2019/11/19 のログ
スミ > 洞から外を覗いてみる。
目の前には、太さが己の身長ほどのもあろうかというこの木の枝が、路の様に森の闇に向かって伸びている。
左右を見渡すが、こちらへ差し伸べられている木の枝などは見当たらない。
昼間見て知っているが、改めて確認してから首を引っ込める。

(―――蛇などが、昇ってきたりしなければ良いけれども…)

嫌な想像にまたぶるっと肩を震わせると、巣の中を振り返って枯草に埋まっている羽毛を集め始める。
ふわふわと軽いし潜り込めるほど集められないかもしれないが、うっすらとでも身体を覆って、その上から上着でも掛けたらそこそこ暖かいだろう。

(遭難するにしたって、こんなところじゃ―――
 いやまあ、案外面白い事のような気もする)

兎にも角にもそうしてこの夜を乗り切って
巨木からどうやって地面へと降り立つのかは、陽が昇ってまた明日、別の問題。

洞の奥に小さく丸まって、羽毛に塗れて温もりが回ってくれば
女はすとんと眠りに落ちた

ご案内:「自然地帯/巨鳥の巣」からスミさんが去りました。