2018/01/12 のログ
ブレイド > 「はっ……う、ぐ…ぅっ!
もっと…もっと、おぉおぉっ…!!
あ、っは…あぁぁっ!」

濃厚な子宮の歓迎。
身体がそれを求めてしまう。
もとはと言えば、始まってしまえば堪え性のない少年だ。
強気に振る舞っていてもそれは変わらない。
いやらしい肉たちが踊っているのをみながら、アナルをいじった瞬間の締りで、我慢できずにおもらし射精。

「く、うぅ…いい、ぞ…」

だが、崩さない。
腸内に指を三本つき入れて、狭くなった膣内をちんぽで何度も突き上げる。

「汚いとこ、犯させようとしたのか?わりぃやつめ…」

すっかり精液の染み込んだ子宮。ぷりぷりの尻穴。
どこを犯しても一級品のエウロペだ。

エウロペ > 「んっ…ふぅっ…っ、熱いの…ちょっと来たぁ…っ」

はぁはぁと荒く息を吐き、壁に付ける手の平に力も入る。
体格差もある相手にここまで淫らにさせられてしまうのかと、ブレイドが頼もしく、そして末恐ろしくもある。もちろん良い意味で。
彼がほんのり中出しをしてしまえば、子宮に感じる僅かな熱量に嬉しそうに微笑む。
こんなに締め付けてるのに我慢してる姿が、やっぱり愛らしい。
いったいどちらが攻め側なのだろうか。

「んあ…っ、わ…私…悪いやつだから…ブレイドのおちんちんで成敗されちゃうのね…」

締め付ける尻穴にさらに指が入れば、異物感と圧迫感を感じて身震いし、膣がさらに締め上げられる。
膣ほどではないがしっかり蠢く腸内に、挿入したくてたまらなくさせていく。

ブレイド > 「こんなんじゃ…おしおきになんねぇ、からっ…!
こうだっ!もっと、痕つけてやる…っ!!」

射精を堪えられなかったことを知られれば気恥ずかしさもあり、照れ隠しも含めて。
尻肉に思いっきり平手を打ち付ける。真っ赤になってしまうくらいに。
それを、何度も。音と体が引き締まるような痛みはあるが
激痛というほどのものはない。おそらくは、そういう配慮をしているせい。
もちろん、腰も動かしたままなので、油断したら射精しそう。

「そう…っ、だっ…!オレが……教育してやるからっ!!」

尻穴に指を根本までねじ込んで、中で蠢かせる。
二本の指を広げれば、ぽっかり口を開けてしまうだろうか。

エウロペ > 「あんっ…はうっ…お、お尻叩かれるのにぃ…感じちゃうっ!」

攻撃的な言葉を並べるブレイドにうっとりと密かに舌なめずり。
大きな尻を手の平で叩けば、赤い痕がしっかりと残る。
ぱちんっべちんっと音が響き、尻肉が弾んで波打つのがより扇情的に映るか。
ちょっと痛いが十分に快楽を生み出すもの。
スパンキングされながらの肉棒の突き上げに、エウロペの絶頂も高まっていくと同時に、痛みによって膣肉が力強く締め上げられ、子宮口が亀頭から離れなくなるほどに吸い付いた。

「ひあぁっ!お尻広げちゃだめぇ…っ、恥ずかしいからぁ…。
見ちゃ…だめぇ…」

尻穴に入り込んだ指が広げられてしまえば、ぽっかりと広げられ、ブレイドには穴の奥までよく見えてしまうか。
とろりと腸液を垂らしながらひくひくと蠢く尻穴は、エウロペのもう一つの性器。
それを見られてしまい、恥ずかしそうに赤くなり涙目になった横顔がブレイドに向けられた。

ブレイド > 「やっぱり…っは…ドスケベ牝じゃねぇかっ!
うっ、ぐ……マーキングっ…してやるからぁっ!!
スケベな、牛女に…焼印ッ…!!」

何度も手のひらを打ち付け、真っ赤になった尻肉。
ぷるんぷるんと波打ち、痛々しいはずなのに…エウロペの声と表情は蕩けてしまっている。
当然、膣内も同様に。
そして、その宣言通り熱く焼けるほどの精液を吸い付いた子宮口からエウロペの子宮へと…
一気に流し込む…いや、叩きつけるように射精する。

