2023/02/14 のログ
ご案内:「平民地区/小酒場」にアッシュさんが現れました。
アッシュ > よく通う小さな酒場に、若干寒そうにしながら男がたどり着く。
外は今、だいぶ風が強いようで、そのせいで体感的にはかなり冷えるらしい。

「……ああ、だいぶ遠かったなぁ」

どうやらちょっと遠い所まで所要で出ていたのか、慣れた場所へ帰ってきた、と言う感じにほっとした顔をしていた。
ひとまず、体を温めるためにラム酒でも、と一杯店主に注文し。
来客達は皆テーブル席に居て埋まっているようだったが、そのぶん空いていたカウンター席の端へ腰掛けて、一息ついて。

アッシュ > かたん、とラム酒のグラスが男の前に置かれ。どうも、とそれに手を伸ばせば。
いつものお嬢ちゃんは一緒じゃないのかい、などと店主が尋ねてくる。
客のあれこれに基本何も言わない店主にしては珍しい、と思い、なんでだいと聞き返してみれば。
お祭り本番の日だろう、と言われてしばし考えて。

「ん?――ああ、なんだっけか、万霊……じゃないな、万愛節?だっけか。
 偶々かもしれんが、その話しをしている連中を全然見ないものだから……言われんと思い出さないもんだな。
 ま、四六時中拘束してるわけじゃあない」

確かに折角のお祭りなのだから、もっとそれらしくしていた方が、祭りそのものを用意した側も喜ぶだろうに、とはラム酒を流し込みながら考えもして。
自分の方はと言えば、そういうのは無理に要求するものではあるまい、と笑って流す。それぞれに皆事情が色々とあるものなのだ。

アッシュ > 「学生ってのは……課題が終わらない、とかで泣きながら机に縛り付けられたりしてるものなのか、ね」

自由気ままな自分と違って、学生と言う肩書が付いていると、どんどんやる事が増えて突然忙しくなったりするらしいよな、などと想像したり。
ラム酒が一杯空になったが、もう一杯酒と言う気分でもないな、とコーヒーを次は頼むことにして。
甘くするのも案外と好むのだが。ブラックのままに、ミルクを一滴だけ、などと妙に細かい注文をしつつ。

「ん?ミルク一滴だけ、ってどこで覚えたのかって……?
 そいつは……おじさんの秘密と言うやつだ。まあ、大した話しじゃあない、気にするな」

ほぼブラックのままだろう、と言うコーヒーを出してもらい。
いやいや微妙に違うんだなどと、よく解らないこだわりのようなものを。

ご案内:「平民地区/小酒場」にリアさんが現れました。
リア > そろそろ春めいても良い季節、あいにくまだ居座っている冬の風が吹きさらしている。
コートの胸元を押さえた娘が酒場の扉をくぐる。
乱れた黒髪を直しながらさほど広くもない店の中を見回して。

「こんばんは――」

言い終える前に見つけたアッシュの顔ににこっとすると、まっすぐそばに寄っていく。

「アッシュさんみいつけた。はあ寒かったあ……何飲んでますか?」

アッシュ > んん、苦い。などと渋い顔をしながら、コーヒーのカップをあおり。
わりと強行軍で移動してきたのを、ゆっくりまったりしていればだいぶ落ち着いてきた所。
酒場の扉が開いて外の風が入ってくるのを背中で感じながら、風の音がうるさくて普通なら聞こえるはずもない足音でも、特によく聞く音ならすぐに解るらしい。
おや、とカップを置きながら少し微笑むのを。店主は扉の方を向いているものだから、目視ですぐ新たな来客を目にしてから、にやにやと目の前の男の方を見る。
それを、余計な詮索はするんじゃない、と苦笑いしながら片手でひらひらと追いやって。

「おお、こんばんは。課題やら何やらで拘束されて、泡を吹いてるのかもしれんなぁ、なんて心配していた所だよ。
 ……これは、ブラックのコーヒーにミルクを一滴だけ、ってやつだ」

普段、酒ならともかく、殆どの飲み物をわりと甘くして飲んでいる印象のある男にしては珍しく、苦いだろうままのカップを軽く揺らして見せながら。
側に来た少女に顔を向け、やあ、と挨拶をしつつ。

リア > 「お隣よろしい――……お仕事中でした?」

店主と話していた様子に、そばまで来てから邪魔してしまったかと二人を見比べる。
コートの前を開けると中は制服で、脱ぐと目立ちそうなのでボタンだけ外して羽織ったままでいることにする。

ほんのり赤い鼻先をミルク一滴のコーヒーに近づけて不思議そうな顔をする。

「何かのおまじないですか?
 私も、コーヒーくださいな。あ、あと、これお菓子なのですが、良かったらどうぞ! いつもお世話になっておりますー」

言葉の半分は店主に向けて、カウンターの上に置いたのはお菓子の小箱。

アッシュ > 「もちろんどうぞ、だ。……単に無駄話をしていただけさ、いつものお嬢ちゃんは一緒じゃないのかなんて聞いてくるものだからな」

隣の席をぽんぽんと軽く叩いて。わりとよく通っている自分の方だけでなく、リアの方も覚えられているらしいぞ、と笑いながら。
鼻先が赤くなっているのに気づけば、それを撫でてみようかと指先を伸ばしかけるが。はたき落とされそうな気がして、尚更独りで勝手に笑っている。

「おまじない……と言うほどではないが、ずいぶん昔に知った、とある物語にそういう飲み方が出てきてねぇ。何となく気に入っているのさ。
 ――お、ありがとう、な。これは何の菓子だろうかね。この時期のお祭り向けのものかな?」

飲んでいたコーヒーの説明をしてやりながら、置かれた小箱を嬉しそうに見ている。