2020/07/26 のログ
ヒュー > 女の言葉に楽し気に笑って。柔らかい頬笑みを見せる相手に小さく男も笑みを向け。
困った様による眉と、もぞもぞと動かす手に小さく笑い。
目立つ八重歯を見せつけられればクツリと笑い。

「あぁ デザートにな たっぷり飲ませてやるぞ。」

くつりと笑いながらゆっくりと顔を近づけていく…
が、押し付けられるグラス。
女の唇からだいぶ硬いものに変わってしまったと小さく笑いながらちびりと舐めるような一口。
男が飲めばその小さなグラスなど一口になってしまうから…。
ちびりと味わえば口の中に広がる心地よい酸味。
食前酒にはぴったりかもしれない等と考えながら仕方がないという表情を向けながらも向けられる笑みに男も楽し気な笑みを返して。

「ん。これも美味いな…。」
等といったところでテーブルの上に置かれた焼いた野菜。
男は片手で器用に焼いた肉で焼いた野菜を巻いて、大きな口を開けガブリと一口。
口の中に広がる肉汁と野菜の甘みを楽しみ、ジョッキでそれを流しこんでいく。

「んむ。右手にいい女左手で旨い飯。 たまらんなぁ」
等と、ものすごく幸せそうな笑みを浮かべる男であった。

ナラン > 「…冗談です」

血を要求したことに対する男の余裕の返答に、すこし詰まらなそうに唇を尖らせる。
それから大人しく果実酒を―――一口で―――飲む男の様子に半ばほっとした様にも笑って、空になったグラスが置かれれば、給仕に同じものをもうひとつ、と手ぶりで示す。

男に片手を取られたままだから、女の方も片手で食べることになる。
軽く吐息は付くけれど、得に恨めしげという訳でもなく、いつぞやの『我儘な大きな弟』を見る眼で男を見て

「――その食べ方、美味しそうですね」

言って女は片手で以て男の真似をして肉で野菜を巻こうと少し四苦八苦。
そんな宿の喧噪に包まれた食事の時間は、女に取って久しぶりの心置きない楽しい時間となって、更けてゆく…

ご案内:「王都 冒険者ギルド傍の宿」からナランさんが去りました。
ご案内:「王都 冒険者ギルド傍の宿」からヒューさんが去りました。