2018/01/24 のログ
ホルン > 「ああ、やっぱりここで、なんですね」

半ばカマかけだったがこの反応なら図星といったところか。
まあ持ち家があるのにわざわざ外に行ってから、という事も考えにくいのでほぼ確信はしていたのだが。
そして、そうと分かればこれ見よがしに横向きに寝そべり。

「ふふふ、どうです?私とここで、今からとか」

ニヤニヤとからかい半分本気半分。
乗ってきたら喜んで相手をするが、からかって反応を見るだけでも十分だ。

ブレイド > 「う、ぐ……ばかやろー…」

やっちまったと頭を抱える。
ホルンの笑顔がしてやったりといっているようにすら見えて
自分の迂闊さを呪う。
寝そべるホルンの方を見つつ、言葉に詰まる…が、次の言葉はさらに驚くべきもので。

「ふざっ…ふざけてんのか!?できるわけねーだろ!!」

流石にしている最中に帰ってきたらどうするというのだ。

ホルン > 「そう?残念」

予想していた答えなのであっさりとしたものだ。
相変わらず寝そべったままだが。
しかしこうも良い反応を返してくれると、つい調子に乗って更にからかいたくなってしまう。
あんまりやりすぎて追い出されてもつまらないので、程々にしようと一旦クールダウン。

「……そういえば、さっきまで何かしてたの?
休むには早いし、武器の手入れとか?」

若い冒険者の暮らしぶりというのは、正直よく知らないので単純に興味はある。
自分の場合なら色々と調合なり地下室の拡張なりと篭っていてもやることは多いが、そういった事情がない身分だとどうしているのだろうかとふと疑問に思った。

ブレイド > 「残念じゃねぇよ…流石にこないだみたいなの見られたら立ち直れねぇ…」

情けないことこの上ないというかなんというか。
猫をかぶるのやめたのか、言葉遣いがやや変わったように思える。
おそらくはこれが素なんだろう。
それはいいのだが、ひとまず一息つく。

「あー、本読んでた。
勉強っつーか…勉強するための準備っつーか」

そういえば彼女も薬屋だったか。
応急手当や薬学、医術の勉強をつけてもらうために本の中身をいくらか暗記しなければならないと言うことを話す。

ホルン > 「……ふぅん、意外。
冒険者がみんな、そういう事する訳じゃないわよね」

ホルンの知っている範囲だと標準的な冒険者や傭兵というのはせいぜい応急手当レベル。
時々簡単な調合をこなす者もいるが、そういった手合いは希少といってもいいぐらいだ。
そういった身分で医術を習得しようというのはホルンの感覚からでも変わり者と分かる。

「転職でも考えてるの?
まあ何にしても、そのペースだと何十年かかるやら……」

見たところ特別な資質や才能は感じない。
まあ才能でいえばホルン自身も平凡なものだったが。
しかし寿命の違うミレー族がその調子では目的を達する前に臨終してしまいそうだなと、中々失礼な事を思ってしまったり。

ブレイド > 「だよなぁ…まぁ、簡単な応急手当と薬草の目利きくらいとは思ってんだけどな
でもまぁ、知識は大いに越したことねぇっつーか…
今ん所、治療ができる仲間ってのがいねーからな。いろいろおぼえておきてーってくらいだ」

ホルンの言うことももっともだろうが、ひとまずは応急手当だけでも。
それを覚えたらもう一歩上…くらいはおぼえても損はあるまい。
失礼なことを言われているとも思わないのは、自身の資質のなさを知っているからこそ。
そして、薬屋を商っている彼女の目から見てそう見えるのなら、おおよそ間違いではないだろう。

「医者なんて目立つ職業にはなれねぇな。残念だけどよ」

相手の遠慮がなくなれば、こちらも遠慮の必要はないだろう。
ベッドに腰掛ける。

ホルン > 「誰に習うのか知らないけど、教えるそいつも物好きね」

どうせ二人きりだし猫を被るのも本当に今更だ。
だらけて寝転んだまま、既に演技する気もなく普通に喋っている。

「……折角だからちょっと見てあげる。どこを覚えようとしてるの?」

意外と真面目に考えている事に少し感心し、そして興味もわいてきた。
ホルンの場合そう真面目な考えではなく偽装のための手段として覚えたに過ぎないが、それでも長年触れてきた学問である。
本人が思っている以上に思い入れがあるのだが、その事には全く気づいていない。
暫く寝転がっていたがここにきて体を起こし、ベッドに腰掛ける形となる。

ブレイド > 「まー、ありがてぇけどな。
ケツの安全も保証されてるしよ」

荷物袋から古ぼけた本を取り出しつつ
笑ってみせる。
猫かぶりをやめれば、なるほど。食えない女といった感じだ。

「んー?まぁ、この本の1/3くらいなんだけどよ」

結構な厚さの本。
中身は覚え書きやら図解やらがみっしりと書かれたものだ。
百年以上の知識が記してあるらしいのだから当然だろうが…

ホルン > 「そっちの方ならいつでも教えてあげるけど?
まあ今はとりあえずその本を……。なにこれ気持ち悪い」

尻を弄るような仕草をしてみせてから、出された本に軽く目を通すと思わず気持ち悪いという言葉が漏れ出る。
つい出てしまった言葉なので、言ってしまった事に本人は気づいていない。

