2023/03/13 のログ
ご案内:「森の中」にシフォンさんが現れました。
シフォン > 王都から徒歩で半日程度の距離にある森
魔物の被害もあまりなく、冒険者や狩人にとっては素材集めに適した場所だった。
もちろん討伐を主にする者たちからすれば、実入りの薄い場所になってしまうけれど。
駆け出しで、素材採取がメインの少女にとっては、よく来る場所のひとつ。
ただ今日ばかりは、お目当ての野兎があまり見つからずに、日帰りの予定が野営することになり。

「―――まだちょっと冷える…」

焚火はしているものの、春の兆しがようやく見え始めたとはいえ、この時期の夜はまだ冷える。
日中の温かさと動きやすさを重視しすぎて分厚いコートを置いて来てしまったのが悔やまれる。
焚火の前で身体を小さく丸めながら、自身の状況判断の甘さを反省していて。

ご案内:「森の中」にタマモさんが現れました。
タマモ > どこかの森にある、こんな樹の樹皮が欲しい。
前回のお願いで味を占めたのか、己の式は、今日も主であるはずの己を使役する。
しかも、その情報は非常に大雑把。
森の場所もはっきりしないわ、手渡された情報は、羊皮紙に描かれた樹木の見た目だけ。
それで探して来てとか、おかしいだろう、それは。

「そう思いつつも、断るに断れぬ…何じゃろうなぁ、これ…ん?」

思考を言葉に漏しつつも、とぼとぼと、どこかの森の中を歩いているも。
ふと、遠目に見える焚き火の灯り。
それを見れば、不思議そうに首を捻る。

そんなものを見てしまえば、気になる。
気になれば、それを見に行ってしまうのが、この少女だ。
ふらふらと、その場所を目指し、歩いて行き。
その手前の茂みを、がさりと掻き分け、ひょっこりと顔を出すのだった。

それが、そこに居る者の背後からとなるのか、正面からとなるのかは…

シフォン > 「だ、誰―――!?」

背後で聞こえた茂みを掻き分ける音
それに即座に反応すると、飛び上がって焚火の向こう側へと着地する。
その一瞬で腰のダガーを抜ける程度には鍛錬を重ねている、つもり。
これがもっと手練れであったなら、近づいてくる足音なんかで気づいてもいただろうけれど。

やや屈む姿勢で、じっと茂みの方を睨みつける。
人か獣か、はたまた魔物か――それはまだ分からないけれど、襲ってくるならば容赦はしないと。

けれども、焚火の向こう側に見えたのは、自分よりも少し年上らしい女の子の姿
何よりもその頭の上の耳に視線が向いて。

タマモ > 「………うぉっ!?」

どうやら、誰かしらの気配、それには気付いていたが。
その誰かしらの背後、そこに出てしまったらしい。
茂みを掻き分け、出した顔の先、そこからの声に、びくぅっ!?と反応してしまう。
声から、その相手が少女、とは気付いたが…

ともあれ、どうやら、その相手を己も驚かせたらしい。
顔を出した時点で、すでに飛び退かれ、獲物を構えられているのが見えた。

「あー…他人に名を問うならば、まずは、自分から名乗るのが礼儀…
いやいや、今は、そんな状態でもなかったか。
驚かせた訳じゃからのぅ、いやはや、悪い悪い」

獲物を構えられていると言うのに、それを気にした風もなく、がさがさと茂みを抜け、少女の前に、その姿を現す。
悪い悪いと、その言葉に合わせるように、ひらひらと手を振りながら、現れたのは。
少女の目が行く頭の上に、狐を模した耳、そして異国風の着物姿、同じ狐ではあるも、複数の尻尾を持った少女の姿、と映るだろう。

体中に、茂みでのものだろう、葉っぱ等が張り付いているが、それはご愛嬌として見て貰いたい。

シフォン > 茂みから姿を現した相手は、やはりどう見ても女の子
悪びれた様子もなく、「悪い」と口にする相手に、とりあえずダガーの切っ先は下ろし。
ただし警戒は解くことなく、半身の姿勢は保ったまま。

「何か、用…?
 用がないなら……向こう、行って。」

取りつくしまものないというのは、こういうことを言うのだろう。
そんな感じに短く言い放つ。
先程は誰何したものの、自らが名乗る必要もなければ、相手の名前を聞くつもりもない。
相手が女の子とはいえ、盗賊の類ではないという確証もないのだから。

