2015/10/20 のログ
クラウン > 「戦闘狂は解せないものですね。戦うことが好きとは些か理解に苦しみます。」
それを言うと魔族も血の気が多い者は多いのだが、クラウン自身はそれほどでもなかった。
正直に言うと、戦うためだけの戦いは意義を見出せないタイプなのである。

「……誂わないで頂きたい。
 そういう所は変わらず子供っぽいのですから、全く。」
赤くなりつつ、少し力を込めてマッサージを続ける。
日常に近い誘いとはいえ、それでも慣れない。我ながら酷い弱点を抱えたものだ、と心の中で辟易する。

「……そうでしたね。ええ。
 …申し訳ありません。私は可愛げというものはよく解せませぬ故。」

ロザリー > 「儚い命であるからこそ、それを燃やし熱い戦いをすることが出来る。
 吾らのように熱の失われた体ではもはや叶わぬ感情であろうよ」
そっと肩をもみほぐすクラウンの手に自信の手を重ねる
その手は体温を宿さず、冷たい不死者の手だ

「この程度で赤くなるお前こそ変わらぬであろう?
 人と違って免疫というものがなかなか出来ぬらしいな、ふふふ」

その手を撫でる
自身のためにこそ存在し、自身の為に振るわれる力在る手

「解せぬとも、お前は可愛らしいぞ、クラウン」
首を捻り、その蒼碧の瞳で見上げて

クラウン > 「……。悔いておられますか?」
ひやりと凍えるような手と、熱を吸い上げるような死を灯す指先。
この少女と契りを交わした時、初めて感じた氷のような体温。
答えは決まり切っているとはいえ、その口からは疑問が流れ出した。

「……ぐ……。」
言葉に詰まる。
体温を吸い上げられるように冷えきった肌とは裏腹に……
否、むしろそのせいではっきりと顔が熱くなるのがはっきり分かってしまう。

「……ごほん。
 御覧下さい。デュラハンが一太刀受けましたよ。」
咳払いをして目と話題を逸らす。

ロザリー > 「………」
悔いているか、という言葉に目を細める

「自らが召喚した魔神に情を覚え、共に在りたいと願った時から吾はもう人間ではなかったのだ」
懐かしむように、嫋やかに紡ぎだされる言葉

「後悔などしているものか。吾は魔術師としても、無限の寿命が欲しかった。
 限られた人間の命で届く境地などたかが知れている…。
 ───何よりも、お前と永遠に遊ぶことが出来るではないか」

初めて召喚に成功した魔神は、その少女の初めての遊び相手となった
そして、それは今も───

「吾に残された人間としての心は、凍りついたままだが…。
 人としての感情がそういう形で残っただけでも良しとしよう」

そう言うと、ゆっくりとソファから立ち上がる

「うむ。何か隠し玉があるだろうとは思ったがな。
 ……そろそろ場を諌めにゆくとするか」

クラウン > 「………。
 この上なき光栄。」

それだけを伝えた。
幾度繰り返されたかわからない問答。そのたびに、目の前の少女は決まってこう言うのだ。
『お前が居るから』と。

それは、仕える身としてこの上ない光栄であり……同時に、呪いでもあった。魔神は、そう感じていた。
凍り付いた感情を溶かしてしまった自らに課せられた呪いだ、と。

それでも、この少女の糧と成れるなら、とも。

「承知致しました。」
仮面と帽子を手に取り、身に付ける。
身体から溶けるように煙が溢れ出す。
今やその体は、空間を侵食する煙の塊となって姿を消していた。

ロザリー > 「…うむ、これからも尽くすがいい」
口元に静かな笑みを讃え、静かにそう口にする
従者として、騎士として、そして遊び相手として……

「では、出向くとしよう」

少女の姿は無数の蝙蝠へと姿を変え、
それらが闇に変貌し、その姿を忽然と消した

ご案内:「宵闇城キルフリート・吸血姫の寝室」からロザリーさんが去りました。
クラウン > 「言われずとも。」
笑みを湛える仮面の奥の表情は見えない。
しかし、その口調は普段より柔らかかったような。

消え行く闇を見つめた煙は、風に吹かれて消えるように霧散し、薄く空間へと消えていった。

ご案内:「宵闇城キルフリート・吸血姫の寝室」からクラウンさんが去りました。