「あっ…おっ……うぐ、うぅぅっ♪
あ、は…全部見ててやる、から……だらしなく、イッちまえっ!」

射精途中で膣内から無理やりちんぽを引き抜いて、熱い精液を広げた尻穴…赤く腫れ上がった尻に浴びせる。

エウロペ > 「はぁっ!あぁっ!マーキングされちゃうっ!ブレイドのものになっちゃうぅっ!
あああぁぁぁぁぁぁっ!熱いのぉぉぉぉっ!」

尻を真っ赤にしながら快楽に打ち震えるように腰をくねらせ、肉棒への刺激を強めていく。
そして子宮口が亀頭に吸い付いたまま、熱く濃厚な精液を容赦無く叩き込まれてしまえば、精液が子宮の壁を叩いて満たされていく感覚にエウロペも絶頂し、ぷしゃあぁぁぁっ!と派手に潮を噴く。

「あひっ!?ま…まってっ!おちんぽ抜いたら降りちゃうっ!子宮降りちゃ…んはぁぁぁぁっ!!」

さらに射精の途中で肉棒を抜こうとすれば、本能のまま亀頭に吸い付く子宮口まで引き摺られ、子宮が降りていってしまう。
じゅぽんっと肉棒が抜けたときには、開ききったエウロペのどろどろ雌穴から、子宮口が出てしまっていた。
肉棒が残りの精液を尻にぶっ掛ければ、肌色と赤色とのコントラストが映え、練乳をかけたイチゴのような色合いになった。
エウロペは脱子宮されて思い切りイッてしまい、舌を出して蕩け顔を壁に向けながら、子宮と尻の熱さにぶるぶると立ったまま痙攣していた。

ブレイド > 「あ、ふ…なんだよっ…だらしねぇ……はぁっ、子宮…」

しょうがないなと言わんばかりに
子宮口を掴み、指先でコリコリいじってやる。
潮吹きして、脱子宮して…痙攣までしているエウロペ。
だが……そう、まだだ。まだなのだ。
まだ、こっちが…だらしなく指で開かれた穴がこんなに欲しがっているじゃないか。

「コッチでなら…しっかり、うけとめれるよなっ!」

指を抜き、代わりと言わんばかりにまだ硬いままの肉棒を尻穴にねじ込む。
ぷにぷにこりこりとした子宮口の初めての感触を指で味わいながら尻を犯して。
精液に汚れた尻肉をたわませるほど激しく腰を打ち付ける。

エウロペ > 「はぁっ…はぁっ……だってぇ、あんまり…気持ちよくて…。
んはぁっ!」

まさか射精途中で抜こうとするとは思わなかった。
中出しとぶっかけを同時にやられてうっとりした表情を向ける。
出てしまった敏感な子宮口を捏ねれば、ビクンッと大きく身体を震わせて反応を示す。
どろっとその穴から出したばかりの精液が溢れ出す。
よく考えれば生での中出しなのだが、妊娠はしないようにしていた。
そして指で広げられたままの尻穴は、無意識のまま物欲しげにひくひく蠢き腸液を垂れ流しにしていた。

「こっち…?…んひゅっ♥
おっ♥んぉぉっ♥おしりっ、抉られりゅっ♥」

まだ絶頂の余韻に浸った状態のまま、コッチと言われても何のことかわからず。
そのまま勃起ちんぽを遠慮なくアナルにズブンッと打ち込まれてしまえば、思いがけない快感にだらしない顔を晒して意識が一瞬飛びかける。
ブレイドの攻めに堕ちかけ状態になって、低い喘ぎ声を聞かせながら、下品な顔になっていく。

ブレイド > 「これもっ、きもちいいのかよっ…!く、は…ぁっ…
なら、いっぱい…してやらねぇと…っ!」

腸液でトロトロになったアナル犯しながら、子宮を絞るように
だがおもったよりも繊細に優しく刺激する。
生出しであることを示すように、子宮から漏れ出す精液。
途中までとは言え多量に注ぎ込んでたことがよく分かる。

