2022/12/24 のログ
ご案内:「自然地帯「大草原」」にミメシスさんが現れました。
ミメシス > 冷たい夜風が吹き荒れる此処はメグメール自然地帯に存在する「大草原」と呼ばれる一角がある。

一見して何処にでも存在していそうな草原地帯なのだが、此処は王都や村で良く売買される薬草や霊薬の材料になる草花が群生しており、冒険者だけではなくその手の薬草を必要とする一般人や何故此処にこれだけの薬草が群生しているかを調査する学者まで、幅広く訪れる場所である。

魔法使いが引き起こした魔法災害の跡地とも、知性ある魔物が自分たちの為に育ててる等という予測や推測は多々あるが、判明した事は此処はそういう場所であると言うことだけで、未だに冒険者に調査の依頼がはいるほどで……。

今宵は月もうす雲に紛れ、星の輝きも弱く、宵闇の深い一夜。
群生する草は大地から得られる栄養素が高い所為なのか、どれも人間の膝丈程度の高さで、足元は酷く見辛く不安定となっている。

それを利用してこの草原には幾つかの魔物が狩場ないし巣窟として利用している。

例えばゴブリン。
背の低さを利用して、草木に紛れ獲物を狙う。
或いはグラスウルフ。
新緑色の毛並みはゴブリン以上に草木と一体化し、時にゴブリンを襲いながらも、草原に入り込んできた人間を襲う。
しかし、それも草原の奥に草木の深い位置に行かなければ、あまり遭遇することは無い。
だが今夜は普段見かける魔物と違う不可視に近しい魔物が草原に蠢いていた。

ミミックに属する肉塊型のモンスター。
名称はミメシス、冒険者の間では初心者殺しとも呼ばれる擬態化する魔物で、今夜もその性質の通り、草木に紛れて地面やその草木に表面を擬態化させ、自分の上を通りかかる獲物を捕まえようとじっとその場にうずくまっている。

草原に流れる夜風は草の香りが濃厚だが、今夜に限っては夜露で湿る草木の香りに混じり、果実が腐ったような甘い香りが広がっているだろう、まるで草原地帯に誰かを誘うように……。

ミメシス > 今宵草原地帯に訪れる人影は無いようだ。
ミメシスは草原地帯を離れることなく、ただただじっと地面に草木に擬態をしながら、千載一遇の狩りと繁殖の機会を待ちわびる。

出来ることは甘い香りを広げて獲物を引き寄せること。
或いは犠牲者の声を真似て獲物を誘うこと。

どちらにせよ、獲物がいなければどちらも成り立たず、今宵はその機会も得られず、静かに草原地帯で蠢き続けるのだった。

ご案内:「自然地帯「大草原」」からミメシスさんが去りました。