2021/07/31 のログ
ご案内:「メグメール 自然地帯」にタピオカさんが現れました。
タピオカ > 熱い夏でも旅をする方法はある。
昼間は休んで夜に歩けばいいのだ。

ダイラスの冒険者ギルドにて、小包の郵送依頼を引き受けた。配達先は神聖都市ヤルダバオート。手のひらサイズの箱だ。中身は知らされていない。
その荷物を持って、日光のあるうちは日陰で眠り宵のうちに移動するという昼夜逆転の旅の途中であった。

時刻は夕刻。1人用のテントを張ってある木立の影でのんびりくつろぐ褐色肌の冒険者の姿があった。
人目の無い事を良いことに、ショーツ1枚の気軽な格好で木のそばに流れる小川に素足をつけて涼んでいる。

日が傾く頃にテントの中で目を覚まし、先程食事を済ませた。
まだ日中の熱が地表全体を覆っている。
完全に日が暮れるまで待ってキャンプを片付け、出発する心づもりだ。

それまでの夕涼みとばかり、素肌に触れる涼しい風に瞳細めながら、水辺に腰かけて空見上げてる褐色肌の小さな背。

タピオカ > 夏虫たちが羽音を鳴らす。
長い昼の終わりかけに、空が染まる。
赤くなれば紫に、青に、藍色に。静かに黒が降りてきて、一番星が瞬きを始めた。
夏の夜。照りつけた陽光が地平線から帰っていった。

昼と夜の入れ替わりは幾度となく旅の途中で見てきた。
いつ見てもきれいで、見るたびに自分が小さく世界が広く感じられる。
空から見れば人は砂粒なんだろうか。海辺の砂浜のように、水に濡れては乾く生き物か。

そんな事をとりとめなく思いながら、すっと水辺から立ち上がり。手慣れた調子でキャンプを片付けにかかる。間もなく、木立からは人の気配が遠ざかり。
腰にカンテラを下げた冒険者の足音も遠ざかり――。

ご案内:「メグメール 自然地帯」からタピオカさんが去りました。