2023/05/06 のログ
ご案内:「冒険者ギルド 訓練場」にティカさんが現れました。
■ティカ > 「はっ、はっ、はあっ、はあっ、はあ…っ、はぁ…っ、はぁ……」
『―――駄目だ、諦めよう。』
昼下がりの冒険者ギルド訓練場。
新人冒険者からケンカを売られて木剣を手に取り、微笑ましいまでにレベルの低いチャンバラの末、あちこちに痣をこさえて地面の上で大の字になりつつ思ったのがそんな言葉だった。
無論、山賊共に対する復讐を諦めて、今後はただの街娘として生きるなんて話ではない。それが出来るならとっくに冒険者など辞めている。
己の身体能力に対して見切りを付けたというだけの事だ。
ティカは弱い。
毎日死に物狂いの鍛錬を続けてきたにも関わらず、その身体能力は村娘に毛が生えた程度の物。
両手剣など言うに及ばず、一般的なサイズの長剣にさえ振り回される身体は、冒険者となったあの日からまるで変わってはいない。
そんな身体で男達と同じ様に戦おうというのが最初から無理だったのだ。
それでも鍛錬を続けていればいつかきっと……なんて思って今日まで頑張って来たけれど、先に行った模擬戦で目が覚めた。
スタミナ切れでぶっ倒れたティカの反対側で、舐め腐った口を聞いてきた新入りは完全に目を回していた。ティカは同年代の少年との立ち合いにて勝利をもぎ取ったのだ。
ご案内:「冒険者ギルド 訓練場」にランバルディアさんが現れました。
■ティカ > 「よぉ、目が覚めたらそいつに言っとけ。力任せに武器ぶん回してるだけじゃ、すぐに死ぬことになるってな」
ようやく呼吸を整えて、土埃と汗にまみれてふらっふらの、どっちが勝ったのか分からぬ有様でカマす勝者ムーブ。
こういった立ち合いではたいていぼこぼこにされる側のティカである。
最っ高に気分が良かった。
仲間の無謀を止める事無くにやにや笑いで見守っていた連中も、先の立ち会いでティカが少なからず使う(※ベテランから見ればまるで使えていない)と知ったのか、口答えすること無くこくこくと首を振って答えるばかり。
最っ高に気分が良い(二回目)。
――――ともあれ。
「戦い方、変えねぇとな……」
訓練場隅のベンチにショートパンツのお尻をどっかと(実際にはちんまりと)降ろして考える。
そもそもが《戦い方》などと言える物を持っていなかった気がする。
未だ目覚めぬ新入りと同じ様に大声を出して怯懦を殺し、ただただ力いっぱい手にした武器を叩きつける。これまでのティカの戦いなどその程度の物だった。
身体のデカい男であれば、そんな拙いやり方でも大抵の相手は捻じ伏せられるのだろうし、そうして何度か死線を超えるうちにマシな戦い方を覚えていくのだ。
しかし、ティカは恐らくその前に死ぬ。
■ランバルディア > 採取依頼の面接を終えて幾人かの新人冒険者を送り出し、今日のギルドでの仕事は終い。
約束は無く、ヒマを持て余すなら孤児院にでも顔を出すか大人しく帰って薬の仕込みでも進めておくか。
悩みながら冷えた果実水など啜っていると、ギルドの裏の方が騒がしい。
昼下がりなど目ぼしい依頼を取り逃した中堅か、新人か、その辺りがグダグダとしているのが良い時間。
元気なものだ。
これが新人なら割と好みの元気娘を発掘出来たりするのだが――そう思って、覗いてみれば。
好みの生意気娘というのは半分アタリで、発掘ではないという意味で半分ハズレ。
「――よぉ、ちっとはその装備も馴染んで来たか?」
汗だく土まみれで深刻そうな顔した少女戦士の顔に、影がかかる。
目を回した少年に駆け寄る仲間に対し、少女戦士の前には“身体のデカい男”がやってきて、見下ろした。
今日は正面から、冷えた果実水――ただし飲みかけ、を差し出してやる。
挨拶代わりの乳揉みに及ぶには、ベンチは少し場所が悪かったというのもあるけれど。
ギリギリのギリギリ、意地と運で掴み取って見えた勝利は、拙いというのはさておき称賛していいだろう。
何せ、模擬戦の一部始終を眺めていた男は、正直最終的には負けに傾くだろうかと思っていたから。
■ティカ > ようやく脳震盪から目覚め、悔しげにこちらを睨みつけてくる負け犬とティカの差。それはやはり経験の差だったのだろう。
彼が大上段から振り下ろしてきた木剣の軌跡が、体勢を崩したティカの頭部へと振り下ろされたゴブリンの棍棒の物と重なったのだ。
半ば自動的に動いた身体はそのゴブリンを屠った時と同じ様に、力任せに打ち返すのではなく受けた剣刃をくにゃりと曲げて力を流し、バランスを崩した死に体に一発入れて勝ちを拾った。
「――――んぁ? おぉ、バルディのおっさんか。あんたも存外ヒマだよな」
