2016/12/31 のログ
ご案内:「王都マグメール郊外」にラフェルさんが現れました。
■ラフェル > 王都から徒歩でも歩ける程度の距離、そこに広がる大きいとは言い難い森林地帯。
流れる川の畔、程よい大きさの石の上に腰掛けていた。
いつも忙しそうに飛び回っているも、たまには体を休める事もあるもので。
白き翼を畳んだ状態で、さらさらと流れる小川を静かに眺めている。
特に何かをする訳でもない。
ただ、周りに注意だけは払うようにしているのだが。
ご案内:「王都マグメール郊外」にカナムさんが現れました。
■ラフェル > この地に来て、色々と飛び回り知る事も多かった。
自分の出来る事、すべき事は、降り掛かる自然なる不幸を少しでも和らげる為に祈る事、その程度だと思っていた。
だが、現実は違った。
降り掛かる不幸は自然の産物ばかりではなく、手を取り合い生きる同種の者からも受けるものもあったのだ。
この地に下りる前、その頃に話として耳にした事はあった。
それは、噂みたいな話で聞く程度、そんな希少な事だと思っていた。
…実際はどうだろう?
同種であろうと関係無く、相手を陥れる事もある。
様々な感情が入り混じっている世界、正しくも、正しくなくも。
そんな世界で、小さな力しか持たない自分が何を成すべきなのか…
考えるまでもない、今まで通り、やれる限りの事をやるだけ。
それで一人でも、少しでも、幸せを感じる事が出来るなら…きっとそれで良い。
軽く吐息をつき、小さく笑みを浮かべる。
見上げる夜空は雲一つなく、いつものように星や月が輝いていた。
■カナム > 「これだけあれば十分かな」
依頼があまり来ない…来ても実入りの良い物が少なかったお陰で
今日は楽しい魔物狩り
人間と比べて数倍危険な相手を狩る楽しい日銭稼ぎ
「冒険者かっての、終わってみれば楽だったけど」
運良く小さい群れを見つけられ奇襲もうまくいった
大きな怪我もなく気分も爽快
でも帰って換金する前に…返り血位綺麗にしておこうと近くの小川へ
丁度いい場所に川が有ったのでやっと一息つける
「ついでに水も汲んで……何だろあれ…?」
水筒を出したところで気付く
少し離れた場所の岩の上、白衣服と金色の髪
そして背中から生える翼と頭の上に…輪っか?
「新手の魔族か…勝てるかな?」
水筒をしまいゆっくり近づいていく
戦えば勝てるかどうか…魔剣を構えながら距離を詰めていく
■ラフェル > 注意を払っていたからだろう、常に小さな声無き声を聞き行動をする自分には、その声が聞こえた。
もっとも…それは、はっきりとした言葉として聞こえる訳では無く、感情を色で表したような不鮮明なもの。
感じるものは、好奇と挑戦。
近付いていく方向は…まさに自分の居る場所。
何故そんな感情を向けてくるのか、それを不思議に思っていた。
…だからこそか、何をしようとしているのか、見定めようと思う。
少なくとも強い敵意も、殺意もないからだ。
ただ、石に腰掛けたまま、その相手の方へと顔を向けた。
何かある事も考えて、ふわりと畳んでいた翼をゆっくりと広げていく。
■カナム > 「そこの魔族さん、話しはできるタイプ?」
魔力と気は流し込み終わっている
後は剣を振るだけ、一応の確認として言葉を掛けてみる
人型の魔物で言葉も通じないタイプかもしれない
けれど魔族である可能性だってある…むしろそっちの方が有り得る
まさか神話の天使だなんて思ってもない
「あ、魔族じゃないならごめんね?」
ミレー族の亜種とかだったら悪いのでそう付け足す
確実に勝てる相手でもない限りいきなり仕掛けはしない
傭兵は命大事にが常識
もし戦闘になれば…冒険者ギルドで買い取ってもらえるかが心配だ
■ラフェル > 続けて感じるのは、魔力…と、少しの違和感。
警戒が必要か、そんな事を思う前に相手からの言葉が掛けられた。
会話が出来るかどうかの確認と、己に間違いがあった場合であろう謝罪。
…それが聞こえれば、必要かと思っていた警戒は不要となった。
「はい、話し合う事は出来ます。ただ…貴方がふと思った通りに、私は魔族ではありません。
様々な種族の存在するこの世界、そういった間違いは仕方がないもので…ですので、お気になさらないで下さい」
静かに腰掛けていた石から腰を上げ、相手へと向き直る。
言葉を返しながら、己の間違いに悔いを持たぬよう微笑んでみせて。
特に相手が何も仕掛けて来ないのならば、こちらも何かしたりする事はない。
■カナム > 「えっ、そうなんだ…」
正直驚きだった
見た目完全に魔族のそれだと思ってたのに
となるとミレー族の先祖返りってやつ?
