2019/09/17 のログ
アグネーゼ > 「……王…族―――」

人魚として海で生きてきた己には、地上での上下階級など知ったことじゃない。
けれど、己の所為で教会に、神父に迷惑が掛かるなんて、あってはならない事だ。
どうしよう、どうしたら良い。頭の中で答えの出ない出口を求めて少女は彷徨う。

―――そうして、そんな時に。
鞭の後の飴が与えられると、どんな理由であれ誰でも、その救済案に耳を傾けてしまうだろう。
それは少女とて例外ではなく、絶望から希望を見出した眸が、ぱっと彼へと向けられ。

「…!わ、私が?私が―――で、でも、愉しませる…って…?」

即座に少女の面差しが曇る。困惑気味に。
再び距離を詰められようとも、少女が逃げる素振りはない。
先ほどまでの強い好奇心も嘘のように萎んでしまって、ただただ、縋るように。

「私は……何をすれば?さ、さっきのを、もう一度、今度は耐え抜くように……でしょうか?」

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 何をすれば良いのか、と縋る少女を僅かに瞳を細めて見つめる。それは、少女に与える希望を考えている様にも、或いは獲物を甚振る方法を考えている様にも見える。
そんな一瞬の沈黙の後、ゆっくりと唇を開いて――

「…そうだな。それで良い。何をされても、何を命じられても、耐え抜き、堪え、平常心を保つと良い。保てなければ……どうなるかは、自分で考えると良い」

そうして、再び少女の身体へと手が伸びる。だが、先程までとは弄る手の動きが明らかに違う。
一応、曲がりなりにも罰という名目があった先程とは違い、明らかに少女の身体を性的に昂らせる様に、乳房へ伸びた手はその柔らかさを愉しむ様に揉みしだき、秘部へと伸びた手は衣服越しに指を押し込もうとするだろう。

それと同時に、己の持つ魔術を一つ発動する。
対象の欲求を限りなく増幅させる己の魔術。食欲、睡眠欲、購買欲や承認欲求。理性ある者が持つ欲求を増幅させる魔術が少女に呼び起こそうとするのは、無垢が故に秘められた性的な欲求。
勿論、精神魔法故に抵抗は容易く、人外の者に効果があるかどうかは未知数ではあるのだが。

アグネーゼ > 「……っ…は、…はい―――つ、次こそは、耐え……ます、から…」

正直、耐えられるかどうか自信はない。
何せ少女にとっては初めてのことで、けれど、耐えなければ教会に責が及ぶのだから、
泣き言など言っていられない。

けれども、そう自分に言い聞かせれば言い聞かせるほど、
無駄に神経が昂り、感度が上がっていってしまうというもので。
先ほどされたことと同じ繰り返しであるのに、どうしてか妙に意識してしまう。

「……っ、……ぅ―――っふ……」

それは。果たして快感と呼ぶべきなのか、少女には分からない。
ただ、擽ったい。ところどころで、無意識に腰が跳ねてむず痒くなって、落ち着かない。
何かが流れ込んでくる。それはこの少年の魔力だ。
己に何をさせようとしているのか。分からないけれど、それは、
肉体的なものにではなく、精神に来す魔術であるのは本能的に判る。

抵抗は――しようと思えば出来るのだろう。少女が拒絶してしまえば、きっと簡単に弾けるのだろう。
けれどもそれは出来ない。抵抗してしまえば、彼の気分を損ねてしまうかもしれない。

「……っは…!はぁっ……はぁっ―――」

果たして。少女は耐え抜いたのか、それとも最後の最後で平常心を保てなくなってしまったのか。
その答えは、目の前の少年にしか分からぬこと―――――。

ご案内:「奴隷市場 表通り」からアグネーゼさんが去りました。
ギュンター・ホーレルヴァッハ > 己の掌に懸命に耐える少女を眺めながら、随分と頑張るものだと感心する。
また、些か悪辣が過ぎたかと思わなくも無いが――それは、己の性とも言うべきものだろう。今更善人を気取れる訳でも無し。

「…さて、何処まで耐えられるものかな。余り声を出しては、通り迄聞こえてしまうやも知れぬぞ?」

そんな言葉を投げかけつつ、発動した魔術が彼女に与えた結果を見届け、己が満足するまで少女を嬲っていたのだろう。
戯れの様な、巣に掛かった得物を弄ぶ様な行為の末、無垢な少女は十二分に己を愉しませてくれたのだろう。

そして、路地裏から立ち去る間際。奴隷市場から平民地区へと向かう馬車への路銀を少女に手渡し――

「好奇心を抱くのは良い事だが、それが良い結果に繋がるとは限らぬ。精々、私の様な悪辣な男に捕まらぬ様、気を付ける事だな」

散々に甚振っておきながら、とも思わなくも無かったが。
そんな傲慢な忠告を告げた後、好奇の視線を向ける民衆を一顧だにせず、立ち去っていくのだろう。

ご案内:「奴隷市場 表通り」からギュンター・ホーレルヴァッハさんが去りました。