2016/09/06 のログ
ご案内:「奴隷都市バフート 街はずれ」にエミリアさんが現れました。
■エミリア > 街の賑わいから逃れるように、ひとり、寂れた細い裏路地を進む。
時刻はおそらく、もうそろそろ深夜にさしかかる頃だろうか。
たまたま今夜、隣の檻に入れられていた奴隷が脱走騒ぎを起こし、
―――湯浴みから戻されたばかりの己の檻が、まだ、
施錠されていないことに気がついた。
両手首を戒める金属の枷は変わらず填められていたし、
脱走への予防策であろう、靴は奪われてしまっていたから、
素足での出奔になったけれど。
この街を抜け出せれば、街道へ出ることができたなら、
―――とにかく、ここから逃げ出せれば。
ヴェールの代わりに、どこかのお家の洗濯物から拝借した、
シーツのような大判の布を頭からかぶって。
手首の枷をも覆い隠すように胸元で搔きあわせ、
俯いた足先ばかりを見つめて、一心に。
下着を許されなかった秘部は今も、じくじくと疼き続けているけれど。
いまはただ、―――逃げ出すことだけを考えており。
■エミリア > 街道へ続く道としては、この道はあまりにも細すぎる、とか。
そもそも、あまりにもひと通りがなさすぎる、とか。
進むべき方角を間違えているのでは、という危惧は、
ぼんやりとした頭にも浮かびはじめている。
けれど、―――幸いにして、見た目よりも頑丈にできているのだし。
方角が明らかに違うと分かったなら、そこで道を選び直せばいい。
いまは、ひとの目に晒されていない、この状態がありがたかった。
「――――――っん、ぅ……」
ずきん、とおなかの奥の方で、ひときわ熱い疼きが生まれる。
己の身体のなかで、なにかとても恐ろしいものが、
鼓動を刻んでいるような―――恐怖と、背中合わせの快楽と。
おなかの辺りを両手で押さえ、立ち止まって手近な壁にもたれる。
ずきん、ずきん。繰り返される脈動が、おぞましくて―――
けれどそれを感じていると、ひどく淫らな気持ちになってくるから。
しばし、その場へ留まって目を瞑り、くちびるを噛んで息を殺す。
なにか、とてもはしたないことをしてしまいそうな衝動を、必死に堪えようと。
■エミリア > ――――あつい、あつい、あつい。
やりすごすには、あまりにも重すぎて、激しすぎて。
くたりとその場へ膝をついてしまったら、もう、
立ち上がるための力は残っていなかった。
こんなところでうずくまっていれば、きっと見つかってしまう。
あるいは、もっとひどい未来が待っているかもしれない。
それでも――――いまは、少しだけ。
本物の兎のように白いシーツにくるまって丸くなり、
夜の暗がりの片隅に、そっと身をひそめた――――。
ご案内:「奴隷都市バフート 街はずれ」からエミリアさんが去りました。
ご案内:「奴隷都市バフート 街はずれ」にアシュトンさんが現れました。
ご案内:「奴隷都市バフート 街はずれ」からアシュトンさんが去りました。