2023/07/06 のログ
ご案内:「商業都市 ラディスファーン」にファルスィークさんが現れました。
ファルスィーク > 最近の夏の暑さのせいで売れ行きが好調でもある果実ジュースのカップを片手に、商店街地区の広場にて涼みながら時折傾けて打つ舌鼓。
既に日は沈み日中の暑さに比べれば大分過ごしやすい気温と言える。

「…酒も美味いが、これもまた美味い。
特に暑い日には格別だな。
うむ……我ながら中々のアイデアだ」

何気に自画自賛の独り言。
呟きながら活気に満ちている街並みに目を向けると、眩しいものでも見るように細めた。
己にしてみれば、たまに手間暇かけてはいたが、気付けばいつの間にか大きくなっていた都市は子供のようでもあり。

夜になっても明るい通り、人の往来、客の呼び込みを眺めつつ少々感慨深げにはなっていた。

ご案内:「商業都市 ラディスファーン」にナナさんが現れました。
ナナ > 中々帰ってこない保護者を探しに街を歩き回って。

「お前、何やってんだ」

呑気に果実ジュースを飲んでいる保護者をようやく発見して隣に立つ。
相変わらずふらふらとどこに行くか分からない保護者なのだが心配はしていないしそこは嫌いじゃない。
ちょっとだけの寂しさを感じるから隣にいたくなる。

「ホントお前はどこにいるか分からなくなるから探すのに苦労するんだ、偶には俺の傍にいろ」

服の端を掴んで隣で肌を寄せ合うように。

ファルスィーク > ―ふと…かけられる声には聞き覚えがある。
久し振りに聞く声でもあって、ゆっくり振り返ればそこにいる少女の姿を確認し、近付いてくるのであれば動かずに立ったまま。

「やあ、久し振りだね。
元気そうで何よりだ。
何を……こんな時間でも人が賑わい活気があるな…と、街を眺めていた」

執事からお使いを頼まれたのか、それとも手伝いが終わっての息抜きで遊びに出て来たのか…どちらにしても、少女が1人で出歩けるほど治安がいいという実証でもある。
何かトラブルに遭遇しても少女のすばしっこさがあれば、一人でも切り抜けられそうではあるが。

向けるのは笑顔であり、まだ冷えている桃のジュースの入ったカップを少女に差し出してみる。
ふっと甘い桃の香りが、少女の鼻には濃く届くかもしれず。
己の隣まで来てからの言葉には僅かに首を傾げはしたが――笑みを濃くして手を伸ばすと優しく頭を撫でてみた。

時折、都市には帰り内情報告などを受けていたりと仕事をしたりはしていたが、屋敷に帰ってもそれほど自時間は取れていなかったか…と思い出しつつ。

「寂しい思いをさせてしまっているみたいだな」

遠慮することなく感情を言葉に出してくるので伝わり易い心境。
マントの端を掴んだ少女を抱き上げる様にしてみれば、目線の高さは同じくらいになるか。
同時に、マントの内側に掛けていた冷却の術も少女を包んでひんやりと涼しい空気が感じられる。

ナナ > 「お前中々帰ってこないもんな、ホントにこの街の領主なのか?」

時折は帰ってきているが領主の仕事をしているのかあまり構ってもらえない寂しさから頭を撫でられると嬉しそうに。
ジュースを受け取って一口飲んで。

「うまいなこれ……おお、お前の視線って困難なんだな」

抱え上げられると自分の視線とは違った景色が見える。
お互いの視線も同じになって目が合って。

「お前の近くは好きだぞ、安心する」

屋敷に住むようになってすっかり警戒は解けて懐いているのか好意的な笑顔も見せるようになって。
マントの中はひんやりしててちょっとびっくりするがファルスィークは色んなことができるのは知っているからそこは聞かずに。

「……お前には世話になってるのに、おれはお前に何もしてあげられないな、なあ、お前におれができることってあるか?」

色々と優しくされているのに自分はファルスィークの役に立っているのか。
内心の不安を久しぶりに2人きりになったからか思わず口から零れて。

ファルスィーク > 「……其処を問い詰められると、さて…どのように説明したものか」

少女にとっては己は自称領主であり、単なる一寸した金持ち程度に思われていそうではある。
場所によっては領主などを騙っていれば、重罪物であったりするのだが。
中々帰ってこない理由……半分以上、遊び…等と言おうものなら、少女からは侮蔑の目線と言葉をお見舞いされる事は間違いない。
なので、そこは敢えて語る事はなく。
さらさらとして艶のある少女の髪は指触りも滑らかでもあり心地いい。

「先日、ナナと一緒に飲んだ事があるだろう。
あの時はメロンだったが、今回は桃だ。
冷やすと美味しいというのは、私のアイデアで……今では結構、好評になっている。

……ナナとは身長差があるからな。
ナナと見ている世界は同じだが、見えている物が違うという感覚はよく覚えておくと良い。
見方を変えれば全く別のものが見えてくる事もある…とな」

そんな事を言いながら目線を戻せば少女と重なり、向けられる言葉にはそれは良かったと微笑みかける。
王都の貧民区での出会った少女の決断能力の早さと身体能力の高さを見込んで、己が雇うという申し出は少女の意思を尊重しての選択となったが、受け入れた少女は実質、己の保護下となり現在は屋敷に住まわせて、あれこれと手伝いをしながらの色々と勉強の最中。
以前よりも肉付きも良くなり、すっかり人目を惹く程の容姿となってしまったのが心配の胤ではあるが、活発で物怖じしない人から好かれる性格らしい。
一応はのびのび過ごしているようだとの報告も受けてはいた。

