2021/04/03 のログ
ご案内:「王都平民地区 鍛冶場工房」にスピサさんが現れました。
スピサ > 王都昼間の鍛冶場工房地帯
槌が鉄へ振るわれる音 鋳造される焼けた鉄の匂い
昼も、夜も、鉄を見極めながら作業が続けられる場所

スピサは工房にいる限り、表の看板には【OPEN】を示す看板を下げている。
個人の注文もあれば、武器屋から依頼されることもある
仲介料が発生するものの、鍛冶師と拗らせないためか 信頼される筋ならば、注文した武器が確実であるならば
そう言った手段をとるところもあるだろう

スピサは今、ナイフを何本も拵えていた。
用途を振り絞ったものではなく、幾つかの手段を持つナイフ
大ぶりなサバイバル・ナイフと呼ばれる 生存 を意識したもの
攻撃 工作 食事 色々な意味でナイフは手放すことはほぼ冒険者からすればない

造られたナイフは幾つかの形状に分かれたもので、一つ一つ
白い砥石の上で明かりを灯し、バイザー型の革の眼帯を外した単眼の瞳が、ジッと作り上げた刃の出来を見ている
言葉すらない世界は、砥石の上で乾いた音を立て刃を造られていくナイフの声しかない。

「……。」

研がれただけで出来上がる、ナイフの研がれた部位 ジッと目を凝らせば
只の延べ板ではない 複雑な凹凸模様が浮き上がったそれ 研磨剤や磨き粉を使わず
ただ研いだけで生まれるもの。

「―――シッ!」

ナイフや投擲用に存在する、適当な丸太的
それへ向かって、両手で振り投げる。
独特な肌肉へと深々と刺さる音。
抜けた後の突起が丸くなっていないのを見ては、満足そうに指ではじき。

スピサ > 二本のナイフを抜き取るままに、布で木片を拭い、出来を確かめる
グリップの握り具合や峰に取り付けられた直角凹凸
骨や硬い部位に傷を与えることができるそれは工作や解体に役立つだろう。

そして依頼ではないだけに、スピサは黙って砥石と向き合うだけだ。
ナイフをいくつも、作り出したい気分となっていたものの
一つ一つが鋳造と研ぎだけで済ませたようなものではなくハンドメイド状態
これでは売りも人を選んでしまいそうだ。

短刀やダガー使い
ハンターのような狩猟者のサブウェポンや毛皮剥ぎ
勿論、背中から密やかに近づき、胸元へナイフを突き立てる道具としても
やや大ぶりだろうが見事に果たせるだろうか。

「……こだわり過ぎちゃったかな?」

革のオーバーオール姿で、汗をにじませた姿で、使用用途を考える
アームバンドやレッグバンドと鞘を拵えたらどちらが使えるだろうか
などと、ナイフの供をする鞘のことまで考えてみたくなり。

スピサ > なんら特別な革ではない
ナイフの納まる形に仕上げ、鞘の切っ先には金属を充てる。
両脚はオーバーオール姿ではむき出しの部位はなく、左腕に合わせてナイフを取り付ける。
もしくは、肩に添えるようなタイプもいいかもしれない。

左腕に取り付けたそれは、肩口のもの
ベルトで調整が利くように施された鞘から、ナイフを何度か抜き差ししてみる。
腰に作業用ベルトを充てるなら、これも悪くないかもしれない
もっとも、スピサは外出用の防具として毛皮のジャケットを纏うせいか、夏用に新しいものを造る必要もでている。

「ん……そろそろ夏用の上着も作ろう、かな。」

ナイフを手の中で逆手に握る様に廻してみながらも、鞘へと納めなおした具合を確かめる。
グッグッと体を動かしながら、普通の匙加減ながらに好い鞘の具合だ。

「よし、と。」

ナイフをそれぞれ収めたのなら、適当な箱にまた収めてしまうだろうか。

ご案内:「王都平民地区 鍛冶場工房」からスピサさんが去りました。