「……はぁ、こんなもの暗記しようとしてたの?素人がいきなり覚えられるようなものじゃないでしょう?
大体、どのぐらい覚えたのよ」

目を通していく内に、うんざりというかげんなりというような表情に変わっていくホルン。
ホルンにとっては面白いというか読みやすい。
なんというか、ホルンが自分で使っている増設と追記を繰り返しまくった薬草辞書と風情がそっくりだった。
そしてそんなものは教材としてはどうなのだろうかという疑問が大いにある。

ブレイド > 「勘弁してくれ…流石にあれが極まっちまうとどうなるか考えたくもねぇ…
いきなり気持ち悪いとかなかなかな言葉だな…たしかに書き込みすげぇとは思うけどよ」

尻を押さえるような仕草を返しつつ、ホルンの言葉に苦笑する。
専門家から見てもそんなんかと。

「だよなぁ…何書いてあるかあんまわかんねぇとこもあったし。
えーっと、5ページくらいか?
結構読んだんだけど、暗記ってやつ苦手っぽくてなぁ…」

猫かぶるのを止めたホルンの表情の変化がなかなか面白い。

ホルン > 「あれ?気持ち悪いなんて言ってた?
……とりあえず、暗記はいいとしても目標はどのぐらいなの?」

指摘されて思わず口に出していた事を知るが、まあ今さら取り繕う事でもないかと開き直る。
目を通して気になったのは本格的に学んでいくにはともかく、とりあえずの処置を覚えるにはこの内容を暗記しても甚だ効率が悪いのではないかという事だ。

「確かに覚えたら便利でしょうけど、一から病気の治し方とか覚えていくつもり?
そもそも今は、実践的な応急処置はどのぐらい出来るの?」

珍しく打算のないおせっかいを発揮し、ブレイドに質問を投げかけていく。

ブレイド > 「まさに思わずって感じだったのかよ…すげぇな。
目標…そうだなぁ、怪我やら簡単な病気に対処できる程度か」

目標を聞かれれば少し考える。
まぁ、専門的に店を構えるとか医者になるとか言う気はない。
矢継ぎ早に質問されれば少し言葉に詰まる。

「一からっつーか、何が一なんだかよくわかんねぇってところもあるし、基本はおさえとくべきかってな。
え~と、今のところは、簡単な止血と傷薬の使い方くらいしか知らねぇよ。
流石にこれに関しては反省してるから今勉強しようってなってんだけど…」

ホルン > 「そんな有様でよく勉強を始めようと思ったわね……。
何にしても、この本はいきなり読むには難しいでしょう。
だから分からないところがあったら聞きに来て。教えるから」

一通り目を通して本をブレイドに返すと、一方的に宣言をする。

「独学で分かるなら良いけど、分からないなら一人でやってもどうせずっと分からないわ。
ああ、どうせなら分からないところをまとめておくといいわね」

珍しく邪な考えのない、純粋なお節介である。
あわよくば押し倒そうなどとかと、訪問した動機を考えると何だか妙な気分だ。

ブレイド > 「へ?えーっと、いいのか?
勉強、教えてもらっても…」

突然の申し出にあっけにとられてしまった。
意地が悪いのか、それともやはり親切なのか少し混乱する。

「そりゃそうかもしんねぇけど…いや、まぁ…教えてくれるならその…助かるけど
ケツとか差し出せとか…いわねぇよな?」

ただで教わるのは悪いとは思うのだが…何か要求があったりするのだろうか?

ホルン > 「体で払いたいならそれでもいいわよ?
お尻は、そうねこんな交換条件でっていうのもつまらないし別の機会にしてあげる」

開発や調教にもそれなりの美学というか趣味のようなものがあるのだが、その辺りの機微はブレイドには伝わるまい。
まあそれ以外の体で払って貰う分には大いに歓迎ではあるが。

「次は騎乗位とかやってみたいわね。
まあ対価の要求ならそのぐらいにしておいてあげるから、考えておいて。
もちろん先払いも歓迎よ」

先払い、と言いながらベッドに目を落とすがじきに立ち上がる。
あんまりしつこく誘ってもここでは簡単に靡きそうにないし、今日はここまでだろう。

「それじゃ、また会いましょう。同居人もそのうち紹介してね?
姉妹みたいなものなんだから、ふふふ……」

竿姉妹、と言っては流石に下品すぎるかと少し言葉を濁したが意味は多分伝わっただろう。
結局、今日のところは手を出さずに上機嫌の内に帰宅する事になったのだった。

ご案内:「王都 貧民地区・自宅」からホルンさんが去りました。
ご案内:「王都 貧民地区・自宅」からブレイドさんが去りました。