2017/12/18 のログ
ご案内:「ダンジョン」にルルディさんが現れました。
■ルルディ > ダンジョンの通路、空中に突如光の粒子が集まる。粒子同士が結合し、一瞬の閃光となって弾けると、そこには人影がひとつ。
「……で、どこなのかな。ここは?」
片手に杖を携え、もう片手に鞄を下げたその者……精霊は、眩暈を堪えるようにかぶりを振って、薄汚れた天井を仰ぐ。
誰かに向かって不満を訴える響きの言葉は、誰も聞いていない事を重々承知した諦めが滲んでいる。
本人としては認めたくない事だが、その精霊は方向音痴だった。それが一因となっているのだろうが、魔法による転移が長距離になればなる程、こういう事が起こる。
こういう、何とも腹立たしい事故が。
「よりにもよって、こんな辛気臭い所に出るとはね。でも、まぁ……いいさ」
独りごちて、フンと鼻を鳴らす。ついでに、サンダルのつま先で無機質な床を軽く蹴った。不満を表明する相手が居ないのだから、仕方ない。
いつかこの欠点を克服してやる……と内心強く決意しながら、精霊は取りあえず前方に向かって歩き出した。ここが何処かさっぱりなのだから、前も後ろも無いが。
何にせよ、安全な場所を見付けて儀式を行い、再度転移魔法を試みる必要がある。それも、早急に。
こんな辛気臭い空間からは一刻も早くおさらばしたかった。こう石に囲まれた場所では、どうにも気が休まらない。
つかつかと、奥? に向かって歩く。どこに出るかは、全く見当もつかないままに。
ご案内:「ダンジョン」からルルディさんが去りました。
ご案内:「ダンジョン」にルルディさんが現れました。
■ルルディ > 無機質な石の通路を歩き続ける精霊。その表情はげっそりとし、疲労が色濃く浮かんでいる。
「……10分か20分程度しか歩いてないはずだけど、もう一晩は歩き続けた気分だ」
陰鬱で、代わり映えのしない風景に周囲を囲まれ、どこまで続いているのかも分からない闇に向かって歩を進めるのは実に億劫だった。
双肩に伸し掛かるような疲労感は、肉体的なものではなく、精神的なものが大半を占めている。
歌でも歌って気を紛らわそうかとも思ったが、虚しくなりそうなのでやめた。不満をぶつける相手は石ころひとつとして無く、唇を尖らせる事しか出来ない。
「ああ、もうお日様が恋しくなってきたじゃないか」
小声で、薄暗い空間に向かって文句を投げる。発光性の苔が生えた天井を見上げ、やれやれと肩を竦めて歩くのに専念した。
独り言も、呟いてみれば思ったより虚しい気分になるものだ。取り敢えず、頭の中でひたすら歩数を数える。
百歩、二百歩……。