2020/04/13 のログ
フィル > 「これは…普通のアクセサリーみたいだし…」

平民地区とはいえ、完全に安全ではない場所である。
当然、いいもののように偽って、ガラクタが売ってあることも少なくはなく。
露店というものとなれば、その確率はどうしても上がってしまうのだ。
もっとも、だからこそ掘り出し物を見つけられるかもしれない、といった楽しみが普通のお店を巡るよりあるわけなのだが。
一つ気になった露店をのぞき込んで、しばらくじっと見ては、許可を取ってから手に取ってりしていくが。
露店の主が説明しているような、特殊な力を感じることもなければ、恐らく外れだったのだろう。
少年自体そこまで見抜く力が養われてはいないとはいえ、あからさまに雑貨屋でも扱っていそうな小物だったようである。

「あとは…あ、いえ!
そういうのは…大丈夫ですから!」

気を取り直して、まだ続く道の先へと踏み出したところで、勧誘されたようだ。
どうやら食事処でも、妙に値が張る場所のようであれば、普通のお店ではないのだろう。
明らかに羽振りのよさそうな大人を狙うわけでもなく、少年に声をかけたのは、狙いやすそうと思われたのかもしれず。
ローブのを引っ張って少しだけでもと、食い下がってくる勧誘者に、何度も断りの言葉と態度をとっていくが。
中々放してもらえず、少々周りの視線が集まり始めてしまうことになってしまったようであり。
少年も段々と焦りと必死さが募っていき始めることになっていくことになるが。

フィル > 「ですから大丈夫ですってば…!」

町中で変化は少々厳しい、と考えた少年は素直に逃げの一手を取ったようである。
掴まれたローブの裾を振り払い、頭を下げて改めて断りを入れるのは、相変わらずの性格といえるかもしれないが。
そのまま姿勢を低くすれば、振り向きざまに人に紛れる様に駆け出し。
小道に入るようにして、人込みの中を走り抜けていくようにしたようだ。
人に化けていても、意識を集中されていれば多少なりとも、元の姿の反射神経はいかせるようであり。
人にかすることはあっても、大きくぶつかることはなく。
何とかまくことはできたようであるが。

「こういうのは本当に…厄介ですよね…」

背後から探すように聞こえた声に、少しだけビクリと肩を震わせては、少し姿勢を低くしたままにしておき。
探す声が聞こえなくなり、また別の対象へと勧誘が移りそうな時間をおいてから、帰り道に戻ることにしたようである。
そのため、直ぐに戻れない分、少し早めに先に進むことにはなってしまい。
幾つかの露店は当然見落としてしまったことに少しだけ、少年は肩を落とすことになってしまったわけであるが。
気分を切り替える様に、もう少しだけ通路の先に向かって歩みを進めなおし始め。
散策を楽しんでいこうとしていくようであり。
しばらく散策を楽しんだあと、考えたうえで別の道を通って帰路へとついていったか―

ご案内:「平民地区 表通り」からフィルさんが去りました。