2023/02/20 のログ
ご案内:「平民地区・飯屋」にアッシュさんが現れました。
アッシュ > 平民地区にひっそりとある、特別どうと言うこともない普通の食事処で。
やや遅めの夕食、と雑多に細かく切り分けられた焼いた肉をフォークでひょいひょいと口へ運びながら。
咀嚼する間に、テーブルの端に何枚か置いてある資料の束をめくっては眺め。少々行儀が悪いが、それをわざわざ咎めるような者も居はしない。

「だいぶ――変わったように見えるよなぁ。ま、大きな街だし、そういうモノなのだろうが……それにしても」

何か、生業にしている探偵の仕事の資料だろうか。
人の流れ、新しい店の登場や廃れて消える店、雑多な事件……資料の内容は様々だ。
仕事柄なのか、それとも旧来からの性分なのか、時折そうして世情のあれこれを集めてみたり、気になる所を洗ってみたりしているのだが。
どうも短期間で随分と情報の入れ替わりが激しい、と唸っているようだった。

「精度を欠くのは良くないからなぁ……流石に一人じゃ調べきれん――ああ、学院内のネタやら貴族達のネタなら、無理に俺が調べなくてもいい、のかもしれんな」

グラスの水を喉へ流し込み、肉の皿に一緒に盛られていた野菜類を食べ。
そう言えば、分野次第では助手に任せた方が楽なのでは、と考える。それなら随分助かるね、と思いつつ。
なんとなく周囲を見回すと、あまり馴染みの無い店だとは言っても、他の客達の格好やらも何だか一年ほど前と比べるだけでも違って見えるな、などと。
何か当人にしか解らない感情があるのだろう部分を、一人首をかしげながら食事を進めていた。

ご案内:「平民地区・飯屋」にリアさんが現れました。
リア > 入店するなり「腹が減った」「おれは酒だ」と賑々しい四人連れ。どうやら一仕事終えたばかりの冒険者らしい。
その後ろ、一行の飼い猫ですよというような澄まし顔で歩調を合わせ、てててと連れ添って入り込んだ猫がいる。

見つかったらつまみ出されると思っているのか、店員や客に見咎められないようにテーブルと椅子の陰から陰を素早く渡り歩いて、行き着いたのはアッシュの足元。
膝に前足をかけて上ろうとしている様子。

アッシュ > 資料など読み進めながら食べていれば、普通より遅くなりそうなものなのだが。
慣れた様子なのか、むしろ周囲の客達よりも早いのではないかと言うぐらいさくさくと食べ進み、もうほぼなくなろうかと言う頃。
そろそろ食後のコーヒーでも追加で頼んでおこうかと思えば、新たな来客の気配、ちらりと視線だけ投げていると、その後ろから現れて、こちらの足元に近づいてくる気配に視線を落とし。
テーブルの下へ見覚えのある白黒猫が潜り込むのを、お?……と少し覗き込めば、どうやら脚を伝って登ってこようとしている様子。

「……ケダマ……のようではあるが。ただの猫のすることじゃぁないからなぁ、中身はリアかな……?」

また何か新しい魔法でも覚えて、悪巧みでもしているのかね、と登ってくる仔猫を見ている。

リア > 爪を掛けて上ろうとして、服に傷をつけてしまうかなあと思ったので、ぴょいっとジャンプして膝の上に乗った。
ぐるぐると回って足場を確認しながら、胸のあたりに額をすり寄せて喉を鳴らす。

まだよじ登ろうというのか胸に前足を掛けたところで、ずばり言い当てられて金色の目が瞬いた――
誤魔化そうかなあ、どうしようかなあ、と首を傾げて考えた末に、

「どうして分かったんです? 完璧にケダマになれたと思ったのにー……」

ケダマと呼ばれる飼い猫と違うのは、首につけてある居場所を示す魔具――リボンが無いことくらいである。

アッシュ > 「いや、見た目は確かにケダマだが……
 普通の猫なら、入口が開いた隙に滑り込んでくることはあるかもしれんが、前の客の連れのフリしたり、他のものに気を取られもしないでまっすぐ俺の所まで来たりしないだろう」

