないね。
 ……わたしも同じ。お店に立つ時くらい、子どもっぽく見られないといいんだけど」

少年の悩みには共感するところがあって、こくこくと頷く。背も低いし顔も幼く見えてしまうようだから、強引な値切りに困らされた経験も少なくない。
頬に両手を当てながら、できるだけ気難しい顔をしてみたけど、表情だけでどうにかなるとも思えなかった。

「あ、でも……王都の中なら…
 一人だと、あんまり行かない場所とか…行きづらい場所って、あるから。
 それだと……いくらくらい、かな」

行けてない場所は国の外だけじゃなかったと思い出す。興味はあるけど勇気が出なくて行けないような場所でも、頼れる人がいたら心強い。
問題は近場までの護衛料だったから、おずおずと尋ねる。

ブレイド > 「わかんねーなー。
ミンティはしっかりしてるけど、ちょっと押しに弱そうだしな
毅然としてりゃ、知的なやり手の店主に見えなくもなくねぇか?
そりゃ…顔立ちは時間が経たねーとどうしようもねーけど」

なんとなく思ったことを。店を任されているものとしての悩みなんだろうが
見た目に加えて性格が弱気なのもあって、苦労してそうだ。
ただの少女としてならどこもおかしいことはないのだが。

「ん?王都の中か?
んーそうだな。
他の冒険者はわかんねーけど、オレはクレープでも奢ってくれりゃ散歩くらいにゃ付き合うぜ?」

むしろそれは護衛というのかはわからないが。
国の中でも女性一人では危険だ。だからといって、顔見知りの彼女から国の中を歩くのにお金をもらうきにはならない。

ミンティ > 「……そう…だね。あんまり強く言われると…なにも言えなくなるかも。
 でも…性格変えるのって…歳をとるより、難しそう。
 いろいろ……経験不足なのもあるから……って、だめ、だね。こんなことばかり言ってたら」

コンプレックスを抱えやすい性格だから、直したいところばかり浮かんできてしまう。
今度こそ本当に難しい顔になって唇を噛んだけど、こんな話を聞かされた少年の方が困るかもしれない。ぺこと小さく頭を下げて反省。

「そう。人が多いとことか…新しいお店とか、行きづらくて。
 ……それだけでいいの?…じゃあ、あの、かかるお金は、わたしが出す…とか」

ついてきてもらうのに、おやつを奢るだけでは申し訳ない。前にもお礼を諦めようとしなかった性格は変わっておらず、すこしでも自分が負担したいと申し出る。

ブレイド > 「商談ってわりとゴリ押しされることもあるもんな。
経験不足ってのは、やってきゃなれるってことだからよ。
とりかえしのつかねーことにならねーうちは、失敗しながら覚えときゃいいだろ。
性格は……いいんじゃねーの?商売に慣れてきゃやり方は覚えるだろうしな。
なら性格は今のままでもいいんじゃねーの?ちょーっと弱気だけどさ、礼儀正しいし優しいじゃねーか」

そういう性格は損もしやすいが、好かれやすいのもまた事実。
商売がうまくなれば、性格に惹かれて常連客もつくかもしれない。

「…なんで頭下げんだよ。悔しそうな顔してさ。
ミンティはミンティでいいだろ。オレだってアンタがそういうやつじゃなかったら
こうやって気楽に話せなかっただろうしさ」

ミンティの眉間をほぐすように指先でゆるくつんと突く。

「いいって、護衛ってほどでもねぇよ。
デートとでも思えばむしろオレが金を払ってやりてーくらいだ」

ミンティ > 少年が真剣に語ってくれているから、視線が逸らさないように、じーっと見つめる。元気づけられていると、やっぱり申し訳なくなってしまうけど、弱音ばっかり見せるのはもっと悪いと思って、黙って相槌を返した。
今のままでいいのか自分ではわからないけど、こんな性格を気に入ってくれる人がいると知れるとすこしだけ勇気も出てくる。
最後に眉間をつつかれると、ちょっと困り顔の雰囲気は残しているけど、控えめに笑う顔で頷いた。

「……うん、ありがと。
 やっぱり…もっとしっかりしたいって思っちゃうけど…ちょっと、楽になった。
 わたし…気晴らしとか、へただから……ほんとに、ありがとうございます」

お礼で頭を下げるのはいいかなと小首をかしげ、丁寧な言葉づかいで感謝を伝える。悩んだけれど、やっぱりぺこんと深く頭は下げた。

「……デート?
 わたしじゃ……退屈すると思う。……あ」

不思議そうに少年を見て、まばたきを繰り返す。また後ろ向きな言葉が出てしまったと気がつくと、あわてて口を押さえた。

ブレイド > 「ありがとうございますってなんだよ。他人行儀っぽいの苦手なんだよ
でも、楽になったならよかった。
まー、なんだ…気晴らしなぁ……オレも趣味とかねーけど
こうやって誰かと話すと楽になったりすんだろ?それでいいんじゃねーかな?
相手がいねーってなら付き合うし」

丁寧なお礼を受けるとくすぐったげに笑う。
何度か顔を合わせている少女とはそれなりに親しくなったつもりの少年は
もっと気楽に話してほしいとは思っていたが。

「退屈しねーよ。アンタが行きてーとこに行くならさ
きっと、楽しそうな顔したり、感想とかあったりすんだろ?
食べたいものも食べたりしてさ。だからデートでもいいんだっての」

こういう反応もなんとなく面白い。だが、こちらもふざけていっているわけではない。
まぁ、デートは冗談というか言葉の綾に過ぎないが。

ミンティ > 「……ちゃんと、お礼が言いたかったから。
 …うん。わたし……話すの、下手だから…聞いてる方が、楽…なんだけど。
 もうすこし…自分の言いたいこと、言えるように……練習させて」