「―――とりあえず、葉っぱだらけだから、取ったほうが良い。」

と、警戒はするのだけれど。
相手のあまりにもな姿に、そんな余計な一言をつけ足してしまい。

タマモ > どうやら、反射的に獲物を構えたのだろう。
己の言葉に、それを下ろしたならば、うむ、と一つ頷いてみせる。
…まぁ、うん、警戒の色は、見えたままだが。
それは、あれだ、性格のなせるものだろう。

「用…いや、用があって来たのではなく、何であろうかと、気になって来た訳じゃな、うむ。
………あ、待て、せっかく誰か居たならば、聞いた方が良いのかもしれん」

少女の問いに、さらりとそれを答えながらも。
もう一度、頷いたところで、はた、と何か気付いた風に動きを止める。
軽く、そこから思案するような仕草を取り、ぽむっ、と手を叩いてから。

「すまんが、お主、この辺りに詳しいか?
そうであるならば、良い所に居ってくれた、と聞きたい事がある訳じゃが…
まぁ、そう知らんならば、仕方無い」

続き、そんな言葉を、少女へと投げ掛けるのだ。

葉っぱの事は…指摘されたのだが、その問いは、それよりも重要な事である。
まずは、それを確かめる事が大事、とばかりに、問うた後に、じーっと少女を見詰めるのだ。
もちろん、その答えに、期待をしている風にで。

シフォン > 気になってきた、という答えは想定の外ではあったけれど。
自身のテリトリーで、焚火をしている不審者が居ると考えると、様子を見に来るという行動はあり得る話ではある。
少女の言い分に、了解したという風に小さく頷き。

「分かった。私は狩りに来てるだけ、だから。
 これ以上用がないなら、これで。」

さっさと帰れ、と言わんばかりの態度で、少女が来た茂みの方へと視線を移す。
けれども、相手のほうはまだ用があるらしく。

「―――何?」

この辺りに詳しいかどうか、その問いかけには答えることなく、訊きたいことがあるとの言葉には、短い返答を返し。
聞きようによっては、「さっさと用事を終わらせろ」というような態度ではあるけれど。
何やら樹皮がどうこうという話になれば、思案顔になり。

「………向こうの泉のそばに、生えてた気がする。
 あなたが探してるものかどうか……保証はしないけど。」

あっち、と森の奥へと指先を向け。

タマモ > さすがに、己の言葉に、相手がどう考えているか。
そこまで読める程、勘の鋭さはないのだが。
納得した様子を見れば、面倒無くて助かった、と。

「うん?狩り?お主一人でか?
ふぅむ…むむむ…なるほどのぅ」

そして、少女がここに居る理由は聞けたのだが。
そこから、その態度を気にした感じもないまま、再び思案をしてしまう。
ざっと歩いていた感じ、そこまで危険はなさそう、ではあるものの。
忍んだ訳でない、己の気配よりも、己が立てた音に反応をした少女。
己としては、その反応には、少々気掛かりを抱いてしまうもので。
つい、一人唸ってしまうのだが。

己の問い、それに対して軽く説明を聞いた、その少女の反応に。
期待を抱いていた表情は、ぱぁっ、と明らかに輝いた。
そして、思案した後の答えには、更に興奮をしたような面持ちを浮かべ。

「お…おぉ、おおおぉっ!?
そうか、そうであったか!それは僥倖。
今日一番の、喜ばしい出来事じゃな!
この前に頼まれた薬草の時なんぞ、誰も会う事がなくてな?
おかげで、何日も掛けて、山の中を歩き回ったものなのじゃ。
いやぁ、ありがたいありがたい、助かったぞ?」

森の奥を、指し示すように指差す少女。
その少女に、聞きもしない、前回の事の出来事を語りながら。
少女へと向けて、その手を伸ばす。
感謝の言葉と共に、ぽむ、と肩を叩き、次いでに頭を撫でてやろうとするのだが。
少女の雰囲気から、それが許されるかどうかは、期待は持たず。
出来たら良いな、程度に試してみるのだ。
試すと言うか、まぁ、己の癖みたいなものだが。

シフォン > こちらが此処にいる理由を説明すれば、何やら思案気な様子
多少気にならないと言えば、それは嘘になってしまうけれど。
だとしても、それを問い質すことはしない。

