2022/10/08 のログ
ご案内:「看板の無い店」にメリュジーヌさんが現れました。
■メリュジーヌ > そのおっとりとした面差しの魔女は、店の奥の広々とした来客スペースに独り、居た。
毛足の長い絨毯が敷かれ、中央には足の低い厚ガラスのテーブルが置かれている。
テーブルを挟んで、クッションが柔らかい上等の横長ソファーが一つずつ。
魔女が座すのはその内の一つ。適度な弾力の背凭れに体重を預け、ゆったりと足を組み。
店の出入り口には魔術が施されており、無意識の内に波長が合ってしまった者は、
ふらふらと入口を潜り、商品陳列エリアを通り抜け、奥の来客スペースへと入室するだろう。
一種の洗脳の効果が店自体にかけられているのだ。そして、魔女の餌食となる。
魔術の抑制が効かない危険な者が入って来る事も有るが、滅多に有る事象ではないし、
とタカを括っている。永い時を生きた人ではない種族特有の増長と言えるだろうか。
店の洗脳効果を察知し、洗脳されずに踏み込んで来る輩も、稀に居るのだから──
ご案内:「看板の無い店」にマロゥさんが現れました。
■マロゥ > 入口の方から微かに届く、来訪者が扉を開く音。
ふらりと誘われるように、しかし確かな足取りで看板の無い店の中へを足を踏み入れたのは、
その身の丈よりも一回り程大きな学院の制服を身に纏った少年の姿がひとつ。
「えぇと………此処は、お店………かな?
看板は無かったようだけど、勝手に入って良かったのかな………?」
躊躇うように零すそんな独白とは裏腹に、その足取りは一歩、二歩と商品の陳列された棚の合間を潜り抜け、
やがてその奥に設けられた来客スペースへと辿り着くと同時、其処に座する女性の姿を認めると。
躊躇いがちな所作は其の侭に、けれども丁寧に頭を下げてお辞儀をひとつ、挨拶と共に差し向けて見せた。
「―――今晩は。その………お邪魔しています。」
■メリュジーヌ > 「ん」
魔女はそこに少年の姿をみとめると、一声発し、
「ん~~?」
そのままの勢いで、首を横に傾けた。
自分の魔法によってここに引き寄せられた者にしては、言動がしっかりしている。
しかし、自分に対して明確な用事があるようにも見えない……
となると?
と、考え始めると様々な可能性が浮かんでくるが、それらを全て検証する魔女ではない。
「いいよー。でも、ここは君の来るところじゃないかなぁ。少なくとも今はねー」
自分の魔法にかかっていない人間は、という意味だった。
愛想を振りまくでもなく、ただ面倒ごとを避けるために、手をひらひらと振って、
遠回しに回れ右するように伝える。
意識を明確に持っている相手から、目的を遂げるとあとが面倒だ。
■マロゥ > 自分の存在を認め、間延びした声と共に首を傾ける女性の様子を眺める。
ゆったりとしたガウンの布地越しに見て取れる起伏に富んだ女性的な肢体に、
自然とその視線が吸い寄せられるように釘付けになってしまっていたのだけれども。
「―――そう、ですか………。それは失礼しました。」
立ち入った事に対して叱責する素振りが無い事に安堵の色を宿しつつも、
手を振って言外に立ち去るよう促す意図を汲み取ったならば、
大人しく踵を返して来客スペースを後にしようとするだろうか。
■メリュジーヌ > 【部屋移動】
ご案内:「看板の無い店」からメリュジーヌさんが去りました。
ご案内:「看板の無い店」からマロゥさんが去りました。