「そう、だよっ…!あ、うっ…♪こっち、なら……ぜんぶっ…!!
だから、もっとスケベな…メスになっちまえ!!」

エウロペの背中にのしかかるようにしながら、耳に囁くように。
子宮を触り、尻穴に肉棒つきいれ犯しながら。

エウロペ > 「いっぱいに…してぇっ♥
ブレイドの濃厚ザーメンっ、もっと欲しいっ♥」

すっかり蕩け顔で喘ぎながら、ミッチリと肉棒を直腸で搾り上げる。
射精したばかりの肉棒へは、かなりの刺激になるだろうか。
なにより肉厚の尻に挟み込まれているようなものであり、その圧力もまた膣よりも強い。
それでも力強く腰を打ち付ければ、出てきた子宮口からどぷっごぷっと精液が溢れ出していく。

「んふっ♥なりますぅっ!ブレイドのスケベで淫乱なメスになりますっ♥」

体重を掛けられてもエウロペにはなんら問題はなく。
むしろ囁くように耳元でメスになれと言われたほうが、足腰をぶるりと震わせることができたし、またぶしゃあっと潮を吹かせることもできた。
そのまま今度は決して抜けることがないよう、直腸と尻穴はミッチリと肉棒に張り付いていく。

ブレイド > 「正直になったな…っく、うぅうっ…!!
いい、ぞっ…!」

蕩け顔の女の孔をパンパンどちゅどちゅと音を立てながら
体格差のあるその体にしっかり抱きつく。
これならば離れることはないだろう。
つまり、尻穴と言えど中出しの体勢。

「なれっ!なっちまえっ!!でるっ!!イク、ぞっ!!」

自分だけではない。エウロペも逃すまいと尻穴と直腸で捉えてくる。
最奥にずっぷりとつきいれ、そのまま濃厚な精液を一気に放つ。

エウロペ > 「んへぇっ♥お願いっ、お尻いっぱいにザーメンくださいっ♥」

尻に腰がぶつかる音、どちゅっどちゅっと腸液まみれの穴を極太でほじくり回されてる音。
それらが耳に響いてくるだけでとてつもない快楽が生み出される。
ガッツリと中出しする体勢のブレイドに応えるよう、アナルがギッチギチに締め上げられ、そして。

「わ、わらひもイくぅっ♥んふうぅぅぅぅぅぅぅぅっ♥」

ブレイドとほぼ同時に達することになり、濃厚精液をたっぷり直腸に叩き込まれていきながら、またしてもぶしゃっと潮を噴いてしまう。
彼にたっぷり注がれてしまった腹は、下腹部がぷっくりと膨らんで妊娠初期のような腹になってしまう。
エウロペは腸に感じる高温に蕩け顔のまま涎を垂らして絶頂の余韻に浸りながら、肉棒の中に残る精液を搾り出すように直腸をきつく蠢かせている。

ブレイド > 「くぅぅぅぅっ……!!ん、ふ、おぉ……」

根本まで飲み込ませ、足元に暖かな潮を浴びながら
びくりびくりと震え、何度も精液を吐き出す。
膨れる腹、締め付けてくる腸壁。

声を漏らしながら、最後までたっぷりと絞り出され
腸内が火傷するほどの熱さを伝えて。

エウロペ > 「あぁぁ♥お腹の中熱いのぉ…」

ブレイドの肉棒から、玉から精液を全て搾り上げるかのように締め付ける直腸。
何度も精液を叩き込まれればその度に腹の膨らみが増し、妊婦のようなボテ腹となっていく。
やがてずるずると脚が折れていくと、ブレイドを落とさないようにしながらゆっくり、洗い場の床へ崩れ落ちていく。
ブレイドの肉棒を締め上げる尻の力も緩くなり、ようやく肉棒を抜くことができるか。