そんな思考を断ち切ったのはここしばらくですっかり聞き覚えてしまった男の声音。見上げた先にあるのは想像していた通りの赤髪金眼。
間接キスなどを意識する程の繊細さなど捨てて久しいチビは、差し出された飲みさしを一気にいった。
ごきゅっごきゅっと上下する喉と、汗で若干濡れ透けたタンクトップの乳谷へと伝い落ちていく果樹水の雫。日に焼けた肌と合わせて見せつける健康美。
「そーだな。おかげで少し、あたしの戦い方っつーもんが分かった気がする」
パトロンとなった彼のおかげで一新した装備。
重い鎧は付けられず、かと言って貧弱なティカが薄い鎧を付けたとて一発貰えばそこで終了。そんな訳で思い切って胴の守りを捨てた事が、剣術の師事など受けたことのない素人を《流し》の概念へと至らせたのだ。
「にひーっ♪ 見てたかおっさん、勝ったぜあたし。あたしよりよっぽどデケぇ男に」
■ランバルディア > 「薬草拾いにもいかずケンカしてるガキほどじゃねーがな」
高みから見下ろすと、乳谷の深みがよぉく見える。
背後から視線を向ける負け犬の顔も拝みたいところではあるが、優先度は言うまでもない。
チビガキの生意気な口振りに対しては同じ口振りで応え、笑うだけ。
身体の方は具合が良いばかりで冒険者としての素質などまるで見せないのが、まあまあ心配なところではあったが。
身体能力以外のところでは経験値を一切溜め込んでいないわけじゃないと見えたのは、パトロンとしては気持ちのいいところ。
そこらに振り撒く愛嬌の見えない顔は何処へ行ったんだか。暫く振りに彼女を見る者がいたら、目を丸くしていそうだ。
自分には、それなりに見慣れたものだと勝手に優越感も抱きながら。
背後をちらり。仲間に介抱を受ける負け犬の顔を一瞥して、それから。
「――――んじゃ、俺の前で勝ってみせたご褒美の時間だな」
ベンチの背に左手を着いて、右手はにやつく彼女の頬に。
汗と土埃が覆う表面を親指でグッと拭い、ついでに顎を上げさせる。
ここまでくれば彼女にも察しはつくだろう。自身の前で死闘を制した後には、漏れなくついてくる“それ”。
背を丸め、彼女の膝の間でベンチに膝をついて身体ごと前のめり、小躯の胴から上を巨躯で隠して。
唇を奪う。首を傾いで啄んで、肉厚の舌を挿れて、果実水の味を纏った舌と舌でカクテルを仕込んで、嚥下まで離さない。
■ティカ > 「ケンカじゃねーよ! 向こうが突っかかってきたら先輩としてきっちりお灸を据えてやっただけだ!」
なんてセリフも勝ったからこそ言える言葉だ。
負けていたならこの手のパターン通り連中にお持ち帰りされ、今頃は寄ってたかって肉便器コースだっただろうし。
頭上から胸元に向けられるねっとりとした視線には気付いていたが、そんなのをいちいち気にしていては冒険者なんてしてはいられない。戦いの高揚でぷっくりと膨れ尖り、双丘の頂きに薄っすらと陰影を刻む乳首さえそのままなのはそうした理由だ。
その上、この大男とはもう何度も肌を重ねているし、そのたびに毎度毎度気持ちよくさせられているというのも理由の一つ。
そうした男に対してはかなり珍しい気安さが、勝利の美酒と相まって普段は見せる事のない愛嬌たっぷりの笑顔となって現れた。
「……………――――ん…っ♥」
そんなタイミングでグローブみたいな手に頬を拭われ顎先を持ち上げられて、腰を折った巨躯に唇が奪われた。
普段のティカならその前にぐーぱんの一つもカマす所なのだが、それを黙って受け入れたのは、彼による経済的援助への感謝故か、はたまたこの大男とのセックスを身体の底で望んでしまっているからなのか。
にゅるりと口内にまで入り込み絡みついてくる舌に、ぞくぞくと小躯の背筋を震わせながら薄く開けた目蓋が横目を使う。
見られている。
どいつもこいつも普段とはまるで異なるティカの、ただの小娘みたいにおとなしい反応にぽかんと口を開けている。
かぁぁぁ…っと運動の紅潮に染まっていた頬が別種の朱を広げ
「………こ、これじゃああんたが美味しい思いしてるだけじゃねぇか! ごほーびっつーなら、ちゃんとあたしにもいい目見せろよな!」
どっと今更ながらに持ち上げた細足が男の腹を蹴って距離を外し、彼の感触のはっきり残る唇をぐいっと前腕で拭いながら立ち上がる。言うだけ言って乱暴な足取りで訓練場の出口へと向かうのは、場所を変えて《ご褒美》とやらを受け取るため。
ご案内:「冒険者ギルド 訓練場」からランバルディアさんが去りました。
■ティカ > 【部屋を移動します】
ご案内:「冒険者ギルド 訓練場」からティカさんが去りました。