「うん。気にしない…ごめんね勘違いして、やっぱり確認って大事だよね」
剣は下げて一応謝罪
会話ができて魔族じゃないと相手が言ったので警戒はかなり薄れた
けど、まだ絶対に安全という訳でもないので魔力と気は流し続けたままにしておく
「お姉さんはこんな所で何してるの?」
とは言え、流石にそこまで警戒し続けてもあれなので水筒を川に浸ける
小さな傷だって洗っておきたいし仕方ない
■ラフェル > 驚きに疑念、次に感じたのはその感情。
考えてみれば、自分の姿は人間のそれとは違う。勘違いをしてしまうのは、思った通りに仕方なかったのかもしれない。
そして、相手が人間でなければ警戒をしてしまう…それも、仕方のない事だ。
「いえ、そんな、謝らないで下さい。
貴方は私を魔族であるかもしれないと勘違いをしようとも、確認をしてくれました。
それによって、何の問題も起こる事なくこうして話をする事が出来ます。
…むしろ、ありがとう御座いました。そう、私がお礼をいうところでしょう」
警戒をする気持ちは、その言葉の通り分からなくもない。
だから、それは話し合いで解消をすれば良いと考えて。
ともあれ、相手のそんな心遣いに感謝をし、頭を下げた。
「この場所が休憩に丁度良さそうだったので、体を休めていたんです。
貴方はここで何をしていたのか、お伺いしても宜しいでしょうか?
あの…小さくも、所々に傷を負っているのが見えますので、気になってしまいまして…」
頭を上げ、答えるついでに相手にも同じ問いを返した。
その体に見える小さな傷が目に付いたから、何かに襲われたとか、何かの弾みで怪我をしたとか、やはり気になるからだ。
■カナム > 「…そっか、うん」
何だかびっくりするぐらい丁寧な対応に少し引いてしまう
今時貴族の令嬢でもこんなの居ないと思うんだけど…
それか尋常じゃない箱入り娘てやつなのかも?
とにかく何故か今はお礼まで言われた
良かった斬りかからなくて
「休憩…そっか、じゃぁ僕と一緒だね
僕は魔物狩りの帰りに綺麗になりに来たんだよ、プロじゃないから返り血と少し傷も負っちゃったしね」
防御なんて考えないからそうなるとは言わないで
攻撃は最大の防御なんだからね!
「傭兵稼業だからお仕事が無いと暮らせないからね
日銭欲しさに一狩り来たって訳だよ。あ、僕の名前はカナムだよ」
よろしくねと付け足して魔剣に注ぐ魔力と気を止める
いや…こんな相手にずっと警戒してるのは何だか悪い気までしてくる
ここまでが演技だったんなら褒めてあげるよ
■ラフェル > なるほど、どうやら相手も休憩をしにきたのだと、納得。
後の言葉に、少し考える仕草をしてしまう。
「そうでしたか…でしたら、変に警戒をさせてしまって申し訳ないですね。
後、その…傷ですか、見せて頂けますか?」
それはそれ、戦術の一つでもあるのだし、それを聞いても責めはしないとは思われる。
多分、ついでに体に気を掛けるような言葉は伝えるかもしれないが。
それはそれとして、気になる点があったので、癖みたいなもので…つい傷付いた事をしれば、聞いてしまう。
「傭兵の方でしたか…なるほど…
戦稼業ならば、お気を付け下さいね?色々とありますでしょうから。
えっと…私は天の使い、ラフェルと申します。その…まだ、見習いという立場ではありますが…」
傷付き、傷付けられる、自分としては好まぬ職業。
だけど、それもこの世界の生き方の一つではあるのだから、思うところはあるもそれは言わずに。
ただ、やはり、そうった生業であると知れば心配だけはしてしまった。
そして、自己紹介をされれば返さなければいけないと、こちらからも伝えておいた。
改めて、もう一度頭を下げながら。
警戒を解けば、それはすぐに気付く。小さく安堵して。
■カナム > 「警戒なんて癖みたいなものなんだから気にしないで?