「いや、充分役に立っている。
静かな屋敷が少し賑やかになったと言っていたしな。
皆の笑顔が増えたとも聞いているし、手伝いもよく頑張って助かっているともな」

少女が思っているよりも、貢献はしてもらっていると伝える内容。
以前は仕事に忠実で無駄口などほとんどなかった屋敷内に常駐している執事達ではあったが、現在はそんな状態になっているので微笑ましい限りだと。

「……それにしても…今でも可愛いが、5年経てば充分に美少女だな」

改めてまじまじと少女を見詰めながらの率直な感想。
もっとも、男の子の物もついているので、少女という表現も少し違うのだが。

ナナ > 「いいんだ、お前のことだから悪いことはしてないだろ」

本当は悪いこともしているかもしれないがそれをわざわざ言う必要もない。
ファルスィークに対する信頼があるからこそ言いたくない事は聞かない。
髪を撫でられても嫌がるそぶりも見せずに。

「お前はホント色んなことをやってるな、領主の仕事か?」

ジュースは冷やすと美味しい、これを伝えるのも領主の仕事なのだろう。
色々やりすぎて本当にこれが領主の仕事なのかは分からないが本人がやっている以上領主の仕事なのだろう。
続くファルスィークの言葉に頷く。
流石にここまで自分の体が大きくなるとは思わないがいずれこの街も違う見方ができるのかもしれない。
大きくなるまでファルスィークの傍にいたら自分はどうなるのだろう、そう考えて。

「そっか、お前だ役に立っているというのならそうなんだろうな……5年後か」

自分の未来の姿なんて想像する余裕も無かったが、どうやら自分の容姿は周りに比べてもかなりいい方らしい。
それはどうやらファルスィークも認めているようで。

「なあなあ、じゃあ5年経ったら……」

少しづつ字も覚えだしてある程度の言葉の意味も理解しだした。
本で読んだ言葉を思い出して。

「おれ、お前のお嫁さんになれるか?けどさ、お嫁さんってなんだ?」

お嫁さんという概念は理解できておらず純粋な目でファルスィークを見つめて。

ファルスィーク > 「悪い事……さて、それは見方よるんだが…。
世間一般的には、大分悪い事をしている…と言われる可能性があるな
まあ……ナナが見た通りでもある」

そこは嘘を言うでもなく、誤魔化す事もなく伝える。
善人ではない。それだけは言い切れるので、属性的に言えば善でもなく悪でもなく…どちらかと言えば悪寄りの中間か。
気紛れなので気分で、若干の移動はありそうだが。

「確かに、色んな事をやっていたりはするが、領主の仕事に繋がっている事も多いか。
この都市の発展に繋がる事であったり…な。
いずれは、ナナにも手伝ってもらう事になるかもしれない」

今、少女が飲んでいるジュースにしても、果実は領内で取れたものである。
評判が良ければ都市の利益にも貿易にも繋がる訳で…その利潤は己が懐事情にも関係してくる。
もっとも、その額は使い切れるものでもなく、増えていく一方なのだが。

栄養事情のせいもあり、成長期にも差し掛かる少女にとっては、保護されたのは丁度いい時期でもあったか。
身体的にはどのように成長するのかは分からないが、容姿に関してはかなりなものになりそうだとの太鼓判。

「作業に関しては、かなり筋が良いとそれぞれが褒めていたからな。
座学…勉強に関しては、どうだろうか?」

身体能力が高い事もあり、執事にしろメイドや料理人、庭師のそれぞれが少女の手伝いに関して評価が高かくはあったが、勉強に関しては…少女に尋ねてみる事にした。
5年後というワード…未来の自分を想像しての事だろうか。
――言葉の続きを聞くと、珍しく目を見開いて分かり易く驚きの表情になったりするが。

「……私の嫁に?
――いや、嫁の意味を知らなかったのか。
確かに屋敷には夫婦が居ないから分かりにくいかもしれないが、嫁とは連れ合い…伴侶の事だな」

真っ直ぐに見つめてくる少女の曇りのない眼差しに、これもまた珍しく狼狽えてみたりする。
己を知る者が目にしたらそれこそ、信じられない物を見た…と言葉にしそうだ。
説明するには少女の知識量が足りない可能性もあるが、それなりに言葉を尽くしてみよう。

――そんな言葉を交わしつつ、少女を抱き上げたままで屋敷への帰路となる。
途中、露店で買ったものを食べ歩きという少々行儀の悪い行為をしながらにはなるのだが。

ナナ > 「なんだーやっぱ悪いことしてるじゃねーか」

思い返してみればそもそも初めて会った時も追われる身だったし、悪いことをしていたとしても十分あり得る。
それゆえか大して驚きもせずに。

「ああ、俺にできることなら手伝うからな、そうすりゃ……一緒にいられるし」

期待されているのだろう、それが純粋に嬉しくて。
勉強はどうだと聞かれれば。

「本は読んでるぞ、お前の家色んな本があるし、文字は教わってるけどまだ難しい字がいっぱいあって本って読むの大変だな」

メイドや執事に文字の読み書きを教えてもらいつつ子供用の本を読んでいる段階。
好奇心が刺激されているのか楽しそうに話して。
珍しく狼狽えているファルスィークを見て首を傾げて。

「夫婦?伴侶?よくわかんねーぞ、よく分かんねーけど連れ合いって今おれとお前は連れ歩いてるよな?だったらおれ、もうお前のお嫁さんか?」

ファルスィークに抱きかかえられたまま色んなことを話しつつ。
そのまま2人で帰路につくだろう。

ご案内:「商業都市 ラディスファーン」からファルスィークさんが去りました。
ご案内:「商業都市 ラディスファーン」からナナさんが去りました。