2022/09/15 のログ
ご案内:「看板の無い店」にロジエさんが現れました。
■ロジエ > その薔薇の精は、店の奥の広々とした来客スペースに独り、居た。
毛足の長い絨毯が敷かれ、中央には足の低い厚ガラスのテーブルが置かれている。
テーブルを挟んで、クッションが柔らかい上等の横長ソファーが一つずつ。
妖精が座すのはその内の一つ。適度な弾力の背凭れに体重を預け、悠然と足を組み。
対面には誰も居らず、片手の爪をもう片手の指先でやんわり弄んでいる。
店の出入り口には妖精の魔術が施されており、無意識の内に波長が合ってしまった者は、
ふらふらと入口を潜り、商品陳列エリアを通り抜け、奥の来客スペースへと入室するだろう。
一種の洗脳の効果が店自体にかけられているのだ。そして、妖精の獲物となる。
魔術の抑制が効かない危険な者が入って来る事も有るが、滅多に有る事象ではないし、
とタカを括っている。永い時を生きた人ではない種族特有の増長と言えるだろうか。
店の洗脳効果を察知し、洗脳されずに踏み込んで来る輩も、稀に居るのだから──
ご案内:「看板の無い店」からロジエさんが去りました。