傷…別にいいけど変な趣味してるね?」
近付き傷口を見せる
所々擦り傷は爪での切り傷が見えるがそこまで深い物ではないが
出血はしているし見ていて気持ちの良い物ではないかもしれない
「そこはものすごく気をつけてるよ、じゃないとすぐ消えちゃうしね。
………そっか、ラフェルは凄いんだね」
ラフェルの事は不思議ちゃんと思う事にした
だって…天の使いとか言われてもさぁ?
悪魔みたいに呼び出せるわけでもないしそもそも実在してるかも怪しい
翼と頭の上の輪は魔法か何かだと思う
「それで、ラフェルはどこから来たのさ?」
ここまで来れているのだから戦えるとは思う
だから気になるのは何処に住んでいるのか、王都でも翼と光る輪を持った人は見た事ない
■ラフェル > 「はい…そう仰るならば、そうしますね?
そうですね、ある意味で言えば趣味と言えるものなのかもしれません。
それをどう思うかは、その方次第でしょう…」
困った様な表情を浮かべながらも、傷口を見ればなんとかなると理解が出来る。
それならば、やる事は一つ…両手を組めば、目を閉じ、祈りを捧げる。
気の短い相手だったならば、少し時間を貰ってしまうので悪いかもしれないけれど。
祈りを始めれば、次第に傷口の一つ一つに薄っすらとした輝きが生まれていった。
それは徐々に輝きを増し…消えていく。負っていた傷と共に。
癒しの力、それを終えれば、閉じていた目を開いて。
「………これで、もう大丈夫でしょう。
私は天界より、修行の一環としてこの地に送られてきました」
相手がどう思っているのか、それは細かい事までは分からない。
それでも、こちらの言葉に対しての疑念は消えてないのは感じ取っている。
普通に考えれば、分からなくもないのだから…気にしてはいない。
ついでに問われた事にも答えておいた。
この答えに対しても、やはり疑念が浮かぶのだろうと、そんな考えは悟られぬように笑顔のままで。
■カナム > 「うん、そうしちゃって」
どうにも正論ばかりで人形みたいな子だなぁなんて思ったり
目を瞑って手を組み出したので放っておいたら…自分の身体が光り出した
はぁ?と見てると傷がみるみる消えていく
「もしかしなくてもラフェルのおかげ…だよね?
魔法が使えるなんて凄いなぁ、将来は魔導士になったりするの?」
あくまで魔法使いと思っている
天の使い云々の話は全く信じていない
神、天使…そんな奴等は絶対に居ないと決めつけている
無意識下でラフェルを天使と認める事を拒絶している
「じゃぁさ、この世界で暮らしている家は何処なの?
王都に住んでるんだったらついでに送ってくけど?」
■ラフェル > 「…はい」
相手がそれで良いと言えば、それで良い。一つ頷き答えた。
消えた傷口を確認するように見遣り、一息ついて。
「えぇ、小さな傷だったので、何とか出来ました。
えっと…その…そうですね、一人前と認められる力を身に付けたいとは思います。
今の私の力は、まだまだ…小さいですので」
相手から消えない疑念の原因は、何と無く分かっている。
それは、相手からの言葉にはっきりと示されていた。
…だから、その部分は濁して答えておいた。
あんまり強く主張をして、より疑念を強めさせても相手に悪いと思ったからだ。
少しばかり、心が痛むところではあるが。
「家は………適当に寝泊りの出来る場所があれば、何とかなりますので…
ここ、という場所はありませんので、大丈夫です。
送ろうと考えて頂いた、そのお気持ちだけありがたく受け取っておきますね?」
体を休めれば、それだけで事足りてしまう。
それゆえに、そういった場所だけがあれば、本当は寝泊りできる場所なんてものは必要ない。
でも、そういう存在でないとした方が、相手に変に考えさせずに済む。
送られるという流れになれば、無駄な心配をさせる。
だから、適当に誤魔化していくしかないのだ。
■カナム > 「へぇ…でも凄いよ、魔法は治療が一番難しいらしいしさ?」
ラフェルは謙遜するが本当に凄いと思う
僕が使えるのなんて本当に応急処置レベルだから…
そう考えて悲しくなったから考えるのはやめた
「そっか。なら仕方ないね」
初対面で住んでいる場所を聞くのは流石にまずかったか
警戒させてしまったかなと少し反省
「傷の治療のお礼をしたいんだけど…んー何か僕にできる事とかあるかな?」
このままさようならというのは少し悪いのでそう尋ねる
治療で魔法を使ってもらったのだからお礼はきちんとしたい
手持ちのゴルドは少ないけど…大丈夫かな?
