2017/06/14 のログ
ご案内:「ドラゴンフィート」にルークさんが現れました。
■ルーク > 九頭龍山脈の麓、街道の分岐部にあたる場所にある集落は、この国の他の場所とは少し異なる。
人もミレー族も平等に扱われるそこは、治安が良く活気に満ちている。
集落の奥にある、民間軍事組織チェーンブレイカーの建物の横の広場で、隼に乗って出かける主を見送る。
周りには、まだあどけなさの残る隼の若鳥たちが羽を休めている。
一羽一羽に契約したパートナーがいて、空からの守りや攻撃を担う。
文字通り鳥のように空を駆るのは、どのようなものなのだろうか。
羽根のないルークは、鳥のように空を駆る主を見送るだけだ。
彼の契約している隼は、ここにいる雛から成鳥の合間にある若鳥たちよりも大きく立派な体をしているため、二人乗りもできるのだろうが、乗ったことはない。
そもそも、馬に乗ることはできるよう訓練はされているものの、ルークには動物と関わった経験も少なくどのように接していいのかわからない。
今もあどけない金色のいくつもの瞳からの視線に、少し戸惑う。
それはともかくとして、主の用も軽いものだったはず。
隼の飛行スピードであれば、すぐに戻ってくるかもしれない。
その間に少し済ませておきたい事柄がルークにはあった。
立っていた場所から踵を返せば、ふわりとスカートのレースの裾が風に広がる。
隼の広場を出て、警備門を抜ければその先にあるのは人々で賑わいを見せる集落の観光地区だった。
様々な露天では、食べ物や土産物が売られ娼館や商店が立ち並んでいる。
観光客相手だけでなく、この集落に住む人々の生活を支える場でもあるそこには、生活雑貨をはじめとした品物を扱う店も多い。
「………。」
さて、いざ足を踏み出してはみたものの、この集落の地理には不慣れだ。
ざっと仕組みは主が初めて連れてきてくれたときに案内をしてくれた為理解しているが、店の一つ一つとなるとどこで何を扱っているかなどは分からない。
とりあえず目的のものは、屋台で扱うものではないため商店が立ち並ぶ方へと足を向けるが。
■ルーク > 一軒目、革製品の店。二軒目、鍋をはじめとした金物の店。
三軒目、四軒目と店の名前とちらりと中を覗いては目的のものを取り扱っていないかを確認するのを繰り返す。
「………。」
なかなかお目当てのものを扱っている店が見つからない。
かといって、誰かに聞くのも探しているものの性質から気が引ける。
ふぅ、と微かにいつもよりも多い吐息を零すと気を取り直して足を進める。
店を探すだけで随分と時間がかかってしまった。用を済ませた主が戻ってくるかもしれない。
組合の建物の外に出かける旨はあらかじめ伝えてはあるものの、あまり遅くならないに越したことはない。
『あれ?ルークさん、こんなとこでなにやってるの?』
『あ、ほんとだルークさんだ。』
『組合長は今お出かけ中だったよね?おつかい?』
きゃっきゃと、明るい笑い声を伴いながら幾人かの少女が道を歩いてくる。
その少女たちの頭や腰からは、人間にはない猫のような耳と尻尾が一様に生えていた。
「…組合の…。いえ、おつかいではなく個人的な買い物です。」
どの顔も見覚えのある組合員の少女たちだ。
あたしたちは今日非番でお買い物中だよ~と、別の少女が声をかける。
どの少女にも、ルークの服装が変わったことに食いついて質問の嵐をあびせられたものだ。
おつかいではなく、個人的な買い物であることを告げると、彼女たちは何何?何を買うの?お店分かる?案内するよと、好奇心旺盛に質問などが飛ぶ。
見知った少女たち。彼女たちなら、この集落の店にも詳しいだろうし打ち明けてもいいかもしれないと表情の動かない中で考えると、ルークは口を開く。
「……よろしければ、下着を扱っているお店を紹介していただけないでしょうか。」
少しの逡巡のあと、そう彼女たちにつげれば下着?と首をかしげたあとでその意図を深読みした少女たちが、いたずらっぽい笑みを浮かべる。
『そっかぁ、うんうん、うんっと可愛いの扱ってるお店をしってるから案内するよ、いこいこ』
そう言うと少女たちはルークの手をとり、その店の方へと歩き出す。
「………。」
探しているものの意図を察しられた事に、気恥ずかしさを覚えながらも手を引かれて店のほうへと数人の少女とともに歩んでいく。