2023/07/01 のログ
ご案内:「王都マグメール/貧民地区/お菓子の家」にクレイドルさんが現れました。
クレイドル > 王都マグメール。貧民地区。
時刻は昼を大きく過ぎ去りて夕刻すらも後ろに置き、夜となった時刻の事。
あばら家ばかりが軒並みに建っている区画の中に、奇妙な建築物が建っている。

外壁はクッキーやビスケットなどの焼き菓子を複雑に張り合わせ、こんがりと狐色。
先程まで雪が降っていたかのように屋根にはデコレーションの生クリームが盛り付けられ。
そこからは今もココアパウダー混じりのホイップが滴り続けている。
窓は色とりどりの美しい硝子板がハメ込まれており。
その周囲を飛び交う、果物のジャムに濡れたパン菓子のミツバチたちの放つ燐光を照り返していた。
そしてダークチョコレートのドアは一切の傷も傷みすらも無く。
玄関口に静かに建っている様です。
鍵穴も何も無いドアにはホワイトチョコレートの子山羊の形をしたノッカーがついています。
そこにあるのは、有体に言ってしまえば御菓子の家。

「さあさ、遠慮なさらずに。まだまだ沢山在りましてよ…♪」

周囲には甘い匂いに引き寄せられて来たお腹を空かした子供達が、その差し出された甘味に在り付いている真っ只中。
そして、その中に紛れ込んで一人佇むシスターの姿がある。
給仕のように忙しなく方々を歩き回り、果実を搾ったジュースやミルクにチョコレートを用いた甘い飲み物を振る舞っていた。

クレイドル > 家の中は天井から釣り下げられた蜂の巣の周囲でぶんぶん飛んでいる蜂たちの発光下。
大広間の、これまた大家族用のパイ生地で出来たテーブルの上には何十段にも及ぶ大きなケーキ。
それを取り囲む席の二つには尋常ではなく巨大なジンジャーブレッドマンクッキーが腰掛けている。
壁際の床に設置された見上げんばかりの精巧な干菓子で出来た柱時計が文字盤に針を刻み続け。
純白の砂糖菓子のバスタブには今も水飴の水面が細波を打ち。
濃厚なブラウニーの煉瓦を積み上げた竈は、粉砂糖の灰を噴いており。
隅に置かれたカステラの宝箱からは色彩鮮やかな琥珀糖の宝石が溢れ返り。
チョコ菓子のクローゼットからはパンケーキとベリーの帽子や、練り上げたアイスクリームの涼しい衣が食み出していた。
見渡す限りの全てが、見ているだけで虫歯が出来そうな程の甘味の山。

「もっと甘いものはいかが?それともこの暑さですもの、氷菓子の方が良くって?冷たいものも準備出来ましてよ。食べ飽きたらお休みなさいまし…此処にはふかふかの布団もあるのですわ♪」

家内に席につく子供達は取り憑かれたかのように菓子類を頬張っている。
手や頬や口回りを生クリームでべたべたにしながら。
そしてお腹がいっぱいになった子供などは、家の中に備えられている雲のようなふわふわの綿菓子のベッドの中に潜り込んでいる様子まで見られた。
これが御伽噺ならば、魔女の手にかかって落ちているかのような。

ご案内:「王都マグメール/貧民地区/お菓子の家」にロンナさんが現れました。
ロンナ > 貧民地区に突如としてお菓子で出来た家が現れた。
嘘のような話を聞いて、本来なら貧民地区と言う危険な地区には近づかないようにしているのだけれど、その家に子供達が入り込んで行って出て来ない、という話を聞いては持ち前の正義感から子供達を助ける為と件のお菓子の家を訪れていた。

「本当に、お菓子で出来た家ですわ……一体、だれがなにの目的でこのようなものを作ったのですかしら。
いえ、今はそこは気にするべきところではないですわね、子供達が囚われているというなら、助け出さないとですわ」

目の前のお菓子で出来た家の威容というか異様さに怖気づきそうになるのだけれど、自分を叱咤してゆっくりと家の玄関へと近づいていき、軽くノックを数回ほど行う。

「もし、どなたかいらっしゃいますか?
そちらにお子様たちが何人かいらしてると思うのですけれど……私はロンナと申します。
お家の方、どなたかいらっしゃますか?」

中の人物を刺激しないように、丁寧な口調で呼びかける。
返事がなければゆっくりドアを開けようとして、返事があれば、その人物がドアを開けてくれるのを待つことにする。

クレイドル > 【相談。移動致します】
ご案内:「王都マグメール/貧民地区/お菓子の家」からクレイドルさんが去りました。
ロンナ > 【移動致します】
ご案内:「王都マグメール/貧民地区/お菓子の家」からロンナさんが去りました。