■ラフェル > 「誰かの喜ぶ姿を見れるのでしたら、それ程嬉しい事はありあません。
それが誰かにとって、どれ程に難しい事であっても…
だから、私はこの力を誇りに思っています…それを褒められるのは、本当に嬉しいものですね。
…ありがとう御座います」
たまたまだ、たまたまその力との相性が良かったからこうして身に付ける事が出来た。
そうであろうと、身に付けようと努力を重ねた力、それが褒められ素直に喜ぶような笑顔を浮かべる。
家の件に関しては、相手には悪いけど本当に仕方がない。
相手の様子を見詰めながら、今回のような事があった時に返すべき、もっと良さそうな答えを見付けておこう。
そんな事を考えていた。
「お礼ですか…?
私が出来る事は、本当に小さな事…あんまり気になさらなくても良いのです。
私はただ、受けていた傷をどうにかしたいと思ったから、しただけですから。
後は、何事も無く、無事に王都にまで戻れる事を願います」
…自分としては、そう答えるのが当然と思っている。
納得出来ず、どうしてもお礼をしなけれが気が済まないのならば…
そんな経験のない自分には、どう答えて良いのか迷ってしまう事だろう。
■カナム > 「…なんか聖女様みたいだね?」
ここまで他者の幸せを願うなんて…
凄い、綺麗、そして気味が悪い
自分の為だけに生きてきたせいでそんな事を想ってしまう
「そっか…じゃぁ今度会った時に僕の力になれる事が有ったら手伝わせてよ」
絶対にお礼をする!と意気込んでいる訳ではないのでそう口約束
身勝手な善意の押し付けは殺意が湧く程イラッとするからね
「ラフェルは綺麗なんだから野党とかには気をつけてね、雑魚相手でも油断してると危ないからさ」
それだけ言ってここから離れる事にする
魔導士の卵相手に野党が何をできるとも思えないけれど
……王都までの道で奴等を見かけたらちょっかい出しておこっと
■ラフェル > 「…そんな大層なものではありませんよ」
語られる聖女の像を思い出し、軽く首を振って答える。
大きな力を持ち、人々を救う…それは、まだ自分にとっては先の未来像としてしか形としてないものだから。
「はい、その時は…お願いしますね?」
偶然の出会い、今回のこれは、それである。
同じような事がそうそう起こるものでもないと考えているゆえに、約束として受け取っておいた。
もしかしたら…という事が、あるかもしれないからだ。
「分かりました。ご心配は掛けたくありませんし、気を付けるようにします。
………それでは、貴方に小さな幸せがあらん事を」
答え、もう一度だけ両手を祈るように組み、一寸だけ目を閉じる。
小さな小さな奇跡を起こす力、きっと先に何か良い事が起こるだろう。それが何かは分からないが。
離れていく相手を、その姿が消えるまで眺め、見えなくなれば、その姿や夜空へと舞い上がり…消えていった。
■カナム > 「どうだろうなぁ…僕はラフェルは聖女向きだと思うよ?」
そうなればきっと皆喜ぶと思う
お飾りの偶像より優しい人がやった方が良いに決まってる
「まかせて。借りはきちんと返すさ」
受けた恩はきちんと返す
その時が来ればだけれど…もしもの時は必ず力になる
「うん、それじゃぁまたどこかで」
視界からラフェルを外し王都に向かう
まさか文字通り飛んで帰るなんて思ってもいない
一度だけ振り返った時、夜空に強く輝く星が見えたとか
ご案内:「王都マグメール郊外」からカナムさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール郊外」からラフェルさんが去りました。