2021/03/12 のログ
ご案内:「王都 自然地帯 中級用ダンジョン 鎧ムカデの洞窟」にスピサさんが現れました。
スピサ > 鎧ムカデの巣は時折発生する
暗く湿った場所を好みながら、背中には躯や落ちていた武器や防具を背中に張り付け、強度を増すことで生存率を上げる大ムカデ
しかし場所のせいで錆び付いていくため、性格が几帳面なムカデや捕食にすぐれた者が生き延びる。

冒険者クエストで素材集めに出向こうとしていたスピサは、鎧ムカデが発生したので討伐を、という依頼を手に取り、赴いた
武器や防具が銘品であればあるほど、刃が欠けることや失うことを恐れる冒険者は一定でいる。
そんな者らに嫌われやすい性質を持つ鎧ムカデのようなタイプは、それもまた生存率を上げる一躍となっていた。

金属以外の、特殊な木材からつくられた打撃武器や革の鎧で挑めばともかく、そういった事情から遠ざかりつつあるムカデ討伐
しかしマニアやスピサのような、金属に一定の興味を示す者は逆に向かっていく。

洞窟内にて、動きがとれるよう鏡面仕上げの筒にいれた蛍光石をいれ、前方を照らす懐中照明
大きめのクリップでオーバーオールに挟んだことで、両手が空いているスピサは探索に挑んだ
湿り気 土の匂い 入れ替わる生物の住処は洞窟を崩さない限り終わらない

「 スン スン 」

鼻を鳴らし、金属の匂いを確かめるスピサ
種族性と職業柄での、金属の音 匂い を聞き分ける。
また、動けば動くほど、重厚な鎧ムカデは目立つ音を立てるだろうか

時折見える骨は迷い込んだ獣や住処にしようとしたゴブリンの果て 豚鼠などもあった。

スピサ > 時折、錆びて砕けた剣の先や鎧の切れ端が見つかる
脚で触れると、力を入れれば折れそうなほどだ
天井を見上げても蝙蝠の類はいない。

小生物はすべてムカデの餌となったか追い出されたのだろう
肉食虫の鎧生態を前にすると、それこそ金属を餌とするようなものや、酸性スライムのような天敵でもない限り無理だろう
中には強力な酸を詰めたガラス質の珠をつくり、それをぶつけて退治する者もいるらしい。

「……動いていないのかな。」

スンスンと鼻を鳴らし、奥へ行く
金属製があらかたこうして廃棄されない限り利用されるだろうと思うと、金属の匂いが強い方向へさえ行けばいい
腰の筒鞘から愛用のメイスを取り出し、半ばから赤熱しているそれは白赤い光を放っていた。
中へと進み続けると、壁に張り付いている鎧ムカデが一体。
それも骨となった躯が着込んだものを背負うことで、洞窟内で腰を下ろし、死んだままという状態で擬態している。

ジリッジリッと近寄り、間合いを詰める。

「―――シッ!」

もっとも、スピサからすれば単眼の視力か、虫の匂いか
死体荒らしをしようとしたものを食おうとする者へ、振り下ろされる片手振りの落とし。
半ばから、バキリと聞こえる殻の割れる音と、ムカデ油の漏れるそれ。

先端がジュウウウウと煙を上げる中で、頭部に向かってもう一撃。
金属以外を背負っていることで装備事砕けきると確信できた一撃だった

来ている装備も、金属板を複数枚使いつなぎ合わせた低価かつ、防御力はそれなりなもの。
用は無いとして、次へむかった。