2023/07/09 のログ
ご案内:「九頭竜の水浴び場」にテンドンさんが現れました。
■テンドン > 九頭竜の水浴び場。
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浴場の湯面の上にぼこぼこ沸き立つ水泡。
浸かってるような客は誰一人も見当たらない。
■テンドン > 「ぶはー!!」
ざばーー!!!
激しくその湯面が間も無くして盛り上がる、割れた。
二本の角がにゅっと飛び出し、その後に濡れ鼠の銀色の頭髪。
揺さぶられておもいくそ高い波が生じて湯縁まで及んだ。
■テンドン > 「…ふぃ~~、はああああああああああ」
他に入浴客が居ないので潜水していた。
長く湯底に沈んでいた反動に深い深い肺呼吸。
鳴動による湯の揺らぎが治まった頃合いに、
そのままゆらゆらと湯縁にへと移動する。
背中から寄りかかった、然程の深度ではないので座高でも溺れたりしない。
悠々と両足を伸ばせる、ゆったり!
■テンドン > 「冬でもお風呂だし、秋でもお風呂だし、春でもお風呂だし、夏場でもやっぱりお風呂なんだよなあ~」
極楽浄土の息遣い。
べっしょり濡れている前髪を手で分けて軽く房を作って搾った。
地上よりも水中の方が浮力が効くので、乳房も然程に重力に引っ張られる負荷にはならない。
ぷかぷか柔らかい曲線に浸水した湯水が流れ滴る、瑞々しく若々しく保湿艶々。
持ち込みの濡れタオルできゅっきゅっとせり出している牛の角を磨く。
■テンドン > 「よっ」
そのまま近くに置いておいた小さな樽を手繰り寄せた。
ぽちゃん、と、湯の中に木製のそれが軽く沈む、しかし底までは行かずに船みたいに浮かんだ。
でっかくついてるストローを口先に咥える。
ちゅー。
吸い上げる中身は葡萄酒に夏の果物たっぷり漬け込んでついでに氷もしこたま入ってるサングリアなのだ!
それをあちあちのお湯の入浴中に堪能する贅沢たるや…。
「ぷひぁ……うま……幸(さち)……」
とろんと眦が下がる。
■テンドン > 「上がったら氷菓子食べたいなー。後カレー。ピザ。何か味濃い奴。真夏の中を汗だくで駈け回って地獄を見たんだからその分贅沢するんじゃーい」
欲望の権化と化する。
ぬへぬへだらしなく笑いながら酒の沁み込んだカットパインをぱくり。
あんまい!うんまい!つめたい!!
頭きーんするので米神を手の甲でとんとんする。
■テンドン > 「っし」
ざばばー、そして十分風呂酒を味わったので上がる。
てくてくふらふら酔いの少し回った酩酊千鳥足、おっとっと。
長い水浸しの尻尾をぱたんぱたん振ってバランスを取りながら歩行移動。
両腕に抱え込んだおしゃけをお供にして浴場を去り行くのである。
ご案内:「九頭竜の水浴び場」からテンドンさんが去りました。