2017/08/28 のログ
ご案内:「マグメール平民地区/広場」にリュシーさんが現れました。
リュシー > (広場では今夜も、きっといかがわしい見世物が執り行われている。
しかし、人通りがあるということは、今、己がやろうとしていることにも、
決してマイナスではない筈、である。

まずはできる限り人の良さそうな、ついでに性欲など枯れていそうな、
露天商のおじさんを発見した。
そっと擦り寄っておじさんの脇へしゃがみこみ、嘘泣き交じりに身の上話を―――
当然、それもとんだ嘘八百であるけれども―――披露して、同情を買おうと。
昼間、自室からこっそり持ち出してきた指輪など、そっと披露して。

べそべそ、嗚咽交じりに「急逝した親の形見」なのだと説明し、
良かったら買い取ってもらえないか、あるいは、ここで一緒に売り手をやっても良いか―――などと。
正直、あまりうまい芝居とは言えないだろうが、
子どもの外見が功を奏してくれるのではないか、と、密かに期待しつつ。
めそめそ、めそめそ。両手で目許をごしごし擦り、わざと赤くしながら、
おじさんの表情をちらちらと窺い見て)

リュシー > (我ながらとんだ大根役者だと思ったが、驚いたことに相手は信じた。

想定していたよりも幾分高く買い取ってくれる、と告げられて、
飛びあがらんばかりに喜ん―――では、明らかに怪しまれそうなので自重する。
代わりに、相手の手を両手で握り締め、調子よくウルウルと潤んだ眼差しで)

あ、ありがとうございます……!
このご恩はきっと、きっと忘れません、本当にありがとう……!

(ほろほろ、タイミング良く転がり落ちたしずくに、相手までが涙ぐむ。
周囲の露天商のなかには、きっと呆れ果てている者も居るだろうが、
とにかく無用の長物たる貴金属の換金に成功したのだ、構うことはない。

―――ただ、離す前に相手の手の甲へ、そっとくちづけたのはやり過ぎだったかもしれないが。)

リュシー > (―――とにもかくにも、今夜の宿代は稼げた。

受け取ったばかりのお金を握り締め、すく、と立ち上がった己は、
おじさんにだけは丁寧なあいさつをして広場を後にする。

明日のことは明日考える、結局はあまり賢くないのだろうが、
己にできる方法で、生きてゆくしかないだろう。
とりあえずは今夜の宿を見つけるところから―――。)

ご案内:「マグメール平民地区/広場」からリュシーさんが去りました。