ブレイド > 「はっ……ああっ……あ……」

ずるぅっと尻穴から肉棒が抜ける。
それと同時に脱力。エウロペの背中でぐったりと。
荒い息をただそうと、肩を上下させて。
家を見に来ただけだと思ったら……

エウロペ > 「んふ…ブレイド…お疲れ様、かな」

背中の上でぐったりするブレイドに、労いの言葉を投げかける。
その表情は元の母性的なもの。
先ほどの彼の乱暴な言葉遣いや、牛女とか呼んでいたのをまったく気にした様子などなく。
このあと結局一泊していったのか、それとも小休憩の後にセックスを再開したのか。
はてさてどちらになるやら。

ブレイド > 「あ、う…すまね、やりすぎて……」

労われると、少し気恥ずかしい。
いや、いたたまれないというか。
彼女の背中で頭を垂れる他無い。
この後のセックスはおそらくは…エウロペ主導になるだろうと予測がつく。

エウロペ > 「ふふっ、私はよかったわよ」

大人の余裕か、汗ばんでこそいるが柔和な表情を見せる。
申し訳なさそうな顔をして背中に乗ったままのブレイドのお尻をとりあえずなでなで。

「もっとしたい?」

そんな質問をしながらブレイドをゆっくりと背中から降ろしてやり、改めてシャワーからお湯を出してお互いの身体を洗い流そうとする。
やるとしたら、今度はエウロペが攻め手になろうか。

ご案内:「平民地区にある民家」からエウロペさんが去りました。
ご案内:「平民地区にある民家」からブレイドさんが去りました。
ご案内:「王都平民地区民家の軒下」にミコトさんが現れました。
ミコト > その日は珍しく朝から深々と雪が降っていた。
人々が雪を踏み抜く音がいつもの喧騒の中に混じる。
馬車はいつもより速度を落とし、道行く人も心持ち急ぎ足になる。
世界が白く染め上げられる中、ふと大通りから小路を覗き込めばそこにも真っ白な世界が見えるだろう。
――わずかに地面の色が見えるそこにも余す所なく全身白い少女が正座していたのだから。

「……降るな。」

少女は人非ざる白銀の瞳を上げ、深々と舞い落ちる雪を眺めながら小さな声で呟いた。
人々が寒さに凍える中、隙間の多い狩衣一枚を羽織っただけなのに身震いひとつしない少女の姿はいかほどに異質に見えることか。

ご案内:「王都平民地区民家の軒下」にブレイドさんが現れました。
ブレイド > 朝から降りしきる雪の中、さくりさくりと路地をゆく少年。
ここまで雪が深くなるとは思っていなかったため
小遣い稼ぎにと簡単な配達依頼をギルドで受けたのだが…。

「クソが……」

暗色の外套はまとわりつく雪で重く、ところどころが白に染まっている。
さすがにこのまま歩き続けるも難儀なもの…
顔を上げて視える軒先。家主には悪いが借りることにしよう。
雪のように白い先客のいる屋根の下、ようやく一息つくことが出きそうだ。

「邪魔するぜ」

一応、一言声をかけてはおく。

ミコト > 異国の装束の少女は現れた少年に気付いているのかいないのか、深々と降りしきる雪をじっと見つめ続ける。
あまりにも身動きひとつしない少女は、その人形めいた顔立ちもあって息をしているのかも怪しい。
それはまるで人形のようであり置物のようであり、そして、ヒトと呼ぶにはあまりにも纏う空気が異質すぎた。

「――構わぬ。」

少年の挨拶より数瞬遅れ、少女は身動きひとつしないまま、落ち着いた声音で答えた。

ブレイド > 「…お、おう…」

空気感もあるものの、この寒さの中で薄着であることや、それでいて無表情であること
ましてや地べたに正座である。よもや返事が返ってくるとは思わなかった。
自分で声をかけておいて、帰ってきた少女の声に少し驚いてしまった。

人形か何かというわけでもないのであれば、少女に雪がかからぬように配慮して
自身の被った雪を払う。払うというか、拭い落とすと言った感じになってしまうが。

「くっそ……」

独り言のように悪態。やまない雪を見上げつつ、それとともに少女の方もちらりとみる。
そういえば、なんでこんなところで…?
物乞いの類には見えないが…。

ミコト > 少年が隣でこちらを気にしながらごそごそと動いても気にしているのかいないのか、身動きひとつしないままじっと雪空を見つめる。
まるで深々と降りしきる雪とひとつになったかのように。