さっさとどこかへ行って欲しいとの思いでのこちらの返答に、相手の反応は想像以上の喜びよう。
その様子にちょっとばかり引いてしまったのは、見ればすぐに分かるだろう。
その元凶がそれに気づくかどうかは分からないけれど。

「え、いや……そんなこと、聞いてな――」

何やら聞いてもいない苦労話を聞かされながら、肩を叩かれる。
先程まで警戒していたというのに、相手の反応に腰が引けていたせいで、手が届く位置まで距離を詰められてしまう。
その手がそのまま頭の方へと伸びてくると、くしゃりと柔らかい髪を撫でられる。

「わふ……や、やめ―――」

相手の手に伝わるのは、柔らかい髪の感触と。
髪の毛とは違う短い毛に覆われた柔らかい何か。ぴくぴく動くそれは、目に見えずとも触れれば何かは似たものを持つ少女には察せられるかもしれない。
その次の瞬間には、その手からその感覚はもちろん姿さえも消え失せるけれど。

「――はやく、どっか行って。」

身体強化を施した脚力で、咄嗟に相手から距離を取る。
ダガーこそ構えていないけれど、先程出会った時以上の警戒態勢で。

タマモ > あれやこれや、何かある度に、無駄に大きな反応を示す己は、少女の瞳にどう映るのか。
己とは裏腹に、なかなか表情に見せてくれぬ少女では、気付き難いものだろう。
…まぁ、だからと言って、己の対応は変わらないが。

「うむ、妾が知って欲しいだけじゃ。
苦労と言うものは、それを話す事で、理解を分け合い、多少は和らぐものであり。
喜びと言うものは、それを話す事で、その良い気分を、共に感じるものである。
…と、それっぽい話を、聞いた事があるからのぅ」

ふっ、とどこか遠い目をしながら、そう伝えるも。
肩を叩き、ぽん、と頭に手が触れた、その瞬間。
かくん?と、その感触に、またも首を傾ける事となった。
しかし、それは、それが何を意味するのか、理解するには十分なもので。

「なるほど、そう言う事か…何かしら、あったんじゃろうな。
ゆえに、お主には、それが良いかどうか分からんが…
妾は妾で、これを恩とし、お主に返したくなった。
勝手な判断で悪いが、どっかに行く、と言うのは、明日の朝として欲しいものじゃのぅ?」

わきわきと、少女を撫でた手を動かした後に、引っ込めれば。
少女の説明を受けるのに見せた、羊皮紙を、一度軽くひらりと揺らめかせ。
続き、少女の言葉に対する拒否を、すぱっと伝える。

「恩を恩で返す、妾の気紛れじゃ。
こんな場所じゃ、朝まで共に居る事、素直に受けてくれると、とても助かる。
あー…嫌だ、と言われても、付き纏うつもりじゃがな?
それに、まぁ………ちと、思い出した事も…それは良いか」

その言葉は、明らかに、押し付けと言えるものだが。
それを止めるつもりもない、と堂々とのたまってみせる。
最後の言葉は、何か言い掛けるも、止めてしまい。
だから、諦めろ、と笑顔と共に言い加えておくのだった。

シフォン > 相手が宣う蘊蓄よりも何よりも。
知られてしまったということが、恐怖を掻き立てる。
金になると思われれば、それだけで襲われる確率は跳ね上がる。
浅い息を繰り返しながら、相手の一挙一足へと注意を払うように凝視する。
そんな視線の向こうで、少女はと言えば意に介した様子もなく。

「―――恩だと思うなら、さっさとどっか行って。」

そうは告げるものの、付き纏うという相手の意思は覆りそうもない。
しばらくの間は睨みつけていたものの、無駄だと悟ると焚火のそばで丸くなる。

「―――勝手にすればいい。
 でも、また触ったら、ぶっ刺すから。」

何やら笑顔の相手に、抜き身のダガーを握りしめたまま、そう告げた。
何を思い出したのかは知らないけれど、相手が「朝まで」というなら勝手にさせる他はない。
結果として、その日は一睡もできず。
翌朝になって、約束通りに解放されたかどうか。それはまた別の話で――――

ご案内:「森の中」からシフォンさんが去りました。
ご案内:「森の中」からタマモさんが去りました。