やっていることが悪戯っ子のそれだよ、と声を出さずに笑いつつ。
そのまま普通に喋れるんだな、と関心しながら。猫なら撫でるのはここだろうとばかりに、喉の辺りを指先でこしょこしょと。

「以前は幽体――いや、とかく色々と芸達者になって行くものだな。たいしたものだよ」

一人で野営もどきをしていた所へ、幽体離脱のように現れたことがあったのを思い出すが。
あれは本人は夢だと思っていたようだし、本人にしては思い出すと恥ずかしいだろう事も色々言っていたのも思い出したから、細かく言わないでやるか、と。

リア > 「猫力が足りませんでしたか、無念です……猫にでれでれするアッシュさんを間近で見ておこうと思ったのに」

喉を撫でられると自動的にぐるぐる喉が鳴ってしまうのだった。
目を細くして暫し堪能し、ざりざりする舌で撫でてくれた手を舐める。

「優待……? 勇退……? ふふ、まじめに授業に臨んだ甲斐があったものです。
 私、攻撃とかよりこういうのの方が得意みたいです。
 でもまだ持続時間が短くて……限界まで頑張っていると少しずつ伸びるものらしいので頑張ります」

アッシュ > おお、ざりざりする――と、撫でられれば少しくすぐったそうにしていて。

「舌がざりざりなのは、ちゃんと猫力ありなんじゃないか?……いつもの舌の柔らかい感じとは随分違うものだなぁ」

姿かたち自体は、ちゃんと猫そのものなんだな、とまた関心もするけれど。付け加える言葉はいつもの半分意地悪なそれである。
味覚とかはどうなるんだろうな、とふと思ったらしく。テーブルの上の皿からあまりソース類がべったり付いていなそうな辺りの、肉の切れ端を摘んで、食うか?と鼻の前へ持ってきてみて。

「夢占いのようなことも出来そうだなぁ、とね?占いなのか妄想なのか分からんが――
 うむ、こういうのは探偵助手をやる時にも役立ちそうだしな。丁度、食事をしながらそんな事も考えていたよ。学院やらの事情はリアの方が詳しそうだし、とかね」

リア > 「ふふー、ケダマとはいつも一緒にいますからねっ。
 よく知ってるものだと完成度が高いです、やっぱり。
 行動のそれらしさは、演技力の範囲かしら……って、……っ変なこと言わないでくださいっ」

柔らかい感じ云々というのに、舐めていた手に噛みついて。

「レディに手づかみでお肉を食べさせようとするなんて、どういうことですか」

はしたないと言いたげである。ぷいと顔を背け、長い尻尾でぺしんと膝を叩く。

「夢占いは解釈が一筋縄ではいかないのですけど、試してはいますよ。
 そういえば前にアッシュさんが出て来た気が……わあ、潜入調査! ですか?」

アッシュ > 「痛い痛い。後で治療用の魔法薬が必要かなこれは……
 そう言えば結局ケダマで定着したかねぇ、ダイヤ案もあった気がするが」

噛みつかれれば、いかにもわざとらしく痛がって見せる。
何を思い浮かべたのかね、と表情は笑っていたが、わざとらしい演技力なら得意であった。
ふと、いつも一緒に居つつケダマと呼んでいるのだろうと思えば、もう本物の方も自分の名前はそれと思ってそうだなぁ、などと。

「おっと、猫の姿だからつい、な。食後のデザートもやはり我慢させた方がいいかな……」

尻尾で叩かれれば、尻尾って普段は無い部位だが、今はどう動かしてるんだろうなと気になって。
付け根の辺りからそっと手の中に包むようにして、するするとその尻尾を撫でてみる。

「夢の中でもうだつの上がらないおじさんだったろう。
 ……今すぐそういう仕事があるわけではないが、ね。それこそ女子寮で起きた事件、など俺が調べるよりも向いているだろうしな。
 ケダマに化ければ、そう言えば飼ってる子がいたなぁぐらいにしか思われないで入れる所も多いかもしれん。そういう風に考えると、わりと面白いものだろう?」