2020/01/04 のログ
■白冥花 > テントの伸縮富んだ材質で圧され、そのテントの床はボコと膨らんでいるのは滑稽な光景であるが、それが刺激されれば一斉にそのテントを白冥花が囲み覆う、若しくはそのテントの中に蔓延る事となるだろう。
破るだけの力を持ちながら行使しないのはまだ覚醒の時ではないと本能が訴えている所為で、仮死状態ではないが植物のふりをしているに近しい。
純白の花弁を持つ花はそれでも徐々にその圧し曲がった花を中心に大地より蕾をのぞかせて数を増やしていく。
人の目に違和感を与えないように一輪、また一輪と数を増し、無名遺跡周辺にあるキャンプ設営地のむき出しの大地を白に染めようとしているようだ。
だがまだ、まだ埋め尽くすには遠い。
今もテントの脇に白い花が一輪咲いただけで、それ以上はまだ顔をのぞかせず、土でも払わない限りはその存在に気がつくのは難しいだろう。
■白冥花 > 白冥花は刺激さえ受ければ活性化するのだが、逆に言えば刺激が無ければ活性化しない。
活性化さえなければ純白の可憐な花である。
ただ一つのテントの周囲だけにポツポツと花を蕾を見せる様は酷く異様であろう。
今宵花は栄養も何も得られずにただの白い花としてその時が来るまで風に吹かれて揺れるだけであった。
ご案内:「無名遺跡/キャンプ設営地」から白冥花さんが去りました。