2016/10/07 のログ
ご案内:「地下迷宮」にアニエスさんが現れました。
アニエス > 生温かく湿った空気の満ちる空間、蒼い闇に支配されたここは、
恐らく、何処かの地下にあたる部分なのだ、と思う。
床も壁もごつごつした岩で出来ているようで、それら全てがぬめぬめと、
滲み出す地下水とも、何かもっと悍ましいものともつかない液体で濡れ、
漂う甘ったるい香りも相俟って、手をつくのも憚られるほど。

そも、昨晩遅く、泉から戻る途上で、足を踏み外してしまったのが原因である。
床と思しき場所へ強かに腰を打ちつけ、刹那、意識を飛ばしてしまったものか。

尻の下の床が、ぞろり、ぞろりと蠢き出して―――気づく。

己の身体を受け止めたものは、床、では無かった。

四肢を絡め取り、修道衣を剥ぎ取ろうと伸びてくる無数の触手を振り払い、
這いずるように逃れ、逃れて、ここがどこなのか、今が朝なのか夜なのか、
もう、何も解らなくなっていた。

恐怖に怯える眼差しの先、うぞうぞと蠢く触手は蒼白く発光して、
逃した獲物を―――つまりは己を、明らかに探している。

泉から立ち去る際、身支度を省略した為に下着はつけておらず、
何処かへ靴を落としてしまったらしく、いつの間にか片足は素足。

―――――いったいこれは、現実なのだろうか。
それとも、己にかけられた呪いが見せる、飛び切りの悪夢、なのだろうか。
暗がりの片隅へ蹲り、乱れた髪も、捲れ上がる修道衣の裾もそのままに、
肩で息をしながら―――現実を、覚醒を、あるいは、終焉を待つ。

アニエス > ―――――ざわ、と背筋に駆け抜ける悪寒。

それが人としての本能が鳴らした危険信号だった、と気づくのは、
背後からずるりと伸びてきた何かに腰のあたりを攫われて、
天井近く吊り上げられてからだった。

「きゃあ、っ……!

 いや、……は、離し、て……!!」

胴に絡まる太い触手を引き剥がそうとした両手は、絡めとられて頭上へと。
じたばたと暴れる両足にも同様の触手が絡みつき、はしたない開脚を強いられる。
悲鳴を上げた唇へも、うねる太い触手が押し入ってきて―――

「んっ、んぐ、ぅ、っ……!!

 ぁ、ぐ、ふぅ、…んっ、ん……、ぅう、…う、んっ……!」

まるで人間の男が娼婦に、口淫を強いるように。
乱暴に抜き差しを繰り返す間にも、口腔一杯へ溢れ返る甘い粘液。
飲み込んでしまえば恐ろしいことになる、と解っていても、苦しくて苦しくて、
―――無防備に曝け出された女の部分へ、ごつごつと瘤の浮いた極太の触手が、
無理矢理捻じ込まれた、その瞬間。
堪え切れずにえずいた喉へ、どろりとした液体が流れ込んだ。

「んっ、――――んぅ、ふうぅ、う、…う………!!」

悲鳴すら、嗚咽すら、自由にさせて貰えない。
それどころか瞬く間に、頭の芯が白く、白く痺れて―――――

ぐちゅ、ずちゅ、秘部を手酷く犯される痛みも、圧迫感も、何もかも。
ただただ、女に生まれた悦び、としか、感じられなくなってくる。

アニエス > ねばねばと、どろどろと―――――何か、とても恐ろしいものが。

身体のずっと奥まったところを穢そうとしている、
迫り来る気配をざわめく肌と粘膜で感じながら、抗うことは出来なかった。

恐ろしいのに、逃げ出したいのに―――逃げられない。
四肢に絡みつくものがあるから、というだけではなくて、
恐怖に支配されて動けない、というだけでもなくて。

―――――堕ちて、しまう。

そう思うだけで身体がぞくぞくと、歓喜に打ち震えてしまうから。

得体の知れぬものに犯され、子宮が破裂するかと思うほどの熱に満たされ、
己の意識はふつり、闇に堕ちて消える。

夢か現か、次に目覚める時は昨日までの日常の中に戻れているのか、
それともこのまま、悪夢の続きを見ることになるのか。
今は未だ、誰にも解らない―――――。

ご案内:「地下迷宮」からアニエスさんが去りました。