2017/03/24 のログ
ご案内:「九頭龍山脈麓の集落・ドラゴンフィート」にタマモさんが現れました。
タマモ > 「………で、ここがどらごん…なんちゃら、じゃったか?」
『ドラゴンフィート、と言っただろう?
いい加減覚えたらどうだ、馬鹿狐』

九頭龍山脈麓にある集落、その上空にある二つの影。
広がる集落を上から見下ろしながらの少女の呟きに、隣に居る男のツッコミが入る。
一瞬、少女はむっとした表情をするが、すぐに戻る。

「長ったらしい名前というのは、覚え難くていかん。
こう…もうちょっと簡単にならんものかのぅ…?」
『………』

続く少女の言葉に、男は軽く首を振る。心底呆れたように。

『何にしても、まだ次がある。行かせて貰おう』
「うむ…では、妾は軽く見て回るとするのじゃ」

残す言葉と共に消える男、少女は再び視線を集落へと向けた。
場所が場所だ、人の行き交いは多そうだ。
その辺りは、先程までこの集落の詳細を聞いていたので分かっている。
ふむ、と軽く頷くと…ゆらりとその姿は消えた。

別にその場から離れた訳ではない、気が付けば、集落の中にその姿はあるのだから。

タマモ > 「やれやれ…最近は、妙に覚えさせられる事が多くて頭が痛くなりそうじゃ」

はふん、軽く溜息。
1年近くも居て、この地の事をほとんど何も知らないのは如何なものか?
そんな話が、追ってこの地にやってきた式神の少女から出たのは少々前か。
救いを求めるも、もう一人の男からも同意の意思。
仕方なしに、集められていく情報を得ていき、その確認を含めてこうしてやってきているのだ。

その足は、迷う事なく観光地区へと向けられていた。
他の地区?奥の建物?そんなもの、後で調べればいい。
目的は…まぁ、珍しい物とか、美味しそうな食べ物とか、そんな感じか。
それくらい自由にさせて貰えなければ、こんな事はやってられない。

タマモ > さて、と言った感じに一枚の紙を広げる。
この集落の細かな地図と、歴史、主要人物、現在の立ち位置等が書かれているものだ。
この集落の中でこんなものを堂々と広げているのは、書かれている文字が自分達が本来使っていたものだから。
見られたところで、これを読める者はそうそう居ない。
もっとも…細かに書かれた地図だけは、見る者が見たら理解してしまうかもしれないが。
まぁ、それはそれ、こんな場所にそんな者が来ているとは思えない。
居たとしても、目立つだろうからいくらでも避けようはある…はず。

「………まずは、食べ物じゃな、うむ」

ざっと見た感じ、珍しい物は商業地区、食べ物は観光地区、分かれていたらしい。
軽く考えた後、まずは小腹を満たそう、という事になった。

タマモ > 紙を広げたまま、観光地区を歩く。
どこに何があるのかは、大体地図に載っている。
ここに寄って、ここにも寄って、そんな感じに美味しい料理にありついていた。

「こう言ったところは、褒めておくべきところじゃのぅ?」

途中で買い込んだ食べ物やら飲み物を、歩きながら飲んでは食べる。
…行儀が悪い?気にするな。
そんな事をしつつも、地図の確認もちゃんとしておく。
どこにどんな店があるか、店によっては従業員等にどんな者がいるのかも確認している。

…やる事をやっておかないと、後で突かれた時に答えれないと…うん、あれだ。

タマモ > 観光地区を巡れば、今度は商業地区。
…と、この辺りは割愛しても良い気がする。
ぱっと見で珍しい物が無さそうだから、である。
この地で合わせたような武器や道具、そういった物にはさほど興味はないのだ。
自分に合った物があれば良いのだが…そうそうあるものではない。

「さて、と…」

一通り見終わったのち、その姿は再び観光地区にあった。
その視線は、今は遠目に見える門に向けられたいた。

「上から見る分ならば、ばれんじゃろうが…ここから近付いたら、あからさま過ぎるじゃろうな…?」

あの先に、なんとか組合とか、そんなものがあるらしい。
…別に覚える気がない訳ではない、覚える事が多過ぎるのだ、勘弁して欲しい。
それにしても、よくここまで一人で調べ上げたものだ…と、そう思う。
もっとも、あの式神が持つ能力の一つは隠密に特化したもの。
入り込むのは軽いものだろう。
それと同じ事をやってみろ、と言われても出来やしない。
まぁ…別の方法で入る、という手はあるが。

とりあえず、壁の近くまでは行ってみる。
適当に、一番高そうな建物を探り…とん、と一気に屋根の上へと飛び移る。
何とか中が見えるだろうか?
普通に見ては無理だが…色々と人並みで考えられても困るもの。
意識を集中し、視覚と聴覚を強化していく。
中で何が行われているのか、それだけを確認する為に。

タマモ > 書かれた重要人物には会えはしないが、内容的にはほぼ間違いはない、それは確認出来ただろう。
意識を切り、一息。

「それにしても…いや、良いか…」

中に見えたのは、聞こえたのは、なにやら訓練をしている様子。
確か、ミレー族を主体とした構成の部隊とか何とか?
成り立ちやらを考えるに、まぁ…そういうものなのは分かるが…少女には、少々引っ掛かるものがあった。
それを口にしたところで、仕方ない。
ぐーっと軽く伸びをすれば、更に屋根を蹴り、空を舞う。

王都に比べれば、居心地は良い場所だ。それは認める。
だが、どうしても僅かな引っ掛かりが消える事はなかった。

そのまま、少女の姿は空に溶け込むように消えていった。

ご案内:「九頭龍山脈麓の集落・ドラゴンフィート」からタマモさんが去りました。