「……雪は好かぬか?」

少年の悪態に小さく声が返る。
上目遣いに雪空を見上げる少女の横顔は変わらず、そっとその腕を差し出し、雪を一片その小さな掌へと受け止める。
だが、雪はそのまま儚く消えていった。

ブレイド > 「ん?」

少女の声に、思わず周囲を見回してしまう。
目に見える範囲にいるのは自分と少女のみ。
少女が雪の精霊かなんかならば、雪に話しかけたとも考えられるが…それならばこの問はおかしい。
ひとまずまとわりついた雪を落としきると、雪のような少女の問いに答える。

「あー…嫌いじゃねぇよ。見たり遊んだりする分にはよ」

ただ、今日は予想以上に降雪したことと
依頼内容的に都合が悪かったというだけである。
寒い事自体は苦手であるが。

ミコト > 「左様か。」

少年の答えに静かな声音で答え再びしばしの沈黙。
ただ、じっと掌に降り注ぎ消えていく雪を見つめ続ける。

「妾も嫌いではない。いや、嘗ては嘗ては好ましくは思っておらなんだが、此地へと参ってより好ましくなったと云うのが正しいか。」

無表情は変わらないものの、どこかさみしげな空気を纏い、再度雪空を見上げる。

「願わくば、全てを覆い尽くす程降り続いて欲しいものよ。」

神たる自分が一体何に願うというのか……己の言葉に小さく苦笑を漏らす。

ブレイド > 「…そっか、ってことは遠くから来たのか。
あんたの故郷じゃよく降ったのか?」

少女の言葉の端から、おそらくは遠く異国より来たのであるということは伺える。
どういう事情があるかは分からないが、さみしげな様子から望んできたものではないのかもしれない。
先住民たるミレー族ですらもはや生きづらいこの国だ。
異国民なら言わずもかなだろう。

「全てを…ね…」

同じように雪空を見上げる。
まだ止む様子はない。少女と同じようにその場に腰を下ろして。
はぁっと、白い息を吐き出す。

ミコト > 「遠く……そう、遠い。だが、幾星霜経とうが我が目蓋には彼の地の様が焼き付いておる。」

そっと瞳を閉じる。
かつて愛した地を、民を思い出し……。

「冬は雪深き地であった。だが、民は皆一様に明るく健気であった。彼の安寧を守れるのであれば、妾の身のなんと安きものよ。」

そう、彼らのことを思えばこの身に受ける屈辱とていくらでも耐えられる。
昨日の羞恥と屈辱とて……。
少女の下半身から、ぐちゅりと湿った音が響いた。

ブレイド > 少女の言葉を聞けば、複雑な表情。
高貴な生まれだったのかはなんとなく程度にしかわからないが
それでも、故郷を愛していたことは少年にもわかった。
それが、いま…遠い異国。
こんなに冷たい地面に座り、同じ雪を見上げているのだ。

「わりぃ…辛いこと聞いちまったか。
無理やりつれてこられたとかなら、こんな国雪で埋まっちまえーなんて思う気持ちもわかるぜ。
なんとなくな」

自身もこの国は嫌いだ。
奴隷とされた棄民故に。

ミコト > 「構わぬ。妾が選んだ道なれば辛き事などあるはずもなし。」

静かな口調で答え、ゆっくりと首を巡らせ、初めて少年へと人非ざる白銀の瞳を向ける。

「汝は優しいな。先日も優しき者に出会った。此の国も捨てたモノではない。汝とて此の国に愛する者がおるであろう?」

わずかに可憐な唇の端が上がる。
小さな小さな笑みは少年への好意の表れだろう。

「妾はただ、我が身を見えぬようにしてくれれば、それで良い。妾の浅ましさを見られぬように。」

それはお互いの姿を確認することしか出来ない夫神のことを思っての言葉。
ゆっくりと視線を雪空へと向ける。
此の空の下、今どこにいるのであろうか、と。

ブレイド > 「後悔はないってのはわかるけど…そんでも…
いや、いいか…オレが言えることじゃねぇな。わりぃ」

少女が決めたことだ。
そこに何があって、どういう事情があったかは分からないが
彼女の言葉から察するに、愛する者達を守るためのことなのだろう。
その献身を自分が測っていいものではない。
頭を下げるために顔を少女へと向ければ、人とは違う…白銀の瞳と目が合う。