行儀よく話そうとすると嫌がるかもしれない。なんとなくだけどそんな気がした少年から予想どおりの言葉が返ってくると、癖でまた謝ってしまう。
こういう時にどんな態度で会話をするのが相応しいのかわからず、難しく考えそうになって寄りかけた眉間を、自分の指でほぐして。

「……そう?
 じゃあ……お願いします。……あ、えっと…お願い…ね。
 行ってみたいところ……たくさんあるから」

デートという言い方はあまり気にしない方がいいのかもしれない。少年の様子からそう感じて、こくこくと頷く。
他人行儀といわれた口調が出てしまって、今のは許してとお願いするように上目づかいで小さく笑った。

ブレイド > 「おう、いいぜ?いくらでも練習台にしてくれよな。
たしかに話すのは苦手っぽそうだけどよ。
なんか、こう…素朴で嫌いじゃないぜ?
ミンティの話し方」

なんか逆に困らせてしまったような。
自然に話してくれるのがいいが…砕けた喋り方が苦手なら
あまり気にさせないほうがよかっただろうか?

「おう、任せろ。
貧民地区もまぁ、大体慣れてるし…大体のところは行けると思うぜ?」

少女の笑顔に笑顔を返す。むろん、いちいち咎めるようなことはしない。

ミンティ > 「ありがとう。
 ……わたしも…なにかお返しができたら…いいんだけど」

会話の練習につきあってくれるらしい少年を頼もしそうに見つめる。
たぶん友達として接してくれているのに、相手の好意に報いないとと考えてしまう。でもここでお金を渡そうとしたら確実に怒られるとはわかるから言い出さないでおいた。

「貧民地区は…なにか、ある?
 わたしはね…、水遊場…とか、すこし……興味が、あって」

貧民地区は、たまに仕事で訪れるくらい。危険が多い場所だから早めに立ち去るようにしていて、あまり詳しくはなかった。
話をしながら膝に乗せた本の表紙をまた見つめて、行ってみたかった場所を思い出す。

ブレイド > 「お返し?
なんのだよ。オレの息抜きにもちょうどいいって。
お互い様だ、お互い様。それでもってなら、オレの話もたまに聞いてくれりゃいいぜ」

まだ硬さの残る少女に対してひらひらと手を振って。
自分が気安すぎるところもあるかもしれないというのもあるし。

「んー、そうだな…。酒場とか遊技場とか…
割とやらしー店もあるけど、オレはいったことねーな。
水遊場か。なら今度行くか。つか、オレの前で水着になるのとかって大丈夫なのか?」

水遊場となれば、まぁ泳いで遊ぶ場所だ。
泳ぐならばそうなるだろう。引っ込み思案に見える少女が
自分の前で露出の多い格好をすることに抵抗がないのか少し心配だ。

ミンティ > 「……お互い様。……そうだね、……うん、わかった。
 じゃあ…なにかあったら、聞かせてね。
 さっきのブレイドくんみたいに…アドバイスとか、できるか…わからないけど」

お互い様の考え方が頭になかったと気がついて、自分がどんな態度でいたらいいのかも、すこしわかった気がした。
お互い様と、自分に言い聞かせるような小声で呟いて、しっかり記憶にとめておく。

「いやらしいとこは、案内しなくていいから。……ん、水着?
 あ、…違う…、泳ぎたいわけじゃなくて、見てみたいだけ…だから。
 中に入るのも、水着じゃないといけない……?」

怪しい場所につれていかれるとは思っていないけど、自分としては結構はっきりとした口調で言っておいた。
水着と聞いて、きょとんとした顔。あわてて手を振りながら否定して、ドレスコードみたいなものがあるのかと、不安そうに尋ねる。

「…あ。そろそろ…行かなくちゃ。
 ……あの、よかったら…お暇だったら…表通りまで送ってもらって…いい、ですか?」

空を見上げて、はっとする。すっかり話し込んでしまったと気がついて立ち上がる。
そのまま駆け出そうとしたけど、たまには自分からお願いしてもいいのかと今までの会話を思い返し、おずおずと少年を見やる。一人で戻るか二人で戻るかは、彼の返答次第となるはずで…。

ブレイド > 「聞いてくれりゃいいだけだって。
そ、お互い様。それでいいんだよ」

ミンティの言葉に微笑んで。
なんかストンと腑に落ちてくれたようならばよかった。

「ああ、わかってるって。オレも流石に案内に困る。
水着は…んーどうだろうな。
中に入ったときは水着じゃないやつはいなかった気がするんだけど…」

自分は更衣室を通ったので、更衣室を経由しない入口があるかどうか知らない。
まぁ、水着の上からなにかきるのは大丈夫そうだったので、それは伝えておく。

「ん、そっか。それじゃーオレも行くかな。
ってか、水くせーこと言うなよ。家まで送ってっていやいいんだよ」

立ち上がって、ミンティに手を伸ばす。
表通りという遠慮なのかなにか都合があるのかはしらないが、こちらから提案したほうがいいだろう。

ミンティ > 水着の上からなにか羽織れるなら、すこし安心した。でもやっぱり自分が遊びにいくには、まだ厳しい場所じゃないかとも思えてしまう。

「え…でも、遠いし……」

さすがに申し訳ないと首を振って、差し出された手を見て固まった。
手を取ってくれるのだろうとわかっていても、こんな明るい時間に誰かと手を繋いで歩くのも恥ずかしい。だからといって拒むのも悪い気がして悩んだ結果、少年の指先をおそるおそる掴んでみた。

帰る間、途中まででいいからと何度も言ったかもしれない。どこまで同行してもらったかは、少年の気分次第だったかもしれない…。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からミンティさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からブレイドさんが去りました。