「優しかねぇさ。あんたに渡す敷物ももってねぇしな。地面、つめてぇだろ?そのカッコじゃさ。
あと…そうだな…いいやつもいるし、そういうやつもいるけどな、オレもこんなんだ。
この国はあんま好きじゃねーんだ」

自身のフード付きマントを脱いで、耳と尻尾を見せる。
棄民、奴隷種族の証だ。
少女の瞳が人とは違ったから…見せてもいいかと思った。

「あんた、雪みたいに白いもんな。
でも、浅ましくなんてねーとは思うぜ?
なんつーか……皆のためにがんばってんだろ?かっこいーんじゃねぇの?」

深い事情は知らないが、なんとなくで理解している少年はそう思う。
少し離れた少女に脱いだマントを差し出して。

「まぁ、これ敷いとけよ。予備はもってるからよ」

ミコト > 「冷たいのが良い。我が浅ましき身が醒めるようで。もはやそのようなこと望めぬも分かっておるがな。」

身体に刻まれた雌の感覚はもう二度と消え去りはしないだろう。
貫かれる悦びを知ってしまった身体は少女の願いを決して聞き届けはしない。

「そうか。此の地は汝らの故郷であったな。そうか……思えばあれから二百年(ふたももとせ)程か……。あの折、応じておれば……否、今更詮無きことか。」

かつて、王国に追われた獣耳の民に助けを求められた時のことを思い出す。
遠き国のことと、自らの民を守るためと、彼の願いを無下に断ったこと……白銀の瞳が遠くを見つめ、そして、少年へと頭を下げた。

「耐えれば良ければ幾らでも耐えよう。だが……次第に耐えなくとも良くなってゆくのが……怖い。」

わずかに苦笑を漏らしながら、少年がマントを差し出したのを見て立ち上がる。

「構わぬ。妾はもう往く。汝も愛する者の元へと帰るがよい。帰るべき場所があるのは良いことよ。」

差し出されたマントを片手で制し、カポ、カポ、と独特の足音を響かせ歩いて行く。
その足音は途中で雪を踏みしめる音へと変わり、大通りへの角を曲がる頃、光る雫が内股を膝下まで伝って溢れていた。

ブレイド > 「そっか…まぁ、自戒ってやつは止めねぇけどさ」

少女の自罰的な言葉。
困ったように眉を寄せる少年は知らない。
少女の奥の雌の衝動など知る由もない。

「まぁ、だいぶ昔みてーだけどな。そんな昔のことで今までこんな扱いだ…変えてー気持ちはあるけどな」

頭を下げる少女には首を傾げつつ。
まさか、そこまで長くを生きるものだとは思い至っていない様子で。

「そっか。雪…やんでねぇけど、気をつけて……っ…!?」

立ち去る少女を見送る。
彼女が見えなくなる直前に、太ももに…いや、内股が濡れたように光っていた気がした。

「気の所為…?」

さすがに、普通に話していただけだというのに…それはないだろう。
すこし色に染まりすぎたかと頭を振りつつ、再びマントを着込めば、自身も通りへと。
帰り道は同じ大通りへと向かう道なのだが…追いかける意図はない。

ご案内:「王都平民地区民家の軒下」からミコトさんが去りました。
ご案内:「王都平民地区民家の軒下」からブレイドさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/雑貨屋」にティネさんが現れました。
ティネ > 建物と建物の隙間に建っているような小さな道具屋。
満足に日照のない薄暗い部屋の中、陳列棚に並ぶ透明な瓶。
そのうちの一つに、一体の妖精の少女が膝を抱えてすやすやと眠っていた。

もちろんこの店の商品ではない。
ティネが昼寝の場所に選んで勝手に潜り込んでいるだけだ。
店主がソレに気づいている様子はない。